水戸興信所 探偵よろず日記

依頼者 菊田誠一(40)会社員
対象者 菊田晴美(38)パート勤務 小学生の子 二人有り 仮名

調査目的
妻の浮気調査

相談概要
 最近の夫婦の状況をはなします。
妻が最近、9時から16時まで会社事務のパートに出た。そのころから「あなたのいびきがうるさい」といって寝室に入らず1階で寝るようになった。土・日・祝は休みなのに出勤するので疑惑を持ち始めた。帰宅してからトイレの中や二階で、携帯電話でヒソヒソ話をしたりするので、夜中に妻の携帯電話を見ると「池田にさんに抱かれたい」などと書いてある。独身時代に着ていたらしい、今では不似合いな洋服を着用するようになった。派手なパンティを数種類買ってきた。「30過ぎまで子育てに頑張ってきたんだから、少しはいいもの身に着けてもいいでしょう」という。「時々、自宅付近の空き地で奥さんが車を止めて携帯で話している」と、町内野球クラブの知人から忠告された。生活態度がそわそわして落ち着きがなくなった感じがする。

ある日、妻から「歓迎会があるので参加したい。帰宅は遅くなる」と電話があった。「俺の予定を知っているのに、子どもを置いて出かけるのはおかしい、何かやましいことをしているのか。歓迎会は行くな!」というと妻は、「浮気でもしていると思っているのか!信用していないのか!」と怒鳴る。私、「仕事の付き合いだといって、帰宅が毎日遅い。土日も出勤したり、早出残業・・たかが事務職のパートで付き合いが必要なのか?」「そんなに信用していないなら離婚しようか。昔から私は我慢している。彼方のべたべたする態度なども不満が一杯だ」。「今日離婚届出をもらってくる。もういくら謝ってもダメ」。帰宅すると妻に離婚届叩きつけられた。それから数日妻の怒りは収まらず、離婚か家庭内別居しか選択肢はないという。

「気晴らしに会社の事務員A子と飲んできた」と深夜に帰宅した。更に土曜の夜は帰宅せず朝帰りした。今までにないことだ。深夜帰宅について、事務のA子さんに事情を聞いたことを妻に伝えたところ、「どうして夫婦の事をA子に聞きただした!恥をかかせるな!」と烈火の怒り。妻に数日謝りとおしているが、「謝って済む問題ではない」と怒りは収まらない。

そんなごたごたが続いて、妻は事務のアルバイトを辞めた。

ある日、妻の車のカーナビの「走行軌跡」をこっそり再現してみると、とんでもない遠方に行っていることが分かった。妻のジャンパーから、「池田哲也様」と書かれたクリスマスケーキの引換券が出てきた。妻に、ケーキ引換券の疑惑と、どうして車で遠方に行く必要があるのかを問い詰めてから出勤した。妻からそのことで説明の電話があった「遠方のT市に行ったのは子供用品スポーツ店めぐり」「ケーキは池田哲也の友達の奥さんから頼まれた」と言い訳。
「財布や洋服までチェックされたらたまらない。嫌悪感でいっぱいだ」「子どもの前であんな質問することないでしょう。どこまで私を落とすのか。そんなに信用できないなら別れましょう・・」。

妻はある夜中「頭を冷やしてくる」と車で出かけた。携帯電話の電源が切られ連絡が取れない。朝帰宅した車のコーヒー空き缶2本に種類の違うたばこの吸い殻が詰め込んであった。「公園の駐車場で仮眠していた」という。走行軌跡を見ると辞めたはずの会社に行ったりしている。

台所の収納棚の中に、「大人のおもちゃ」が大事そうに布に包まれて隠してあった。アダルトビデオ女優が着用する下着も出てきた。妻に行動の疑惑を一つ一つあげて追及すると、「あなたはストーカーだ」と罵られた。大人のおもちゃを何故持っているのか聞くと「1年もやっていなくてさびしいから。でもあなたとはダメ」といい、「そんなことを聞くあなたはデリカシーがない」と怒り出した。そして「離婚裁判しょうか。ストーカーはみんなあなたみたいに『愛している』と言うらしいよ」と真剣な顔でいう。化粧と髪型、服装がますます若型になっていく。夫婦仲は悪化するばかりだ。

「いま仕事を探している。扶養を外してほしい。」「あなたにはもう気はない。来月から別居する」という。妻の行動について喧嘩が絶えず、すぐ離婚話を持ち出す。本気で考えているようだ。「あなたと一緒にいるのがつらい。別居させて」と泣きながら訴える日が多くなった。心を完全に閉ざしたようでパートにでてから別人になってしまった。

妻には必ず男がいると思うので証拠を取ってその男と話し合いたい。

調査結果
 晴美がパート事務員として働いていた会社の池田哲也と交際していた。男は独身で35歳。父親と二人暮らし。

依頼者の行動
 依頼者は池田の住所を探偵から報告を受けると迷わず池田宅へ乗り込んだ。「妻を家庭に返してくれ。俺も、子どもたちも妻がいなければ家庭が崩壊してしまう。子どもたちにとってこれから先まだまだ母親が必要なんだ」と切々と訴えたという。池田は「僕は、始めから奥さんと不倫するつもりはなかった。奥さんの話し相手になっていただけなのに、体を投げ出してきた。あまりの露骨な態度に辟易していました。あの人が何を考えているのかわかりませんが結婚する意志など全くありません。あの人の独り相撲です。奥さんとの関係が発覚してむしろ良かったです。私は制裁を受けます」と答えた。

探偵の眼
 池田から「奥さんの独り相撲」と突き放された妻は悄然として家庭に戻りました。子どもたちが小学3~4年生になると、育児から解放されて妻たちはパートなどで仕事にでると、職場では家庭にはない新しい生の情報が次々と入ってきます。男性からも声をかけられます。久しく忘れていたときめきに酔って脱線してしまうのでしょうか。
この妻は夫の「家庭を守る」という強い意志に助けられました。池田の潔い清算もよかったです。夫からも愛人からも突き放される不倫妻が結構いるのです。

この妻とは逆のケースですが、妻子と離婚して真新しい戸籍をもって愛人に報告に行ったら「あなたは何を勘違いしているの。あなたに妻子がいるから安心して恋愛ごっこを楽しんでいただけなのに」と、独身女性にバッサリ切り捨てられた阿呆な男がいました。夫にしろ妻にしろ、不倫相手と本気で結婚を望むのは危険が一杯のようです。

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