水戸興信所 探偵よろず日記

心が折れた人たち

甲府一家放火殺人 19歳の少年は定時制高校の生徒会長だった

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文春オンラインの記事から転用
「勝手にティファニーを送り付けRhineブロックしても執着、執拗なストーカー行為の全貌
甲府市で起きた放火二人死亡「深夜に『やめてー』と女性の叫び声が」令和3年10月12日未明の放火殺人事件。泣きながら出頭の19歳の少年Aは被害者長女と同じ高校の顔見知りだった。全焼した木造二階建て住宅から二人の遺体、家主の井上盛司さんと妻とみられる。妹は中学生。お姉さんは高校3年生。将棋クラブに属しながら生徒会の役員もしていて、それを決して鼻にかけるわけでもなく男女問わず誰とでも仲が良かった。
娘二人はまだ10代でお金かかるから頑張るんだといつも両親は言っていた。遺体状況は余りにも悲惨だった。Aは一家全員を殺害するつもりで刃物も複数所持していたとみられる。二つの遺体には10か所以上の刺し傷があり深いものは臓器にまで達していた。
Aは「井上さんの長女に好意を寄せていた」「長女とRHINEができなくなった」と逆恨みともとれる供述をしている。「事件の数日前の夜中に井上さんの自宅を懐中電灯で照らす不審な人物を目撃した」と近隣の住民の証言もあり計画性を強く感じる。
警察はAが長女に対して一方的な好意を寄せていたが思い通りに行かなかったことが犯行の背景にあるとみて調べている。

週刊新潮 10月28日発売の特集記事は19歳少年の実名と顔写真、通学していた定時制高校名が掲載してあるがここでは19歳の少年Aと称して新潮記事の抜粋にとどめることにします。
この家で暮らしていたのは井上盛司さん(52)章恵さん(50)夫婦と、高校3年の長女、中学3年の次女である。長女が通っていたのはAと同じ高校の定時制で、生徒会の役員でAは生徒会の会長である。取り調べに対してAは「家に侵入したのが見つかれば家族全員を殺そうと思っていた」。「長女に好意を持っていた。交際を申し込んだが断られた。LINEもブロックされた」と供述している。
定時制でのAは周囲にどのように映っていたのか。「A君は本当に真面目で大人しい子でした。友達いるのかなという感じで授業が終わったら速攻で帰るザ・優等生です。寄り道とかもしなかったと思う。授業を休むことはほとんどなく皆勤賞が取れるレベル。口数も少なかった。こちらから喋りかけないと基本的に喋らないですね」。
周りと打ち解けず孤独そうに見えたというAが生徒会長を務めることになったのは、「一代前の生徒会長の時にA君は生徒会の役員を務めていたのです。次の生徒会長を決めるときにAしか立候補者がおらず信任投票で選ばれた。だから周りから推されて生徒会長になったわけではないのです」。「A君は典型的な゛陰キャラ゛でした。うちの学校は中学時代にヤンキーだったヤツか不登校だったヤツが多いですが雰囲気だけで言えば後者。」「Aが井上さんに好意を寄せていたことは知りませんでしたが報道で知って衝撃を受けました。彼は、ザ・童貞という感じでしたから。健全な高校生なら下ネタで同級生と盛り上がることもありますが彼のそんな姿は見たこともないです」。ただし、同高校の別の学科の生徒は、「A君が井上さんに言い寄っていたのは有名でした。ティファニーのアクセサリーを一方的に送り付けたことがあったらしく、あまりにしつこいのでLINEがブロックされたらしい。その話は学校中で噂になっていました」。

山梨県中央市で暮らしていたAは両親と三名の家族構成。
Aが小学2年生のころ、父親が窃盗で逮捕された。新聞にも「給湯器2台盗んだ疑い」の見出しで報じられた。そのせいでAは学校でいじめを受けて不登校になっていった。それからAと母親が家を出て行った。しかし、中学生になったAが父親と町内の隣組の忘年会にあいさつに来た。その後母親と暮らすことになり、小学5年の時友達のゲームソフトを盗んだ疑いをかけられたため転校してしまった。「Aの小学時代はいつも母親に甘やかされていた」とゲームソフトを盗まれた子の母親は言う。甲府市立東中学時代の同級生は「彼のことは本当に印象にない。覚えているのはソフトテニス部で出た試合で負け、顧問に叱られて部活を辞めてしまったことくらい。中学1年から3年までずっと不登校でした」。中学1年~3年まで不登校になり、高校の定時制へ・・。この歩みはAが思いを寄せていた井上さんと一致する。それが元で勝手に親近感を抱き、LINEでの関係を断たれたことで゛暴発゛したのであれば、これほど身勝手な話はない。



尼崎・元妻刺殺 復縁迫った元夫愛を憎悪に変えた「2年の別居生活」
令和3年10月15日尼崎市のマンション駐輪場で待ち伏せされ潜んでいた元夫の森本恭平容疑者(33歳)に医療系事務員元妻

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森本彩加さん(28歳)は背中など刃物で10回以上刺され出血死(即死状態)した。男が馬乗りになった状態で女性を包丁で刺しているところを宅配業者が警察に通報した。逃げ帰った自宅から複数の刃物と黒っぽい服、逃走用に使われたとみられるバイクが押収されいずれも血のようなものが付着していた。
離婚したのは1年以内で、「殺したのは間違いありません、復縁進まず憎しみ募らせた。殺すつもりで刺した」と供述している。しっこく復縁を迫る元夫から1年経ってようやく逃れられる・・そんな思いも空しく。
元夫の同級生は「彼のこと全く覚えていない」
男のアパートの住民は「印象は全くない。強いて言えば、おとなしくて真面目そうな感じだったかな」。元夫の実家を訪問したが十数年前に転居していたため周囲の誰も森本一家のことを覚えていなかった。地元の中学校の同級生を取材すると彼らは口をそろえた。「彼のことは全く覚えていない。いたかどうかも」よほど印象に残らない存在だったのだろう。影の薄い男が起こした元妻への凶行は余りにも理不尽な動機だった。むごい事件である。

「ストーカーの心理」荒木創造・心理カウンセラー著・講談社+アルファー新書 発行
この著書からストーカーに関するものを抜粋します。
ストーカーの定義とは
2000年五月一八日、ストーカー規制法が国会で成立した。その規正法ではストーカーの行為を「特定の人に対する恋愛・行為の感情やそれに派生する怨恨の感情を満たす目的で、つきまといや待ち伏せをしたり、面会や交際を要求したり、無言電話をしたり、著しく乱暴な言動を働いたり汚物を送付したり、名誉を害することを告げたり、性的いやがらせを反復して行うこと」と定義している。
五つのタイプがあるストーカー
全ストーカー行為のうち、95パーセント以上が恋愛感情のもつれから起きていると思われる。
大別すると、「恋人同士、または夫婦であったものが、一方が関係を切ろうとしたところ、もう一方がそれを許さずに、ストーカー行為に及んだもの=別れ話のもつれ型」と「単なる知り合い程度か、ほとんど知らない同士なのに、一方が勝手に熱を上げて近寄り、゜相手が断るとストーカー行為に及んだもの=片思い型」の二つに分けられる。
しかし、上智大学教授の福島章氏はストーカーの行為を次の五つのタイプに分けている。
①イノセント・タイプ=ストーカーと被害者はほとんど面識がないのに、ストーカーのほうで勝手に妄想して、ストーカー行為に及んでいるタイプで、この際、被害者にはほとんど責任がないので、イノセント(罪がない)と呼んでいる。
②挫折愛タイプ=単なる知り合い同士から恋人同士まで幅広い関係が壊れたとき生まれるストーカーのタイプ。
③破婚タイプ=法律的な結婚であろうと、事実婚であろうと、結婚を解消しょうとしたときに起きるストーカーのタイプ。
④スター・ストーカータイプ=有名人を狙ったストーカー。
⑤エグゼクティブ・ストーカー=学校の先生やスポーツクラブのコーチ、会社の上司などに憧れて、勝手に妄想してストーカー行為に及ぶタイプ。

前述「片思い型」のストーカーに狙われた被害者は身の危険、不安、焦りなどに襲われ怯え、苦しむけれども、自分の心の中には罪の意識や葛藤がないので、警察を含めて誰にでもすぐに相談できるのである。そのためか、現実には悲惨な事件にまでなることは例外的でしかない。

反対に「別れ話のもつれ型」は簡単ではない。
この前まで恋人同士で会ったり夫婦であったものは「片思い型」とは比べようもないほど、お互いに心理的にも経済的にも社会的にも深入りしていて、他人には知られたくないさまざまな秘密も共有している。大部分の場合、別れ話が始まる前に二人はいろいろといがみ合い、のの知り合あい、ときには殴り合ったり、泣いて謝ったり、朝まで話し合ったり、また罵り合ったりして、すでに心は疲れ切り、深く傷ついているのである。
そして、「もううまくいかない。別れようよ」ということになる。その一方が諦めきれずにストーカーになって、毎日何回も電話をかけてきたり、深夜自分の部屋に押しかけてきたりしたところで、他人に簡単に相談できるものではない。自分を失って悲しむ相手の気持ちもよく分かるし、まだ少しだけれども情けも残っているのである。
そのうちストーカーはナイフをちらつかせたり、金を要求したり、「おまえを失うくらいなら殺す」とか言い出す。
でも、この時点ではまだ警察にも言いたくないし、親や会社の上司などにも相談したくない。ストーカーとはいえ、相手が社会から糾弾されると思うとやはりかわいそうだし、恋愛をしていたということで自分にもいろいろ弱みがあるわけで、すべてを公にする覚悟はとてもできないし、へたに事を荒立てたら、相手は正気を失ってしまって復讐されるかもしれないとも思えるのである。
この「別れ話のもつれ型」の被害者が警察やカウンセラーに相談に来るときには、もうストーキングはもつれにもつれ、心理的にも物理的にも非常に危険な局面に来てしまっていることが多い。ストーカー行為として本当に危険なのは、一見たわいない痴話げんかの延長にしか見えない、この「別れ話のもつれ型」なのである。

性格障害(パーソナリティ障害)の解説
19歳少年の放火殺人、離婚した元妻をアパート駐輪場で待ち伏せ殺人立て続けに起きた二つの事件の犯人は「パーソナル障害」(性格障害)者の偏った考えや行動パターンをもつ人間の特徴が表れています。以下、岡田尊司 精神科医・医学博士 著書「パーナリティ障害」から転記します。

生きづらさの背後にあるもの
生きづらさを抱かえている人が増えている。豊かさこそ幸せがあると信じて進んできた時代は終わりを告げ、今、人々は、生きること自体にさえ希望や喜びを失い行き詰っている。
生きづらさや、悩み、不安を抱かえている人がどんなに多いことだろう。鬱や引きこもり、虐待や家庭内暴力、アルコールやギャンブル依存、家庭内不和、絶縁、職場の対人関係摩擦、非行や犯罪さえ他人事ではない。人々は孤独で傷つきやすく、どこか空虚さを抱かえて生きている。人と人とのつながりも昔ほど確かなものではなくなっている。孤独や空虚に悩む一方で、対人関係に傷つけられることが多いと感じている人も少なくないだろう。本当は、人を求めているのにうまくつながれないと感じている人や、愛したいのにうまく愛せない人もいるだろう。人と人のつながりにくさが、余計、現代人の生きづらさや日々の不安や不愉快さを増しているように思う。
なぜ、こんなにも人と人との関係が難しく、社会が住みづらい場所になってしまったのだろうか。一体、人々の心に何が起きているのだろうか。
こうした生きづらさや社会に蔓延する問題の背後には、実は、ある共通する原因が垣間見えるのである。それは、現代人の間に広く浸透しつつある「パーソナリティ障害」という問題である。逆にいえば、現代人全般が抱かえている傷つきやすさや空虚さ、生きづらさは、このパーナリティ障害を理解することで、その本質が見えてくるのである。
職場や家庭、友人、恋人にも
パーソナリティ障害は、自らも苦しむと同時に、周囲を巻き込みやすいという性格を持っている。「パーソナリティ」は単なる個人の性格に留まるものではない。対人関係のパターンや生き方そのものとして現れることで、人とのつながりや、さらには社会のあり方にも影響するのである。
最近連日のように報道されている児童虐待にしろ、ストーカー犯罪にしろ、些細な理由で親子が殺し合う事件にしろ、そこには一つの共通点がある。それは、思い通りにならない他者を、別の意思を持った存在として認められないということである。その人の心に、本来の意味での他者との関係が育っていないため、自分の思い通りになる存在だけを愛し、思い通りにならない存在は、攻撃の対象になってしまうのである。こうした独りよがりな他者との関係は、本論でも述べるようにパーソナリティ障害の人の特徴である。
頻繁にこうした事件が報道されているということは、そういう問題を抱かえた人が増えているということに他ならない。目を引く事件だけではなく、もっと身近な家庭や対人関係の問題、学校や職場への不適応の問題の背後にも、パーソナリティ障害がしばしば潜んでいる。パーソナリティ障害の別の特徴として、過剰な自分への期待と、それゆえに生じる傷つきやすさを挙げることができる。最近、社会問題化している「うつ」や引きこもり、依存症、ギャンブル中毒などにも、こうしたパーナリティ障害の問題が隠れていることが多い。うつにしろ、引きこもりにしろ、依存症にしろ、バランスの悪いパーナリティが、無理な生き方をしてきて、或いは、そうすることを強いられて、その結果として陥っている面もあるのだ。

パーソナリティ障害の特徴
愛を貪る人々・境界性パーソナリティ障害
見せかけの優しさでも欲しい 自殺企図 見捨てられ抑鬱と自己否定感

主人公を演じる人々・演技性パーソナリティ障害
天性の誘惑者で嘘つき チャップリンの少年時代 ココ・シャネルと虚言

悪を生き甲斐にする人々・反社会性パーナリティ障害
他人を冷酷に貪る タブーなき人々 否定されてきた人生 受容体験と無常観

信じられない人々・妄想性パーナリティ障害
裏切りを恐れる 疑り深さと過度な秘密主義 父親殺しと反権力 権力者の病

頭の中で生きている人々・失調型パーナリティ障害
インスピレーション豊かな直感人 人目を気にしないマイペース人生

親密な関係を求めない人々・シゾイドパーソナリティ障害
孤独と清貧な人生  内面は意外と豊か 本当の親しさを求めると失望

傷つきを恐れる人々・回避性パーナリティ障害
食わず嫌いの人生観 トラウマ体験が生む回避 頑張らせすぎた子に急増中

一人では生きていけない人々・依存性パーナリティ障害
赤ん坊型と献身型 一人が苦手 ノーといえない人 無気力な母に縛られた子

義務感の強すぎる人々・強迫性パーナリティ障害
律儀で責任感の強い善人 努力は報われるという信念 捨てられない人

水戸興信所・筆者の感想
開業40年に及ぶ業務の中で調査依頼者及び、調査対象者の人物像は性格、人格、個性、持ち味などそれぞれに個性は個人差があるのは当たり前ですが、中には普通の人とは違う癖のある異質の人達がいました。これらの人々を一昔前は奇人・変人・変わり者という呼び名で表現していたのですが平成12年・(2000年5月)ストーカー規制法が制定されてから、奇人・変人といわれた性格に障害(パーソナルティ障害)を持った人たち(普通の人も同じ)が行う一定の行為は警察によって処罰されること及び、「つきまとい等」の行為を取り締まり、被害者に対してストーカーからの被害の防止のための援助が行われることになりました。
では、ストーカー規制法に関する書物から抜粋します。
ストーカー規制法では、対象となる行為を「つきまとい等」と「ストーカー行為」としています。
「つきまとい等」というのは「特定の者に対して恋愛感情や好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充たす目的で」、「当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において親密な関係を有する者に対し」て次の8つの類型の行為をすることをいいます。

① つきまとい、待ち伏せし、道路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、または住居等に押し掛けること。(1号)
② その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知り得る状態に置くこと。(2号)

③ 面会、交際その他義務のないことを行うことを要求すること。(3号)

④ 著しく粗野または乱暴な言動をすること。(4号)

⑤ 電話をかけて何も告げず、または拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。(5号)

⑥ 汚物、動物の死体その他の著しく不快または嫌悪の情を催させるような物を送付し、またはその知り得る状態に置くこと。(6号)

⑦ その名誉を害する事項を告げ、またはその知り得る状態に置くこと。(7号)

⑧ その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書、図書その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。(8号)

ストーカー行為は、その実態として、交際を求めたり、離婚後に復縁を迫るために行われることが多く、恋愛感情などに起因することがほとんどである。

水戸興信所・筆者
開業40年に及ぶ業務の中で、依頼者(妻たちや未婚女性)が筆者に調査対象者(夫や交際男性)に関する勤務先、行動パターンの他に性格、人格、個性、持ち味など個人情報を提供してくれます。1999年セクシュアル・ハラスメント、2000年5月成立のストーカー禁止法、2001年ドメスティック・バイオレンス(DV防止法)が施行されてからセクハラ、ストーカー、DVなどの行為は犯罪に当たることはほとんどの依頼者たちは知っています。妻たち、未婚の女性たちから調査対象者に関する情報を聞き取っていくうち、普通ではない性格の持ち主が登場してきます。
調査対象者の行動調査(他の女性との交際状態)を終わって依頼者に状況撮影の証拠を提出すると、「離婚することにしました。」一度の不倫の事実で離婚の決意をする婦人たち。「過去にも浮気騒ぎがあったのです」と浮気性の夫に愛想をつかして離婚する婦人。子供たちのために婚姻生活を継続する婦人たちもいます。
「夫の性格どう思いますか?」と進路を決めかねて相談を受けることも多いのです。前記妻たちから夫の言動を聞いている中で、「この人は尋常ではない」と思える人については調査終了後に率直に参考意見を述べることにしています。探偵に夫の調査を依頼してくる婦人たちは、その事実に基づいて、婚姻の継続又は、協議離婚。協議が不調の場合は調停・訴訟離婚へと進むことは定番なので、「セクシュアル・ハラスメント」・「ストーカー禁止法」・「DV防止法」に関連する書物の中から人物評の情報提供をしています。

依頼人 妻 藤井里香(48)保険セールス
対象者 夫 藤井春夫(51)保険代理店経営 仮名

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調査目的
夫の浮気調査

相談概要
私が2階に上がると夫が携帯電話をあわてて隠した。「誰と話していたの」と聞くと、「飲み屋の女だ何でもない」という。夜中に隠れてメール交換している。ある時、「俺には女がいる。その名は死んでも言えない。秘密を墓場まで持っていく」などと告白したことがある。それ以来夫を受け入れなくなり5年間セックスレス。夫の様子を見ていると落ち着きがなくなった。浮気していると確信できる。夫に「女がいても構わない。どうぞご自由に」と、悔しい意地を張っているが、どこのどんな女なのかは知っておきたい。
「私はあなたの隠している女のことは何でも知っているのよ」と、気持ちのうえで優位に立ちたい。鼻を明かしてやりたい。

夫は、他人には徹底して愛想よくふるまうが、私には、誠実さがない。心ここにあらずという感じだ。人間味がない。嘘が多い。トゲがある言葉を平然と浴びせる。夫に対する憎しみが一杯で家庭内別居状態が続いている。うつで心療内科に通院しているがどうしても夫に対し心が開けない。

調査結果
依頼人は、探偵が撮影した春夫とデートしている女の写真を見たとたん「あ!英子さんだ・・」と叫んだあと押し黙ってしまった。夫の不倫相手は、同じ市内の保険会社に勤務する英子(47)だった。公務員の夫と21歳の息子がいる。春夫と英子は、隣町のスーパー駐車場で待ち合わせて春夫の車で30キロ離れたラブホテルに直行する。平日のデートなので、フリータイムを利用して昼まえから夕方までホテルですごす。帰路、食事をとって帰宅する。毎週一回、同じ行動だった。

状況
「夫と英子が独身時代に付き合っていたのは分かっていたが、ずっと続いていたとは夢にも思わなかった。私に対する最大の裏切りで、今までの結婚生活を全て否定された感じだ」と依頼人。 二人は、会合や研修旅行などいつも一緒に参加していた。研修旅行のとき、春夫は、「夫婦で参加するのは恥ずかしいからお前は留守番していて」と妻には参加させなかった。旅先で、参加者の目を盗んで密会していたのだろう、と長年騙され続けた妻は悔しがった。
程なく英子の勤務する会社に「英子の素顔を暴く」怪文書が投函されて、英子は会社を去った。

 

 前回の被害妄想の老婦1 は 相談内容について、婦人の室内で起こる様々な現象、日常的に受けている被害状況を婦人の口述を筆記したものです。アパートの住人とか周辺の人たちに監視されている状況を克明に記録しました。
被害の内容として、「留守中に家の中に何者かが入っていたずらをする」、「周囲の人が私を監視している」が多いですが、これはこの老婦に限らず、心が病んでいる人たちの相談のなかに必ず出てくる項目です。このような被害を受けていると訴える人々は老人世代ばかりではなく30歳代から60歳代までずいぶんいるのです。
【吹き芽どき】草木の芽が出始める時期のこと、3月~4月 【刈芽どき】【刈穂どき】稲穂を刈る時期のこと、9月。
昔から、「この時期には自律神経が不安定になって来院し針きゅうをする患者が多い、そして自殺者も多いのはこの時期だ」と、針灸院経営者の感想です。
神経医学界の統計でも自殺者は4月5月が一番多いデータがあります。

古くから探偵業をしている業者さんなら、春3月4月の季節になると、精神的に病んでいると思われる人からの相談が急増して対応に追われた経験が多くあったと思います。ここ20年来は「心療内科」という診療科目を表示する病医院が多くなり、うつ病も一般的な病名になって「神経症」を自覚、他覚(家族などに指摘される)する人はあまり抵抗なく心療内科を受診できる時代になりました。心療内科が無かった時代は、「精神科」で受診しました、しかも一般の病医院にはなく精神病院に通院していました。心療内科への通院が一般的になったため、自律神経失調症から精神的に悪化してしまう神経症まで進まないで改善・治癒していく人が多くなった。そのため近年は探偵事務所に精神が疲れている人たちからの相談が激減した、というのが筆者の推測です。

では、なぜ心が病んでしまった人たちが精神科に行かないで探偵事務所に相談にくるのか?
この人たちは自分の心が病んでいるとは考えていないので、病院へは行きません。他人から(正体が分かっている人又は、何者か不明)の有形無形の攻撃・嫌がらせ
について、まず、自分で防衛対策を講じるのですが効果がないので市民相談室に行きます、次に警察署~ 裁判所~ 弁護士事務所~ どこへ行っても”キチガイ”扱いにされ、たらい回しにされてたどり着いたのが探偵・興信所だそうです(相談者・談)。「何で?ここに」の質問に、「探偵さんは忍者みたいに正体を隠して見えない相手を突き止められるから」と、皆さんは異口同音に言います。

探偵事務所でも多忙だったり、このような人と関わりたくない場合は門前払いしています。私は、この人たちはどうしてこうなったのか、その環境とか過程が興味があるので、電話なり面談で相談者の話すことをすべて聞き取ることにしています。相手の話すことに相槌したり、同情して慰めたりしながら聞き終わると、明るい表情で「すっきりしました。助かりました」と言って帰られる人も多いです。中には、仕事として依頼を受けることもあります。

小林さんは自信過剰の性格を自認していた。誰でも呼び捨てにするなど尊大な振る舞いが垣間見えた。今日までさまざまな人たちと対立してきたのだろうと思う。
老境に入っても攻撃的性格は旺盛で、周囲の人を敵視ばかりしている。そのために親しい人はおらず、孤立し、孤独感からうつ状態になったのか。
相談時に同行してきた35才くらいの甥は、「調査の結果、部屋へ何者か侵入の事実がなかった場合は、伯母の精神的な原因を考えざるをえない」。今後の方針を決めるために調査の依頼を決めたということでした。

見えない敵から攻撃され続けている、という、妄想(強迫観念)にとらわれる人は男女ともに独居老人に多く見られます。 高齢者の自殺や夫殺し、妻殺しが頻繁に報道される大変な時代になってしまいました。高齢者は、過去の栄光・肩書などは捨て去り、積極的に血縁者、周辺の人に自ら入って行かなければ救われないことを小林さんの生きざまを見て感じました。

一昔前は、小林さんのような被害妄想の人を一般的に「ノイローゼ」=「ある心配事が原因で心身が壊れかけている人」と一緒くたに表現していましたが、現在は症病名を分類しているようです。
ノイローゼ=【神経症】心理的な要因と関連して起こる心身の機能障害。器質的病変はなく人格の崩れもない。病感が強く、不安神経症・心気症・強迫神経症・離人症・抑鬱神経症・神経衰弱・解離性障害など種々の病型がある。【広辞苑】

依頼者
小林房子(73)独身・一人暮らし 仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。

調査目的
隣室203号の男女の行動調査及び、依頼者留守中の室内へ不法侵入者の撮影

相談の内容
老齢になって長い東京の生活からこちらに帰ってきた。世田谷、代々木、千住などのアパートを転居した。年金受け取りの必要のため、住民票をきちんと移動しているが、それを元にして何者かに追跡されている。
先日、東京からこちらの〇市〇町「Sメゾン」に引っ越してきたが、いろいろ嫌なことがあったので2日でそこを出てY市に転居した。Y市にきてもアパートの大家さんとトラブルがあって2週間でそこを出て、いまのこのアパートに引っ越してきた。

最近、身辺にいろいろ不思議なことが起こる。しかし、私のそばに誰かがいる時は敵は何もしない。何も起きない。宗教関係の人が心配して泊まりに来ると嫌がらせがピタリ止まってしまう。201号のアベックと203号の独身女性は仲が良く、この女性も私に対して変なそぶりがみえる。この3人のうち一人は必ず在室して私を監視している。隣室の女は、私が外出から帰ると必ず換気扇を回す。「ずいぶん付けるのですね」というと、『ええ暑いですから』と答えてすぐに止めてしまった。私に意図を見抜かれたと思ったのでしょう。この女は、私の部屋に体を弱らせる粉末を拡散しているのだ。昼から、何か粉のようなものがパラパラ降ったり、匂いがしたり、この頃は絶え間なく攻撃される。先日も、午前中にガスみたいなものを撒かれたので喉が痛い。

2階一番端の部屋は中年の社長風の男性が住んでいる。怪しいと思うバイオレット色の車は朝5時30分に必ず出かける。
女と同棲している男性は最近越してきて挨拶に来た。その後階段ですれ違ったとき、隠すように顔をそむける。東京代々木のアパートの隣室の男とそっくり。断定してもよい。
渋谷と原宿警察署、そしてこちらに引っ越して、地元の警察署と裁判所に何度も相談に行ってもキチガイ扱いされて相談にのってくれない。どこの警察署でも証拠がなければダメと言われる。
代々木時代、1階の部屋に住んでいた。2階の住人と大家が組んで双方から攻撃された。夜、何かを撒かれるので咳きこむ。畳の上に白い粉がおちていた。こちらにきても、何者かに攻められている。部屋の四隅の隙間から黄色い泡が吹き上がる。電球越しに天井から粉末がキラキラと降るのが見える。隣室の部屋の明かりが漏れている。押入れから「鎖があればいいんだけどな~。」という声がきこえた。

何者かが部屋に入っている。トイレ水槽のレバーの「大/小」の表示が反対になっていた。机の引き出しが二度も空いていた。朝起きると白い粉がバァーツと撒き散らされていた。寝ているとき口の中に粉が入って口内がカサカサになって息苦しい。うがいすると白いドロドロしたものがでてくる。朝起きると、床に水溜りがあちこちにできている。天井の隙間から色のついた粉末がヒラヒラヒラヒラ降ってくるので室内全部の天井にビニールを張り、壁やサッシの隙間にはビニールテープを張って目張りした。
敵の侵入を防ぐため、浴室の天井の工事用の蓋をふさいだ。浴室から部屋に入られないように浴室ドアが開かないよう釘を打って閉じたため私は風呂に入れない。
台所と洗面台の流し口から攻撃されて悪臭が上がるのでボロ布で防いだり栓を閉めて水を張った。換気口の取り付けネジが緩んでガタガタになった。誰かが室内に入らなければこのような嫌がらせはできない。

ある日、お中元として大家さんに「山形屋」の焼き海苔を持っていったら突き返された。
向かいのFアパートの住人が私の外出をいつも監視している。そのアパートに偶然だと思うけど郵便局に勤務している人がいる。郵便局員は私の年金額と住所移転状況を知っているので知り得るので怖い。ドアからみえる向こう側の家の人は、いつも畑に立って私を見張っている。川の脇の家の人も私が出かけるのをいつも監視している。あの顔に見覚えがあるので、東京千住のアパートからこちらに引っ越してきたらしい。私がアパートを出て歩いていると、見張り役がピーピー~と口笛で合図をする。するとあちこちの意家のカーテンの陰から人が私を見ている。
ここまで継続して続いている攻撃は、内情知っている東京時代の人か、その命令を受けた人たちだと思う。

調査結果
アパート階段、通路、部屋の中に隠し監視カメラを設置した。予想通り猫一匹の動きもなかった。

探偵の眼
小林さんは、東京の商社に勤務歴が長く、役職に就いたことを自慢する。独身を通した職業婦人。某宗教団体の信者で、「多忙で充実した商社時代と宗教活動が人生のすべてだった」と回想する。品の良い洋服、装飾品も豊富に持っており、往年の華やかで自信に満ちた生活ぶりが彷彿とする。こちらに来て大家さんに「スタイリストですね」と言われたことを自慢する。東京から引っ越してきて、大家さんと喧嘩してアパートを2回転居したという。現在のアパートの大家さんにも「物音がうるさい」と頻繁に苦情を言い、「この程度の生活音はどこにでもある」とたしなめられた。
被害妄想の老婦 2 探偵の眼 に続く

依頼者 夫 小川清二(42)JR勤務
対象者 妻 小川敏江(37)会社パート
仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。
調査目的
妻の行動

相談概要
 妻が半年前からパートに出た。
忘年会、新年会、送別会、歓迎会、食事会、カラオケ会などの理由で帰宅が遅くなり、土日も外出することがある。「嘘だろう」と追及すると、「いつも増田今日子(近所の主婦・同じ会社のパート勤務)と一緒だ。」と言い張る。この増田という女も男遊びのうわさの絶えない人で、妻はこの女と男を紹介し合ったり、口裏合わせをしてお互いかばい合っているのだ。髪の毛を染め服装も派手になり、下着も若い女性が身に着けるようなものを着用するので、男性関係を疑うと「証拠を出せ。」と大騒ぎする。

妻が寝ている間にバックの中を点検したところ、数名の男のものと思われる携帯番号と住所のメモが出てきた。食事会、カラオケ会に男女のグループで出かけて、最後はそれぞれのパートナーで別々にホテルなどに行くのだと思う。
ここ2~3カ月の間、同僚や友人に頼んで退勤時の妻を追跡したが、追い越し禁止と信号無視を繰り返しながら100㌔以上のスピードで走行するので追跡が成功しない。妻は、出勤するふりをして会社を休んだり、早退したりして昼間も男とデートしている(妻の車の助手席のシートが倒れていたことがある)。

私が夜勤の日、妻は男を自宅に入れることもあり、隣の主人が「深夜、お宅の玄関を入る男の姿を見た」と教えてくれたこともある。その他、男が家まで迎えに来て2~3時間、近くの空き地に止めて車の中で遊んでいるのだと思う。子どもたちは、一度寝たら朝まで起きないのでいつでも夜間外出ができるのだ。中2、小6の子どもは妻に洗脳されて反抗的になり、私と口も利かなくなった。母の味方ばかりして不審な行動を黙認している。

妻は、「女が欲しいなら商売女を抱いてくればいい」と言って夜の関係を拒む。家族会議をしたこともあり、きずなを強めようと釣りやバーベキュー、買い物に誘うと「あんまりいいパパぶりをしなくてもいいよ。」と否定される。
いまは、子どもに免じて私が折れて表面上は仲良くしているが、嘘の言訳ばかりして堂々と遊びまわっているので悔しい。復讐のために証拠を取る。

調査結果
 依頼者の要請で、自宅電話に盗聴器を組み込み、奥さんの車にGPSを取り付けた。土曜日の午後、男女数名で近くのひなびた観光地にドライブして、食事して帰ってきたことや、依頼者が悪女呼ばわりする「増田今日子」と隣町に出かけて買い物、食事して帰ることが数回あったが男性に関する不審な行動はまったくなかった。
妻の夜の外出は、町内の公民館・リフレッシュセンターで行われる子供会、母の会、学習報告会などの集会に参加していた。
妻は電話で、夫のノイローゼ(神経症)状態(注・心理的な要因と関連して起こる心身の機能障害。病感が強く、不安神経症・心気症・強迫神経症・離人症・抑鬱神経症・神経衰弱・解離性障害など種々の病型がある・広辞苑)を心配して、「占いをしてもらう。精神病院へ連れて行く。双方の実家の親も心配している」「本人の自殺や、自宅放火とか子どもと私に危害が及ばないか心配だ。」など、夫の状態について、会社の女先輩や妻の姉などにしきりに相談している会話が録音されていた。音質から深刻さが伝わる。

探偵の眼
二人の子供は部活動と宿題に追われる毎日に加え、反抗期に入り、父親のコントロールに服さなくなりました。妻は、久しぶりの勤務にでて躍動した。このような家族模様は何処にでもあるのに、一部の夫たちはどうして神経症などにおちてしまうのでしょうか?

依頼者は勤勉な人柄(性格的に律義・生真面目の夫たちに心が折れる人がが多いです)。
依頼者の勤務は4日に1日の間隔で宿直が入る勤務体制。 妻の不倫妄想を持っ夫に共通しているのは、転勤で単身赴任の夫、夜勤交代、宿直など不規則勤務の人が多いです(俺の夜勤の留守中に妻は何をしているかわからない、と不信感を持つ夫)。糖尿病や人工透析などで性的能力を失った夫。それに加えて、今回の依頼者の家族のように、妻が、男の多い職場に働きに出て活気づいたこと、そして今までの専業主婦の仕事の他にパート勤務の疲れなどが加わって夜のお付き合いが疎遠になったり、関係を拒否されるようになった夫。

 その他の要因として
 今まで統率者として家庭に君臨していた夫。妻と子どもが(夫・父親から)自立したため、家族がバラバラになったような孤独感と疎外感。家族の隔たりに焦って、家族で買い物、ドライブ、キャンプ等を計画してもそれぞれの都合で実現しない。妻や子供たちは自分の生活の環境を優先させるため、「あまりいいパパ振りしなくてもいい。」と言われたのを素直に解釈できずに、妻に対する猜疑心が増大して事態は悪化するばかりでした。

自己中心の夫もダメ、妻と子にべたべたまとわりつくのもダメ・・・
妻や子供の環境と心境の変化に夫は気が付くことが大事で、(夫・父)は落ち着いて距離をもって(自分の立ち位置をわきまえて)見ていれば家族全員が救われるのだと思います。
いつまでも妻子の統率者として君臨しようとする夫・父は単なる暴君にすぎなくなり妻子の心は家庭から離れるばかりのようです。



画像はイメージ



strong>依頼者 妻 石川きみ(83)無職
対象者 夫 石川力男(72)無職 共に仮名

調査目的
 夫の行動調査・浮気

相談概要
若いときから夫の浮気性に悩まされ続けてきた。

今は近所の後家さんと遊んでいるようだ。夫に、その後家との浮気疑惑を追及すると半殺し状態になるまで殴られた。夫が怒ると殴り殺されそうになるのでパトカーをたびたび呼ぶ生活だ。夫は「刑務所に入ったって俺は楽しく暮らせる。むしろお前といるより刑務所の方がいい」と度々いう。

夫の今の愛人は、隣町の田所マサ子(75)という後家さんで、以前は、食事をしたりカラオケをするなど家族ぐるみの付き合いがあった。

夫は、糖尿病の治療を兼ねて毎日午前10時に散歩に出かけるが、これは女と会う目的もあるのだ。私が、何度尾行しても、夫の足が速いので見失ってしまうのだが、〇〇中学校の裏山に入るのだと思う。その中学の近くにスーパーGがあり、マサ子は自転車でそこへ買い物に来る。夫と待ち合わせて学校の裏山へ入って遊んでいると思う。
先日、証拠がなかったが、我慢できなくなってマサ子宅へ乗り込んだ。マサ子に「どうしてそんなに疑うことになってしまったの?・・・いい歳してエロキチガイ!キチガイは病院へ入れ!」と怒鳴られたため、取っ組み合い、怒鳴り合いの大ケンカをした。夫も、私と口論のあと「キチガイは病院へ入れ!」と同じことを言う。ということは、二人は密会して私のことを話題にしているのだ。

ある雨の日、夫は一人でわざわざ遠いH市のホームセンターまで買い物に出かけて数時間後に濡れて帰宅した。着替えているとき、下着からブーンと女の香りがしたので、「いくら隠しても女の私には何の匂いだかわかるんだ!今日は何処で遊んできた!」と夫に怒鳴ったら、「ババアがいつまでヤキモチ焼いてんだ!」と息の根が止まるほど殴られた。

無職の45歳になる出戻り娘が二階で生活している。私が二週間入院して帰宅したところ、娘はあわてて二階に上がった。昼間から夫の部屋に布団が敷いてあり、やったあと使ったチリ紙が散乱していた。夫と娘は関係していたのだ。

夫が、未亡人マサ子、そして二階の娘と関係していると思うことには確信がある。何故なら、夫は10年も私を求めないからだ。他に女がいるから私を相手にしなくてもいられるのだ。

調査結果・探偵の眼
調査対象者(夫)は、散歩に1~2時間かける。夫の一番気が休まる時間らしい。疲れると、スーパーのベンチに座ってジュースを飲んで休憩。ゆっくりした歩幅で気ままに散歩を楽しんでいる様子。車で出かけるときは、ホームセンターめぐりと実家に立ち寄って時を過ごす。マサ子との接触はなかった。
依頼者と夫の年齢差は11歳。年上妻の年齢差が大きく、そして高年齢になるほど嫉妬妄想にかられる夫人が多いことが探偵の実務上の実感です。「嫉妬妄想」の人は、「身近にいる人」を疑りだすという特徴があるようで、家族ぐるみで交流のあった後家の「マサ子」さんと、二階に住んでいる「出戻り娘」さんが標的にされました。

依頼者に誘われて飲食する
石川きみさんから夫の調査依頼は年に数回あり、それが5年ほど続きました。気心が知れてから、昼に、寿司割烹店に誘われるようになりました。きみさんは日ごろから上品な衣装とブランドの時計ネックレスを身に着けています。殺風景な身なりの私が同行するの気恥ずかしい感じです。きみさんと店長の会話で馴染なことが分かるので一安心。
店内の個室で、夫の日頃の行状と仕打ち、関係が怪しいと思われる女を追及する眼差し、その根拠を説明する表情は苦悩と疲労に満ちたものでした。何回か接待を受けるうちに気が付いたのですが、旦那さんの行動について「相手の女との接触はなかったです。怪しいことは何もなかった。」と説明すると、苦渋に満ちた顔に精気が廻ったように、「妖艶な顔」になるのです。(注 きみさんの表情で思い出したのは、市川崑 監督 映画「悪魔の手鞠唄」金田一耕助(石坂浩二)主演の、悲しい十字架を背負った殺人犯、老女のおりんばあさん(岸恵子)の顔でした。7人も妻を代えた夫の女狂いから逃げ出した五番目の妻のおりんが、老いて村に帰ってきた場面。月夜の坂道を杖を付きながらとぼとぼと背中を丸めて歩く姿。金田一探偵とすれ違ったとき月の光に映りだされたあの妖艶な顔です)。悪魔の手鞠唄を見ない人は岸恵子の顔を想像すればよいです。

ある日、きみさんに「調査費用がもったいないからもう旦那さんの調査は止めた方がいい」と勧めましたが、まったく意に介さず思い出したように再度依頼をしてくるのです。この再調査依頼を業界用語で「アンコール」というのですが、アンコールをかけてくる依頼者はなんらかの「妄想に憑りつかれている人」が定説です。
私もそのような前提で対応していたのですが、きみさんは個室で私の報告を聞くことを楽しみにしていることが分かりました。前回の「勃起不全で妻に嫉妬」で説明した、「パートナーが浮気をしていないことを確認」しているようです。

出戻り娘との会話
二階に住んでいる出戻り娘「恵子」さんから、「父と母が病院に行って一日中留守なので来てください」との電話。母が持っていた私の名刺をずいぶん前に見たという。「母と探偵さんが飲食しているのはわかっているが、今も父の調査をしているのですか?もしそうなら、費用がもったいないから、母の調査依頼を断ってほしい」との申し入れ。当然の心配だと思った。私は、「お父さんは判で押したように同じパターンの行動をするので調査の必要もないので費用は頂いていない。その日に旦那さんが歩いた2~3時間のコースを説明すると、とっても安心した顔になります。私は、調査報告して食事を頂きながらお母さんの愚痴の聞き役に徹しています。食事の接待が調査費用代わりです。」と説明すると、「これからも母の愚痴を聞いてください」と、納得した様子だ。

恵子さんが母親について語る
恵子さんの話を聞いて、母親きみさんがあのように「身近にいる女性は誰でも夫と浮気している」と嫉妬妄想に駆られる人生を送ってきた背景に、きみさんが生まれてから10歳位まで幼児期と少女時代の生活環境・成育歴が強く性格と精神的な形成に影響していると思われました。


成育歴がその人に及ぼす(後天的)影響について、精神科医などの解説を挿入して記事を作成するため、少し長くなるので「嫉妬妄想の老婦2」として次回に更新する予定です。



画像はイメージ



依頼者 夫 河田晴男 (53)住宅販売会社 勤務 (元大手電気メーカー課長)
対象者 妻 河田千代 (45)パート
家族 夫の母、高校の娘と同居 仮名

調査目的 妻の浮気調査

相談概要
私の留守中に、妻が男を家に入れて浮気している。
証拠を撮るため監視カメラを庭、裏の出入り口、室内などにセットしたがうまく作動しなかったり妻に見つかったりで失敗した。
ある夜遅く、車の音で私の帰宅に気が付いた男が、下半身裸のまま勝手口から裏山に逃げる姿を目撃した。
母と娘がおきている時間は裏山で遊ぶらしく、人が寝たような形で雑草が踏み倒されている。
妻は、私が人工透析のため夜中に帰宅する日を、二階の部屋の電灯を点けておいたり、色のついた手拭いを干し竿にぶら下げて男に合図している。

このようなことが10数年続いている。悔しくて、留守中にセックスできないように本格的な革製の貞操帯を妻に着用させた。帰宅後貞操帯を脇にずらして調べると、すでにセックスをした後らしく精液が流れ出る。

夜中に外出できないよう寝室のドアを釘で打ち付け、妻と自分の手を紐で結んで、朝まで起きていようと頑張るのだが、体調が悪いためぐったりしていつのまにか熟睡してしまう。妻は、この隙に紐を解いて裏山に忍び出て待っている男と遊んだり、家に入れて性交している。朝、妻の股間を調べると精液でべとべとになっている。貞操帯をずらして遊ぶのだ。

妻を男から隔離するため、K市とH市の兄の家に一週間交代で泊まりに行く。男はそこまで追ってきて家の周りを朝まで走り回って妻に合図をして隙を狙っているいる。週末は特に危険なので、他県にドライブしてモーテルに逃避する。男は車を代えてそこまで追いかけてきて、私たちの隣の部屋に入るのだ。

妻は、複数の男と遊んでいる。新婚の当時は真面目な妻だったのに私が勃起不全になってから人が変った。

公休日は、山に隠れて家の前を通る車をチェックしている。これがその車番のリストです。この5台は朝、夕方などに通行するのだか、私が休みのため妻が合図のタオルをぶら下げないので、男たちは家に入れず様子を見て通過するだけだ。

私はその男らに殺されるか、逆に殺してしまうか追いつめられている。
男と妻が密会している証拠を撮って男を裁判にかけたい。助けてほしい。

調査結果
奥さんは、町へパートに出て夕刻、高校の娘さんを電車の駅で迎えて一緒に帰宅するのが日課。県西の山間部のこの地域は夜間イノシシやタヌキの目が光るのみで車の通行は途絶え往来する人はいない。

探偵の眼
夫の数々の奇行と浮気疑惑の追及で奥さんも苦しんでいると思われ気の毒です。
河田さんは元大手電気メーカーの技術系のサラリーマン。20数年前バブル崩壊のときリストラされ早期退職組に入った。30歳で糖尿病と診断された。勤勉な性格で仕事の無理が災いして、肝臓機能が悪化し40歳代で人工透析を始めた。勤務先まで所要時間は車で1時間半。退勤後、週に3日病院に立ち寄って透析を行う。1回の透析時間は4時間。帰宅時間は12時近くになる。「通勤退勤の時間と透析の痛さが苦痛だ」と元気なく訴える。

30歳代で性交が不能になりあらゆる治療と精力剤などを飲用したがダメだった。妻が性的な不満を言わずとも、男として役立たずの自分に強いコンプレックスに苦しんだ(本人談)。

リストラで新しい慣れない職場でのストレス、勃起不能の負い目などで長い間に心理的に追い詰められていったと思う。バサついた白髪交じりの毛。カサついた皮膚。うつろな表情が痛々しい。
家に忍び込むリストアップした5台の車の男が怪しい根拠は何?と尋ねると、「朝晩通るから」という回答だった。追い詰められた河田さんは自宅前を通る車を、妻が遊んでいる男の車、だと思い込んでしまうのだ。

こころの健康シリーズ-日本精神衛生会-の 種智院大学教授 小澤 勲 先生は 嫉妬妄想 について次のように解説しています。

配偶者が浮気しているという妄想です。これはどちらかというと男性に多いようです。亭主関白で、お山の大将的に家庭で君臨してきた人が典型です。彼らの妄想は、信頼や愛が裏切られたというより、「俺のモノを盗られた」という雰囲気に満ちています。その意味では男のもの盗られ妄想といってもよいでしょう。彼らは妻にいつも傍にいることを求め、一刻でも視野から外れると「男に会いに行っていたんだろう」と怒り出し、耐えきれなくなった妻が逃げ出すと、さらに妄想が強まるという悪循環が生まれるのです。

次に、配偶者・恋人に対して異常に嫉妬深い「オセロ症候群」を解説した記事を紹介します。

嫉妬
自分よりも優れて映る者や、自分の持っていないもの、自分から見てよく思えるものを持つ者に対して、それを不快に思う感情・心理。
嫉妬には、いわゆる愛情嫉妬と志向性嫉妬とがある。後者は、地位、名誉、声望などを巡っての嫉妬であるが、嫉妬妄想として取り上げられる例は、前者の愛情嫉妬に関するものが大部分である。嫉妬は、相手を愛するゆえに生まれるのではありません、見捨てられる不安、一人では生きていけないという、孤独への恐れから生まれます。

オセロ症候群
オセロ症候群とは、別名「嫉妬妄想」と言い、自分のバートナーが浮気していると思い込んだり、浮気をしていないことを確認しようとしてパートナーを追い詰めてしまう症状。
恋愛の苦悩に身悶えるシークスピアノ歌劇「オセロ」から名づけられた。

 合理的な証拠がなくても相手の浮気を疑い嫉妬してしまうという疾患。
 配偶者(恋人)に対する具体的根拠のない強い嫉妬心と合わせて、浮気(不倫不貞)に対する妄想が特徴的にみられ、いつも「相手から自分は裏切られるのではないか・相手から惨めに見捨てられるのではないか」と言う不安を抱いている。
 必死になって「相手の浮気・不倫の証拠」を探し出そうとし、更に「相手の浮気・告白」を何とかして引き出そうと試みますが、それが失敗することで安心感(心理的補償)をえているという側面もある。

編集後記
この記録をブログに書き込みながら20数年前のことを思い出しました。探偵は、基本的に依頼者の訴えを「真実のできごと」として仕事を受けます。
パートの仕事を終え、駅で学校帰りの娘を待つ母。帰宅途中スーパーで買い物をする母と娘の、もの悲しげな姿が鮮明に蘇りました。
調査三日目、この家に男が入ることはあり得ないと確信しました。

依頼者は、オセロ症候群の症状に該当する部分がずいぶんあります。依頼者に「奥さんは浮気などしていない」、「あなたは心が疲れているから精神科(当時は心療内科ではなく、精神科が多かったです)へ奥さんと一緒に行って相談するように」と何度も言ったことを思い出しました。

現在どうしているのかとても気になる人です。

「必死になって、配偶者の浮気・不倫の証拠を探し出そうとし、更に告白を何とかして引き出そうと試みますがそれが失敗することで安心感を考えているという側面もある」。
3年~5年断続的に配偶者の調査依頼をしてくる夫人(夫)がいます。「合理的な証拠がなくても配偶者の浮気を疑い・・それが失敗することで安心感がある。」この場合、ご婦人が多いです。次回に投稿する「嫉妬妄想の老婦」にその事例を書く予定です。

依頼妻 妻 大内友恵 (67)無職
対象者 夫 大内和夫 (70)工務店 自営
調査目的 夫の行動調査 離婚訴訟の準備

相談概要(調査終了後、訴状作成のための聞き取り)

離婚裁判を起こすのは私ですが、このような気持ちに追い込んだのは夫と愛人です。
過去2回離婚調停をしたが夫の不同意で不成立になった。夫の女性関係と精神的虐待で悩み続けてきた。休むこともなく働き通し汗と涙の人生だったので、「何をいまさら離婚なんて」と離婚は諦めて、若いときからの女狂いも、老いぼれになれば家庭に戻ってくると望みをかけていたが、夫と愛人が新築の家で暮らしていることを知り夫を待つ意味がなくなった。

商いの始まり・蓄え
借金を元手にして食料品店を始めた。朝から夜遅くまで一年中身を粉にして働きずくめ。夫は、独立して工務店を開業した。
高度成長期の波に乗り、工務店と食料品店は繁盛してた蓄えができた。夫は蓄財に優れた能力があり、3階建ての自宅の他に5か所の土地と3棟の貸アパートを所有している。

夫婦の順調な事業とは逆の私生活
夫の女狂いと、暴力、暴言に泣かされ続けた人生です。ある時期、朝帰りが続くので調べるとアパートに女を囲っていた。40代、50代のときも4回愛人を囲ったことがある。止まらない暴力と女性問題に堪忍袋の緒が切れて、何度となく家出して離婚の準備をした。そのたびに夫は飛んできてへたへたと崩れ落ち、男泣きして詫びる姿を見てつい心を許し「こんどこそ反省したか」と期待するのも束の間で、約束事は全く無視して暴力と罵詈雑言の繰り返しです。

陰湿ないじめ
※とても執念深く、10年、20年、30年前の私が忘れているような些細な諍いをもちだして何時間も責め立てる。
※私の家族と交流しないように監視され続けた。古い家に住んでいた当時、独身者用に間貸しする個室の一室に監禁されたこともあり、夜中にガラス戸を破って逃げた。 ※私の持参した家具類はずたずたに傷付けられた。箪笥の中の衣類をグシャグシャにかき回したり、室内一杯に衣類を放り出しておく。 ※布団に釘を差し込んでおく ※軽自動車のタイヤの空気を抜かれ仕事に行けないため夫の車を使ったら罰金1万円とられた。 ※覚えがないのにドアの鍵を壊したと1万円。古くなった布団を打ち直しに出したら、「いまどき布団をつくるバカが何処にいる。買った方が安い。お前は銭くい虫だ。どこにそんなお金がある。勝手に作りやがって」と烈火の怒り。布団の打ち直し代はもらえなかった。

いじめはさらに続く
テレビ、冷蔵庫、扇風機など後ろ側の配線を切断して使えないようにしたり、リモコンを隠しておく。 ※電話の室内線を引き抜いておく。 ※ガスの点火用電池を抜き取っておく。 ※洗濯機の中に作業着と洗剤を入れたままにして私が使えないようにしておく。 ※愛人と暮らすための家具類の家具店の見積書をわざと台所の床に捨て置く。 ※台所の器具類に傷をつけたり、毎日のようにヤカン、鍋を空炊きして変形させ使用不能にする。 ※蒸し焼き器の中の蒸し板を抜き取って捨ててしまう。 ※コタツの電気コードの見えない部分をカミソリで切断しておく。 ※洗濯機のホースをカミソリでスパスパ切り、無数に穴をあけて漏水させる。

いじめ その3 
梅漬けに塩を数倍入れて塩辛くて食べられなくされた。 ※婦人会の旅行に行く前日、旅行カバンを隠された。 ※洋服がなくなる。 ※洋服のボタンが取れていた。袖口がほずれている。スカートの裾の糸が抜かれている。ネッカチーフの四隅がほずれていた。靴下がカミソリで切られている。 ※冬、電気毛布がなくなった。家電品の差し込みコードを隠す。 ※電気ブレーカーを切り、室内すべてを暗闇にして、私がドアを開けて暗い浴室に入る位置にヌルヌルした浴槽のふたを置いて滑って転倒するような仕掛けをする。

嫌がらせといじめに抗議すると
「オヤジに向かってその態度は何だ!」と激高し、そんなときは生活費をくれないので強く抗議すると殴られるのが常なので諦めた。
このような精神的な揺さぶりにノイローゼになって精神科に通院したこともある。これほどひどい仕打ちを受けてもなお離婚を止まったのは、二人の子供の存在と
、私自身食料品店はすでにやめていて、生活力も財産もないので我慢するしかなかった。

「誰のおかげで生活しているのだ!文句があるならいつでも出ていけ。」と暴言を吐かれても、「私が我慢すれば子どもは守れる」と言い聞かせて耐えてきた。夫は子供を抱いたこともなく、育児を手伝うことはなかった。子どもも虐待されて育った。小学から中学まで町の剣道場に通う子供に、気に入らないことがあると竹刀で殴りつけ、反抗的な態度だといって怒り、真冬に戸外に立たせ続けることが度々ある。

成長した子どもは、「親父をぶっ殺してやる」と口癖に言うようになった。父とは会話もなく憎悪しているのがわかる。わたしは、子どもたちのために自分を犠牲にしてきたつもりだが、成長しても父親と反目している子を見ると今までの人生を後悔ばかりする。もっと早く元気なうちに離婚すればよかった。

そして、いま
※愛人からもらったおかず、餅、赤飯などを冷蔵庫に保管して、私の前で小出しに食べる。 ※差し入れの弁当をこれ見よがしに食べる。  ※愛人に「モーニングコール」を入れさせる。 ※愛人にたびたび深夜に電話を入れさせるので抗議すると、受話器を置いて殴りつけ、「ババアが余計なことを言うから殴ってやった。」とバカにしたように笑いながら、「役立たずのババアが焼もち焼いて傍で聞いているわ・・」とか、耳をふさぎたくなるような会話に息子もたまりかね、「親父いい加減にやめなよ!」というと、「俺に指図するのか」と喧嘩腰で怒鳴るので夫の横暴を誰も止めようがなかった。

いま述べてきたように、夫の暴力と暴言に耐え、子どもを犠牲にして、あかぎれと寒風に耐え身をすり減らして夫の蓄財に貢献してきました。夫はこれを処分して愛人との新居をつくりました。夫は、土地の一部を処分したお金、工務店の収入、貸マンションの家賃収入、地代の収入など一切の所得を握っており豊富な資金で愛人と余生を送ろうとしています。今日まで夫婦共同で蓄財してきたものですから、私も相応の財産分与を求めます。

調査結果
対象者は30㌔離れた隣の市に新築した家に暮らしていた。二人は油断しきって、スーパー銭湯、買い物、パチンコなど夫婦気取りで行動している。一連の行動を撮影した。依頼者は弁護士に報告書を提出しました。夫の不貞による裁判離婚の判決が出て、夫人は財産形成の寄与分が認められて相当額の財産分与と慰謝料を得ることができました。


探偵の眼
依頼者はDVとモラルハラスメント(精神的虐待)を受けつづけて深い心の傷を負っていましたが、結婚してからの歴史を事細かに覚えていて、静かな声で淡々と話し続けました。「毎日次から次に繰り返すので、受けたいじめといたずらは数えきれません・・・」と、ため息をついて茶道の作法でお茶を飲みほした端正な姿が印象的でした。
子どものために自分の生涯を犠牲にする・・。母親の深い慈悲を感じました。

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