水戸興信所 探偵よろず日記

結婚2年目で実家に帰った妻との離婚

依頼者 青山幹夫(50) 妻 花子(48) 長男 一郎(25)  すべて仮名

相談目的
実家に帰っている一郎の妻 美由紀(24)と協議離婚を成立させること。

相談概要
1 交際中の妻はスポーツ好きの明るい女性だった。結婚して2年になるが、結婚間もなく、しだいに妻の態度が変わってきた。家族の団らんに加わらず(一郎夫婦は両親幹夫・花子と同居)、夫婦の自室に一人でこもるようになった。
2 夜の夫婦関係も拒むようになり、帰宅後や土日でも家族と会話することなく、食事も一人で取るようになり、とにかく口を閉ざしてしまい家族から孤立した。
3 ある日、私たちが団らんしながら、台所にいた美由紀を少しひやかすと美由紀は庖丁を振りかざして、狂人のような形相で私たちに突進してきた。幹夫が取り押さえた。美由紀は泣き騒いであばれたが一郎が自室に閉じ込めた。
4 隣県に住む、美由紀の実家に事情を知らせた。夜中に両親が迎えに来て、しばらく実家で美由紀を静養させるといって連れ帰った。
5 それから半年になるが、先方から何も言ってこない。あのようなキチガイ女と早く離婚したい。幸い子どもがいないから、離婚条件は無条件ということで双方とも名目の如何を問わず金銭的な要求はしない、との誓約書と離婚届に印を押して、早く美由紀の荷物を引き取る事。結婚後に共働きで買ったエアコンや冷蔵庫など家電品は青山家においていくこと。

妻 美由紀の実家訪問

美由紀さんのご両親は多くの東北人にみられる朴訥な人。挨拶のあと私は「お互いに性格が合わない不幸な結婚でした。青山家では、金銭的なやり取りをしない無条件で離婚したいといっています。」と離婚話を切り出した。
ご両親は、後ろに下がって座って私の話を聞いていた娘さんに、「お前も言いたいことをこの人に言ってみろ」と促した。おとなしく控えて私の話を聞いていた美由紀さんが青山家で暮らした2年間の様子を話し始めた。その話しぶりは、包丁を振りかざして義父母と夫に突撃するような人柄とは見受けられず、教養のある物静かな印象の女性だ。ご両親も、娘さんの話にじっと耳を傾けるだけで口をはさむことはなかった。母親の悲しそうな表情が痛々しい。
美由紀さんの説明した青山家での結婚生活

1 夫、一郎はマザコンで自分の意見を言えず、すべて母親の指示命令に従う人なので、私の意見や希望など一つも通らなかった。
2 義母は、嫉妬心が強い人で一郎さんを私に奪われたという意識を常に抱いているようで、私に冷たく当たった。
一郎さんとお風呂に入っていると、義母が突然浴室のドアを開けて中の様子を見ることが度々あった。
3 義父母と一郎さんはお酒が好きで、特に義父母はビール12本と焼酎4合瓶1本を晩酌として毎晩飲んでいた。私はこのような晩酌の場に付き合いきれないため一人で部屋にこもるようになった。
4 義母は、深夜私たちの寝室の脇の廊下で中の様子を聞いていたようで、そのままその場で寝てしまうこともあり、私がトイレに起きたとき廊下で寝ている姿を何度も見たことがある。
5 義母は、酒乱気味の人でお酒が入ると大声で私の悪口を言いだす。夫は私をかばってくれることもなく、何一つ反抗が許されない環境の中で私は体調を崩し、うつ状態になってることを自覚した。
6 いつものように、家族の晩酌で喧騒が激しくなったとき、私は何かの用事で台所にいたところ、義母が私に罵詈雑言を浴びせかけてきた。その日は特にひどい騒ぎ方だったため、私の心の糸が切れてしまい包丁を持って、居間で騒いでいる家族の前に行って包丁を振り回してしまった。精神が錯乱して抑制がきかなかったです。

離婚することに異存はありませんが、私が一方的に悪者にされて離婚することに納得できません。せめて気持ちだけでも慰謝料が欲しいです。

よろず相談室がうごく
筆者は、青山家の話と、美由紀さんの説明が真逆であるが美由紀さんの話が正しいと、即座に判断できた。私は美由紀さんに「あなたの希望が通るような離婚にしてみせます」と約束して美由紀宅を辞した。青山家の言い分として「幸い子どもがいないから離婚条件は無条件。金銭のやり取りはなし」とのことだが、子どもがいなくても離婚は女性の方がハンディキャツプを負うことになる。夫だけ無傷で妻を突き放す青山家の魂胆が腹立たしい。

美由紀さんの意向を伝える
この美由紀さんの意向は、ほどんとが私の創作であり青山親子は震え上がった。

「美由紀さんの心の病・精神状態はひどい。彼女は『私はもう一生結婚はしない。一郎が結婚したら毎晩そこへ乗り込んで騒いでやる。一郎夫婦が私みたいに壊れるまで嫌がらせを続ける。どうせ私は精神病者だ。精神病院の薬も服用している。あの義母にいじめられたために精神がおかしくなったようなものだ。とにかくあの家族が平和でいることを許さない。』と言っている。復讐の執念が相当強いですよ。少しばかりの慰謝料では納得しないと思う。このさい会社からお金を借りてまで多めの慰謝料を支払って和解した方が将来的に安心できると思う。」と説得して、過分な慰謝料を支払って離婚が成立した。

今回のように、依頼者側の主張よりも相手方に理があり、相手方の立場になって和解を行うことは信義違反ではないと思っています。離婚話も交通事故も双方の意見をしっかり聞くべきであることを再認識した事件でした。

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