私は、相談者に「今、浮気調査の結果次第で離婚しようとしている貴方の配偶者は、養育環境、家庭環境が影響して、このような障害なのかもしれません。夫婦間、家族で話し合うとか、専門医のカウンセリングを受けてください。症状によって改善もされます。うつなどは完治もします。性急な判断をしないでください」と情報提供して、調査を思い止まらせることもあります。また、その真逆で、「この配偶者では離婚しか選択肢がないですね」とその考えを支持してしまうご夫婦も少なくありません。それは配偶者の「発達障害」者の激増に起因する現象です。
この記事中に精神科医の文献を多く転載するのは、破綻しかかっている夫婦にまず幸せだったころの家庭に戻すように努力してほしいです。そのテキストをみてもらい、配偶者の困惑するような言動に翻弄されている、妻または夫に「気づき」のために必要だと考えて多用しました。
「現代社会はパーソナル障害の時代」と明言する精神科医著の多くの単行本が書店に並びます。今後、境界性、自己愛性、反社会性などの人格障害者のため児童虐待や家庭崩壊がますます増えていくことを危惧しています。
では、後述する精神科医の著書に、繰り返し指摘される発達障害の人が急増している原因。そしてその少年たちが起こした、ここ30年来に社会問題となった事件の一部を取り上げてみます。これら犯行者はすべて両親が団塊の世代の典型的なサラリーマン家庭で育った子供たち(団塊世代二世)です。団塊の世代の親たちと二世の何が問題だったのか、精神科医の指摘を詳しく記載しました。
「団塊の世代」とは、第二次世界大戦2年後の1947年〜1949年に生まれた世代です。ベビーブームと言われました。「団塊」は、たくさんのものが集まってできたかたまりのことですね。
2014年7月「佐世保女子高校生殺人事件」
高1少女Aがマンションの部屋で同級生の少女を殺害した。遺体は首と手首が切断され、腹を切り裂き内臓を取り出した猟奇的犯罪。裁判所はAをASD自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群を含む発達障害)と裁定したが、「それが犯行に直結したわけではなく家庭環境的要因もあった」(実母が死亡した直後に父親は20歳も年下の女と再婚して暮らし始めた)と述べている。他の精神科医も、「この父親の再婚によって少女は心理的虐待を受けた。暴力よりもつらい状態で心に深い傷を受けた」と述べた。父親は少女の事件後自宅で自殺した。
2014年10月「南幌町家族殺害事件」(動機・躾が厳しくて逃れたかった)
女子高校2年生Aの父と母方の祖母の折り合いが悪く両親は離婚。父親は次女と家を出て、母と祖母、長女と三女Aが家で暮らした。Aは幼児期から犯行時まで祖母・母から凄まじい虐待を受け続けた。(暖房のない物置小屋に住み、家事の一切を押し付けられ、大雪のなか防寒衣もつけず外で祖母の帰りを待たされ、生ごみ食も強いられたなど、犬以下の扱い)など積もり積もった深い恨みが爆発した。就寝時に母親は喉仏から頸動脈まで切り裂かれ、祖母は頭と胸を中心に7カ所突き刺され二人とも出血性ショック死。人口8千人の町で、Aの学校の父兄、近隣の住民1万人からAの減刑を求める嘆願書が札幌地検に提出された。
2004年6月 佐世保小6女児同級生殺害事件
加害者の少女Aは、被害女児とネット会話でのトラブルがあった。Aと被害女児はもともと仲の良い友達だった。学校の学習ルームに被害女児を呼び出した。カーテンを閉めて椅子に座らせカッターナイフで背後から首を切りつけて、出血多量で死亡させた。
Aの父親はイライラしやすく、少女に暴力を加えることが度々あったという。酒を飲んで殴ることもあった。父親はAに対して過干渉で友達まで激しくしかることもあった。また母親は周囲の人から変わり者とみられており、無表情で、保護者間の付き合いはほとんどなかった。少女が家族から愛情をもって育てられなかったという事実。少女の家族関係、とくに父親からの虐待の経験が大きいと考えられる(母親からネグレクトされていた可能性もある)。
「発達障害」岩波明 著 から引用
自立支援施設で発達障害・アスペルガー症候群と診断された。女児が両親と本当に心を通わせたのは犯行後支援施設に入所してからだったといわれる。
1997年5月 神戸少年A事件。14歳
土師淳少年を殺しその首を校門の柱に晒したて社会を震撼させた。土師淳君を殺す前に、女児山下彩花さんをハンマーで殴り殺しています。
以下、少年A矯正2500日全記録 草薙厚子著から引用
精神科医の所見
「幼いころ、母親に厳しく躾けられたAは母親から愛情をかけられたと感じることが出来なくなっていた。自分の異常性を母親に相談できないどころか対人面で発達障害が見受けられる」
鑑定医による精神鑑定結果
「共感力に乏しく、他者の存在や価値を認めようとせず、対人関係に不安・緊張が強く見られ、人間関係の維持が困難である」。「他者に対する被害感が強く、裏腹に強い攻撃性と完全な支配性を持つ」。
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