水戸興信所 探偵よろず日記



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前回の別れた後でも残る「時限爆弾」1~3を読んで、天知る、地知る、我知る、子知る、のことわざを思い出しました(後掲)

フイルムに現れた夫の過去
依頼者 横田恵子 (28)

まだフィルムカメラが全盛だった当時。私の知り合いに紹介されたと言って村田恵子さんが来所した。「部屋を片付けをした。ついでに夫の机の引出しの奥に隠すように、撮影し終わって、未だ現像していない写真フィルムが一個出てきた。」「夫の秘め事がこの写真に写っているような変な予感がして、自分でカメラ店に持参してプリントを受け取るのが怖いし、恥ずかしいから」。と言って、私にカメラ店に持っていきフイルムの現像をしてほしいとの依頼。

果たして、24枚撮りのプリントされた画像はホテルの一室で撮影したと思われる、男女の性交時のいわゆる「様々な体位のハメ撮り」など生々しい映像だ。プリントを見た恵子さんは、冷静さを装いながら声は上ずっていた。「私の嫌な予感が当たりました。夫と映っているのは、私と入社同期の黒木玉枝です。いま6歳になる子が妊娠しているとき、会社の同僚から『旦那さんと玉枝ができているようだから気を付けるように』と何度か忠告があった。当時、そのことを問いただすと、『噂を信じる馬鹿がいるか!証拠があるなら出してみろ!』と一点張りで取り合ってもらえなかった」。

そして、妊娠・出産の当時を振り返って、「妊娠中に平然と飲んで深夜の帰宅が続いた。事情があって実家に帰れなかったので、病院から自宅に戻った。産後の床上げまで夫は何一つ手伝ってくれなかった(実家の母が一週間泊まってくれた)」。「夫と女の写真を見たら、私が産後うつで苦しんでいるときも彼奴は何食わぬ顔をして遊び惚けていたのだと思うと、夫と女を殺したい衝動にかられたました」。数日後に再訪した彼女の言。「私は自分の性格を知っています。母子家庭で暮らしていく不安は大きいですが、このことに目をつぶって仮面夫婦で生きていく器量はありません。夫と離婚することにしました」と、憔悴した姿が痛々しかった。
「このフイルムのことは知らなかった方がよかった?」私の質問に、「後年になって、女のことが発覚して苦しむより、今わかった方がこれからの人生設計が立てられたので、これでよかった」との回答でした。

探偵の回顧
昔付き合っていた女性との写真、手紙類、手帳の記録などが後年に出てきて大騒ぎになる事例はずいぶん多いです。これらの「物証」の発覚によって妻が、うつになったり被害妄想に落ちていく老妻が多くいます。夫は女と別れたらすべて処分すべきです。女々しく記念の品を保存しているのは男が圧倒的に多いです。
尚、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、パソコン、スマートフォン等に写した秘密の映像を「ゴミ箱」に捨てて消去したと考えている人もいるかと思いますが、それらの機器を「データ復旧」業者に持ち込まれた場合は簡単に復元されてしまいますので、念のため。

 

 

男女がベランダで写したホテルを特定してほしい

依頼者 河田昌枝(45)

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昌枝さんの弟夫婦・弟の妻(由香・35)についての調査
相談の要旨
由香は小5の娘を東京の学習塾に毎週金・土・日の夜に通わせている。こちらからは無理なので、由香の千葉の実家に金・土泊まって日曜の夜こちらに帰ってくる。ある日、「由香の使用しているパソコンが作動しなくなったので点検してほしい」とパソコンを昌枝さん夫婦のところへ弟が持ってきた。いろいろといじりまわした結果パソコンは作動した。動作確認作業の過程で、メールのアプリを開いた。一番多くメールの履歴に「石井貴久さん」がある。内容は不倫真っ只中の送受信。貴久の住所を記録した。次に「フォト」を開けたところ、ホテルかマンションのベランダのテーブルの椅子に座っている由香の写真と貴久と思われる男の写真が出てきた。撮影日は金・土になっていた。「石井貴久の住所は東京都世田谷なので、この撮影した海の見えるホテルかマンションは何処なのか所在地とホテル名を調べてほしい」との依頼。弟夫婦が経営する事業について、妻、由香の横暴が酷いので何かアラを探して追放したいとのこと。

写真のベランダの背景は大きな湾になっている。穏やかな海岸と遥か遠方に半島がぼんやり写っている。撮影したベランダの崖下の海岸に面して大きなホテルの屋上にひときわ大きなロゴマークの4角形の広告塔がのっている。ベランダの背景は急斜面の崖が多い地形と海岸線を走る高速道路が写っている。ネットで関東~東海地区の海岸線の航空写真の地図を検討した結果ホテルの所在する場所は「熱海」と特定した。背景の霞んで写っている小さな半島は「真鶴岬」に違いない。

調査員は、現地に入り、先ず大きなロゴマークの4角形の広告塔が屋上にあるホテルを探し出した。そこから崖にへばり付くように林立するホテルとマンションの数棟に絞って、崖から眼下に見えるロゴマークから延長線上に写真を撮影したベランダのあるマンションを特定できた。高級リゾート分譲マンションで、管理人に、策を弄して聞き込みした結果、東京の石井貴久のマンションの一室の部屋番号が特定できた。これで由香に対して離婚裁判を起こす準備ができた。

パソコン点検のとき石井の世田谷区の住所が出てきた自宅を調べたところ、妻子と暮らしていた。石井は、世田谷駅付近のビルの一室にIT関連の仕事をしていた個人事業主。
由香は、千葉の実家の母親に娘の学習塾の送迎を依頼して、たびたび、石井貴久所有の熱海のマンションで情を交わしていた。

夫のただならぬ表情を見て、パソコンに保存した秘密が暴かれたと直感したらしい由香は、夫の留守中に実家に逃げ帰ったという。夫は、弁護士に協議離婚を依頼して離婚成立した。

探偵の回顧
 天知る、地知る、人知る、・・ことわざの意味
 誰も知るまい、二人だけの秘密にしようと思っても、天地神々も知り、自分も相手も知っているのだから隠し事は必ず必ず露顕するものだ。 探偵が動けば二人の秘密は必ず露顕するというのが今までの実感です。

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