水戸興信所 探偵よろず日記

watanabe

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これは、夫婦問題に関する相談に事務所を訪れた婦人が持参した日常の生活を記録した(手記)を編集したものです。

相談概要
離婚裁判を見すえて、弁護士さんに相談する。夫の特異な性格を理解できるように、夫婦の結婚当初から婚姻関係が破綻するまで順序立てて整理してほしい。 との要望でした。
どうして探偵事務所にこのような依頼をするのか?の問いに、

「探偵は仕事柄いろいろな夫婦の不倫問題について、その配偶者の中で境界性人格障害(ボーダーライン)、精神病質(サイコパス)、など異常人格者を見ているはずだから理解が早いと思った。」との答え。確かに、幻聴、幻覚、盗聴、盗撮、ストーカーなどの被害を訴えて、警察署~市民相談室~裁判所~弁護士事務所などをたらい回しにされてたどり着くのは探偵・興信所が定番のコースなのです。被害妄想の人たちが圧倒的に多いのですが、配偶者の不倫が引き金になって、うつ、重い心の病など精神的に障害を持っ人もいるようです。
いろいろな相談者が夫から受けている日常的な仕打ちについて、直接的な暴力の場合はDV被害として実態がすぐ把握できるのですが、「精神的な苦痛」を受けているという相談は、夫の言動と妻の受け止め方が夫婦それぞれ違うので苦痛の本質を知るのには難しいのが実感でした。

1988年(昭和63年)東京足立区綾瀬で発生した少年四人による「女子高生コンクリート詰殺人事件」。1988年(昭和63年~平成元年)宮崎勤による「幼女連続誘拐殺人事件」。1997年(平成9年)少年Aによる「神戸児童連続殺傷事件」。1999年(平成11年)埼玉県桶川駅前で白昼女子大生が刺殺された「桶川ストーカー殺人事件」。これらの重大事件が発生するたびに、犯人たちの成育歴や親たちの教育、家庭環境について検証され、人格障害、多重人格、パニック障害、心の病など精神科医は社会問題を分析・解説した書物を著わしました。

国が「発達障害支援法」を定め、施行されたのが平成17年です。自閉症、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、などの発達障害は教育現場を中心にずいぶん認識されるようになったそうですが、おなじ発達障害のアスペルガー症候群については、知的な面での発達障害が見られないのでついつい見落とされがちといいます。

ご夫人が持参した生活のノートを一読すると、夫の特異な人格によって妻が精神的に追いつめられていく様子がよく伝わってきます。これは、配偶者の独特な性格に戸惑い、苦痛を受け、翻弄されながら生活しているご夫人方に何らかの指標を与える記録かも知れません。

依頼者 藤原 良子(45)主婦・パート勤務 仮名  夫 藤原健一(47) 研究所職員 仮名
記録から
私は夫と知り合ってから1年で結婚しました。その1年間も九州と東京の遠距離交際でしたのでお互いよく知らない部分が多かったです。

1. 昭和〇〇年、結婚後間もないある日、待ち合わせ場所に夫が30分遅れて来たので私が怒ると、「間に合わせようと頑張ってきたことを理解すべきだ。あなたの考えはおかしい」と逆に非難されました。

2. 夫が台所で、化粧石鹸を使って食器の洗い物をしていたので、「台所用洗剤を使おう」というと、「あなたのやり方を押しつけるのはおかしい。それなら今後は自分でやるべきだ」といわれました。夫は、素直に人の意見を聞くことができないばかりか、自己主張が強く理屈っぽい生活であることがわかってきました。

3. 昭和〇年、長女が生まれたとき、夫から「父母がゆつくり泊りがけで見に来たがっている」といわれ、「来るなら病院に来てほしい」と夫に頼んだが、聞き入れられず退院後、すぐに自宅に泊りがけで来たため、準備、気疲れ、等で熱を出してしまった。
夫と舅姑は他人の立場とか心境を汲み取ってくれる人たちではないらしい。思いやりのない夫と舅姑に囲まれた結婚生活で私は疎外され孤立し、徐々に、「夫や舅姑とは生活ができない。私の育った環境とは違う」ことが分かってきて、後年、別居と離婚の意識を固めることになったのです。

4. 平成〇年、長男が生まれ子育てで一番忙しかった当時、夫は、仕事やボランティアで土日はほとんど不在でした。
「子どもをお風呂に入れてほしい」と、頼むと、「湯冷めするから嫌だ。自分は寝る前に入りたい」といってその通りにしていた。自分の意志を通すだけで、私の疲労など全く理解しょうとしません。

5. ある日、夫は、「あなたのやっていること(家事)を私はできるが、私がやっていること(仕事)は、あなたはできない」といいました。私とは、格が違うと言いたいのです。夫は心ない一言をいって人を傷付けることは何とも思わないひとです。
何か頼みごとをしてもやってもらえないので「どうしてやってくれないのか」聞くと、「人に頼んだらその人の都合でやるのだから、そのように不服をいうのなら自分でやるべきだ」といわれた。その結果、ほとんどのことは自分でやるようになった。

土日などは、私と子どもたちで、友人や妹夫婦のところへ行って遊びに連れて行ってもらうことが多くなった。そうすると、夫は携帯電話で今どこにいるのかと聞き出して居場所を転々と追いかけ回すようになりました。自分の理屈を押し通すくせに、猜疑心が強く、他人(私の友人、妹夫婦)の自分に対する評価を異常なほど気に掛ける性格であることもわかってきました。

6. 夫の特異な性格にうんざりしてしまい、私は、もう別れようと決意して長女を連れて実家に帰ったところ、夫が追いかけてきて、「子どもを産んだ責任を放棄するのか。ちゃんと育てる義務があるはずだ。」と理路整然と説得されて家に帰りました。このように自分なりの明確な根拠を持って、「あなたが間違っている。」と主張することが夫の際立った特徴です。

7. 子どもたちが、夫婦の言い合いを嫌がっていたので、できるだけ子どもたちの前では避けたいと考えた。
お互いの意見は何処まで行っても平行線で、「・・ではあなたはどうなの」と結論を聞くと黙ってしまうし、夜中まで話し合いをしても話題が横道にそれて何も結論がでず、1時、2時になると私は意識が朦朧として、翌日は疲れ果ててしまいました。夫は頑なに自説を曲げず、譲歩してくれません。

8. 子どもたちの学校の親子(三者)面談に、夫自身も参加しないと納得いかないと言いだすようになった。担任の先生には母親が行くと連絡していても、面談当日、夫が追いかけてきて四者面談になってしまうので子どもが嫌がり、結局私が参加しないことになりました。夫は、学校や社会のルールを守ったり、父子の関係性(子どもが嫌がっていること)も理解できません。
また、入浴についてある日突然、「いままで我慢してきたのだから、これからは一番風呂に入る。」と言い出し、家族の誰かが先に入るとお湯を抜いて、焚き直して入るようになりました。夫の考え方は一徹です。

9. 子どもたちが、夫に対し、口答えや反発、意見を言うと夫は、子どもたちには何も言わず、「あなたが注意しないのはおかしい」とか、「あなたがけしかけて言わせている」などと言い、「小学校高学年や中学生になったら、自分の意見で発言しているのだから、あなたが注意したら。」といっても聞いてくれません。自分の都合の悪いことになると無言を通す人です。このことも夫の特徴です。

10. ある年の正月。夫の東京の実家へ帰省する予定のところ、私は風邪がひどいため行けないと断った。夫は1月2日の夜に私の実家に飛んで行き、「妻も東京へ行くように説得してくれ」と頼んだ。父親が、「具合が悪いのに東京に行ったら風邪を皆にうつすから、子どもたちだけ連れて行ってはどうか」と意見しても納得せず何時間も帰らなかったそうで、頑なに主張を曲げないことに父も呆れたといいました。夫は、決まっている予定の変更を認めることができない人です。

以下、夫の特異な性格は病気なの? 2 に続く。

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11. 平成〇年〇月、二世帯住宅を建てた。東京に住む夫の両親がトラックで荷物をこちらに届ける日が長女の小学校の卒業式の日と重なってしまった。
海外出張中の夫から両親の引越し荷物の受入れなど手伝うようにいわれたが、私は、卒業式の役員を受けていたため、「とても手伝えない。日を変えてほしい」と提案したところ、夫と両親は怒り出した。夫は私の仕事先まで海外から何度も長電話して来たり、夫の両親は、近県に住む私の親に電話をかけて、結局私の母親が当日引越しの手伝いに来た。夫と親は他人の立場や迷惑など全く考慮することができず、他人に合わせることができない人なのです。

12. 月々少しずつ家族名義で貯金をしていましたが家の新築に支払っため、夫より子どもたち名義の預金高が多くなったのを知った途端、「こんなことはおかしい!」と言って自分の口座に移そうとしたので、「子どもたちの預金があとひと月で満期になるからそれまで待ってほしい」と頼んだのですが聞き入れず、さっさと解約して自分の普通預金に移してしまうなど、家族間でも融通がききません。

13. 私は妹(二女)の働く不動産事務所でパートとして仕事をしていました。ある日夫が職場に押しかけてきて、私のバイト代をいくら支払っているのか聞き出すため2時間以上も居座り、帰るそぶりも見せないところたまたま訪ねてきた妹の夫に、「ここは忙しい職場なので仕事が出来なくて事務の皆さんも困っているから帰った方がいい」と諭されて引上げたことがありました。夫は周囲にいる人の表情とかその場の空気を読むことができません。夫は、金銭のこだわりが異常に強くて、私のバイト代まで管理しようとするのです。

14. 夫が、私の妹の職場や自宅、私の友人のところへ相手の都合も考えず早朝や夜間に突然訪問して何時間もまとまりのない話を続けたり、バイト先に電話して、そこに私がいるかどうか確認することが何度かあったそうです。当時は皆気を使ってくれていたので後になってからこの事実を知りました。 私が行く先々で夫の悪口を言っていないか探っているようだったと聞かされました。夫には結婚当初から被害妄想の気質が見受けられました。

15. ある日、夜寝ている部屋に夫と舅が突然入ってきた。夫から、「父母に対し老後どのような面倒を看られるのか」と詰め寄られました。 今までのやりとりとか経緯を考えると「何々をやります。」といって、もしできなかった場合、「あなたはあの時こう言った」と追及され、身動きが取れなくなる事が目に見えるので、「私は親を捨てて(両親に猛反対され)、嫁になったけど、二女も三女も嫁に出てしまった。私は現在実家と行き来が出来ているので、私のできる範囲で両方の親にたいしできるだけのことをしたいと思う。」と答えた。夫は、納得せず、「具体的に何ができるのだ」と何度も回答を求めましたが、舅は、「できるだけのことをするというので、それでよい。」と、話は終わりました。
このような問答は常識的な家庭ではありえないことであり、この親子の精神に暗澹とした思いになりました。

16. 平成〇年〇月。私の父親が亡くなった。病院から亡父が自宅へ帰り、実家の家族・親族で通夜、告別式の打ち合わせをしているとき、夫が、「喪主は前から自分だと思っていた」と言った。居合わせた誰もが喪主は母親だと伝えると、「母のこれからの生活費はどうなっているのか、相続はどうなるのか」と言い出したので、このような場で話題にすることではないので話を止めてもらいました。が、実は父の闘病中に妹の夫のところへ二度もこのことについて話に行っていたことを知りました。

17. 葬儀の日の夜遅く、夫が実家に来た。父親が生存中は夜遅くに来られても対応できたが、今後、こちらの都合も考えないで夫が押しかけてきたら、母一人では対応できない、ということになったので、わたしは夫にその旨の手紙を出しました。夫婦間でこのような不安が生じること自体異常だと思います。

18. 父親が亡くなって49日位までは母親一人で心配だし、相続などいろいろな手続きなど事務処理が多く、妹たちもなかなか実家には来られないため私が多めに実家に帰っていました。
この月日を境にして夫が預金通帳類と保険証の管理を始めたため、生活費を下すことも子どもたちへの仕送りや学費払い込みもできなくなりました。 そのうえ夫は、「私の留守中に勝手に家の物を持ち出さないでください」とメモ書きを置いておくのでした。夫婦であり、しかも私の私物さえも勝手に持ち出すなという夫なのです。

19. 私は、夫の数々の奇行(私の考える世間の常識、夫婦間の常識と比較して)を舅・姑に訴えて協力して頂き、歯車のかみ合わない夫婦関係の修復を図ろうとしました。しかし舅は、「なぜ夫婦で話し合わないのか。夫婦なのだから話し合えば分かるはずだ」と夫の言動を問題視しておらず理解は得られなかった。 私は、結婚生活の継続はこれ以上無理と思い、舅に「しばらく実家に帰ります」と告げました。

20. 〇日。自宅から着替えや身の回りの私物を持ち出す日。運び出す物品の内容数量を書面にしてその証人になってもらうため私の友人に同行して頂いた。
自宅に入ると、家の中で舅姑が隠れるようにして私たちの行動の写真撮影を始めた。友人は舅が立っているのに気が付き挨拶(会釈)をしたのですが無視されました。舅の行為は常識的に考えられず、この一事だけでも夫と両親の考えは常軌を逸していることを改めて思い知りました。

夫の特異な性格は病気なの? 3に続く

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夫の友人Aさんを交えて離婚に向けて話合いを始めました。

21. Aさんは夫の古くからの友人ですが、私は、夫婦間に公平な立場に立てる人柄だと認めているので夫婦の話合いの立会人になってもらいました。一晩中の話合いになってしまう可能性が大なので、Aさんは午後10時までに結論を出せるように仕切ってくれた。

(1)私から、離婚したい理由を説明した(話合いのため書面にまとめた要点・抜粋を口頭で)。
要旨、夫とはどこまで話し合っても平行線になって結論が出ない。むしろ夫の両親に直接話した方が大騒ぎにならないことが経験で分かった。但し、両親が私の主張を認めてくれることは別で、両親は夫と同じ考えです。
夫のペースで生活を維持するのは心身が持たない。父親死亡後の今の状態では、夫、舅姑と実家との間で身動きが取れなくなってしまうからきちんと離婚して、それぞれの親はそれぞれが看たらよいと思う。

(2)前記にたいする夫の意見
私の両親の言動とか希望、要望などを私が阻止しなかったことが問題なのか? 今までに、妻から離婚したいということは聞いていない。妻の言っている理由では離婚に納得できないし、離婚前提の別居は認めない。あなたの私物や娘の布団などを断りもなく持ち出したことは許せない。

(3)舅姑の意見(私は、夜10時になったので実家に帰るため別室にいる舅に挨拶に行った)
あなたの亡父の葬儀のとき喪主問題に関し、実家側についたのは重大な背信行為だ。現在、この家に帰ってこないのは家庭放棄だ。息子にだけ町内会の草刈その他自治会の行事をやらせるという妻は世間に居ない。恥ずかしいことだ。

舅姑と話している間、私が逃げられないように夫は出入り口の前に立ちはだかっていました。「衣類は後で取りに来ます」といって、ドアが少し空いて通れそうになったので隙間から逃げるように家を出て実家に帰りました。
この日の夫の行為や考え方を知って、婚姻の継続が無理なことを再認識しました。

翌日、立会人のAさんからその後のことを聞いたところ、「妻は説明責任を果たしていない。話の途中でいつも逃げ出す」と言ったそうです。

① 私は、明け方まで話し合っても、何も結論がでず、話していることを愉しんでいて話の本筋からどんどんずれてしまう。夫の話に否定的なことをいうと大騒ぎして会話を壊してしまうことも度々あった。

② ある日、夜中まで話が及んだ。いくら話しても平行線になってしまうので「もういい」と、娘の部屋に逃げ込むと追いかけてきたのでドアを閉めて抑えていたら押し合いになり弾みでドアが当たって眉の上が切れた。一瞬脳震盪をおこし、気付いてすぐ妹を呼びメデカルセンターに行くとき、夫が二階の窓から「私がやったんじゃありません~!」と叫んでいたこと。とにかく、話合いが夜半を過ぎると、私が逃げ出さないようにドアの前に立ちはだかり、逃げると追いかけてくることが繰り返されてきたのです。

③ 主人は、私が離婚する意思があることを聞いていないと言いましたがあれは全くの嘘です。いつも、お互いの生活信条の違い、お互いの両親のこと、そして離婚について、が話合いのテーマでした。父親の葬儀後、夫は、私に隠して自活している娘と息子に会って、離婚についてどう思っているか聞いたことがありました。

Aさんは夫婦の生活史を聞いて初耳なことが多かったようで驚いたようです。そういえば・・。あいつが海外に出張中に自宅の電話を買い替えたことについて、「電話に盗聴器を仕掛けたのではないか、それは妹の旦那さんの差し金ではないか」と言っていたな。そういう被害妄想・疑心暗鬼は夫の気質です。私と子どもたちが何処で何をしているのか追い掛け回されたことは数えきれません。

22. 市民相談室に行き結婚生活と別居状態に至った経緯を説明しました。
① 離婚を考えているなら、まず別居して離婚調停を申立てること。 ② 経緯を聞くと話合いは難しいし、夫はアスペルガー症候群とも考えられるので話合いは無理だと思う。話合いはしなくてもよい。 ③ 離婚を前提に別居することについて、夫の同意は要らない。 ④ 自分の荷物は堂々と取りに行くこと。などのアドバイスを受けました。

23. 〇日。友人たちと(持ち出した物の証人のため)私の衣類、実家からもらった和服、身の回りの物を取に行きました。荷物が多いので車三台を連ねて。 車に荷物を積んでいると、舅は勤務中の夫を呼んだ。駆けつけた夫は私の車の前に車を横向きに止め、一般車両も交互通行でしか通れないように阻めて、私の車から積んだ荷物を下し始めた。
夫と舅姑は代わる代わる、「なんの挨拶もなく勝手に共有財産を持ち出そうとした。略奪行為だ、盗人だ。(友人たちに)私の許可も得ないで家に入った、住居侵入だ。」と騒ぎ立て、友人たちの氏名と私との関係を確認し、舅は友人たちの写真を撮影しました。

「和服は一銭もあなたのお金を出していないのだから持ち出す」といっても、「話し合いがついてからでないと荷物の持ち出しは認めない」と、玄関ドア前に立ちはだかっていました。中で話し合おうといっても拒否され、外での騒ぎがつづき車は動かせない状態だったので、諦めて荷物を室内に戻した際、私たちが室内から出られないようにドアの施錠をされた。

「生活費ももらっていない状態なのだからこれからくる冬物の衣類を持って行ってはダメなのか」と聞くと、ずっと黙り込んでしまいしばらくしてから、「話し合いがつくまでは認めない。」の一点張りでした。荷物の持ち出しを諦めてやっと解放され車に戻るとき、夫は「荷物が積んでないか確認します」と一台ずつ車の中を点検したあと横付けしてあった自分の車を移動しました。

24. 過日、市民相談室に行ったとき夫はアスペルガー症候群らしいと指摘されてから、書店とかインターネットでそれに関する記事を読み漁りました。その結果、アスペルガー症候群は、自閉症、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、LD(学習障害)などと同列の発達障害だということが分かりました。
発達障害は、3歳前後からその特性=障害があらわれて、特性は大人になっても変わることも直ることもありません。アスペルガー 症候群は、自閉症の特性を持ちながらも言葉の遅れや知的遅れがないことが多く、むしろ学問的に優秀な人が多いため、特に大きな問題を起こさない限り、子どもの時に見過ごされてしまうことがあります。しかし、成長するにしたがいその特性によって周囲の誤解を招いたり問題になったりすることが多いようです。

そして、アスペルガー症候群の人には、職場や友人の支援と家族の理解が何よりも大事、と結論付けています。夫は、医師にアスペルガー症候群と診断されたわけではありません。本人も発達障害があるとは自覚していないと思います。

25. 私は、双方の生活信条の違いについて結婚以来、何度も何度も話し合ってきました。しかし、ドアの前に立ちふさがれ逃げ道を遮られながら、どこまでいっても分かり合えない話合いを朝までやる根気は失せました。気力も体力も限界を超えました。

子どもたちが家に帰ってきてホッとできる家庭なら、家庭内別居をしてでも居続ける意味があると考えたこともありました。しかし子どもたちは家に帰ってくると体調が悪くなってしまうのです。子どもたちは大学を出て、もう独立する歳になりました。私はこれ以上心身を壊しながら家庭を守る必要性は見出せなくなりました。
夫の存在を考えただけ、言動に触れただけでも鳥肌が立ち委縮してしまうのです。私は夫と同じ戸籍に入っているだけで精神的に威圧をうけて苦痛です。このままでは狂死しそうです。たとえ別居していても、相手の妻という重圧は払しょくできません。
後記
アスペルガー症候群ことを知ってもらうために、依頼者と夫との生活上のやりとりの長い記録を再現しました。
アスペルガー症候群は、自閉症、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などと同列の発達障害の一種だということです。 アスペルガー症候群については、「夫は発達障害なの?4」ページに、その特性について「大人のアスペルガー症候群」監修(宇都宮大学教育学部教授) から、引用いたしました。
婦人の手記を読むとこの夫の言動がアスペルガー症候群の特性と驚くほど合致していることが分かります。興味のある方は4ページを参照してください。

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アスペルガー症候群に見られる代表的な特性

1 社会のルールを守ったり人との関係性を持ったりすることが苦手
社会性の特性
社会常識やルールがなかなか身につかない  人の気持ちを察することができない
独特な行動や言動をする(・突然大声を上げるなど、場にそぐわない行動をとってしまう ・礼儀をわきまえない ・間違っていても謝らない ・社会的ルー ルよりも自分のルールに従う)

2 よく話すのに、会話が成立しない会話をしている相手の、表情を読み取れない
コミュニケーションの特性
人の話が聞けない  相手に会わせて会話ができない  相手の意図を読み取れない  話を止めることができない  会議などで議論になると、いわゆる「ああ言えばこう言う」式で応答するために同僚や上司などと感情的に対立してしまうこともある。話題が変ったり、会議が終わった後、他の人が注意しても、なぜ注意されたか理解できない。マイペースというわけでなく、他の人の感情を考えることが苦手
独特な行動や言動をする(・相手の欠点を指摘する ・人が話しているのに別の行動をとる)

3 こだわりが強く、想像力が乏しい
こだわり・想像力の特性
一度決めたことはどんなことがあっても守ろうとする(こうした行動は想像力が弱く、臨機応変に対応したり予測したりすることが苦手)
一度決めた手順やスケジュール、規則などに強くこだわる  突然の変更や中止が決まっても対応できずにパニックになる  生活パターンを変えない   例外や他人の間違いを認めない  自分のルールを押しつけたがる

4  人の気持ちが読み取れない
他人の顔の表情や声の調子、身振りや手振りといったコミュニケーションの手段を理解することがなかなかできない特性
「表情」目や口などの動きで喜びや怒りを表していることが分からない。 ・表情の変化を読み取れない ・笑顔に笑顔で応えない ・相手が怒っていても気づ かない
「口調」口調から相手の気持ちを察することができない。 ・やさしく話してもこわがる ・大声で怒られても平然としている
「しぐさ」首をタテやヨコに振ったりする身振りを理解できない。 ・本人も身振り手振りを使わない ・悲しそうな顔をしても無視する ・手で×を作って「ダメ」といっても通じない

5 考え方や行動に融通性がなく、自分の規則を人に押しつけてしまう
こだわりという特性によって考え方や行動の範囲が狭いという場合がある。また、自分だけの独特のルールを持っていて他人にも押しつけてしまうこともあります。 その場に応じて行動を変えられない ・時と場所に応じて臨機応変に考えることが苦手な特性を持っている
自分の考えや行動が正しいと思い込んでしまう ・自分流のやり方を押しつけてしまう

6 同じ道順ややり方に強いこだわりがある
職場への道順や交通機関、何かをやる時の手順には特に強いこだわりを持つ  ・予定外のことに対応できない ・自分なりのやり方の変更に対応できないのは、その後どうなるのかの予測を立てにくいからと考えられる ・決めたことや予定が変わったときに、自分がどうしたらいいかということが想像できないので不安を感じてしまう。この不安は周りがビックリするほど大声を出したり、時にはパニックになり自分を傷つけてしまうこともある。

夫人が記録した生活ノート「夫の性格は病気なの?」1.2.3を通して読むと、登場する夫の言動は「アスペルガー症候群に見られる代表的な特性」で指摘されている内容とほとんど合致することに驚きます。しかし、アスペルガー症候群の夫と性格が相違するから「性格の不一致」を理由に裁判で離婚請求が認められるかについては、そう簡単なことではないことを申し添えます。

平成17年「発達障害支援法」が施行されていらいアスペルガー症候群の人たちが生きやすい環境つくりのため、教育現場や職場等などでアスぺの特性と対応を解説する学習が行われています。

依頼人 山内典子 (28)保育園勤務
対象者 高崎 勉 (34)会社員 妻子あり 仮名

調査目的
高崎勉の身許調べ

相談概要 
出会い系メールで知り合った高崎勉という男性と結婚を前提で交際していた。先日、突然別れを言いだされた。詐欺的で不誠実な態度が許せないので身許を調べてほしい。
私は、婿取りの立場です。適齢期も過ぎる頃なので相手には「結婚することが前提」と言って交際を始めた。温泉旅行、デズニーランド等に行き、家に来て母に「典子さんの婿として結婚させてください。」と挨拶をした。
交際して半年が過ぎたとき彼が、「実は、あなたと知合った当時交際していた女性がいて、その人は私を捨て別の男に走った。その女性が今になって、僕のところに戻るといってきたので受け入れ、あなたと別れたい。二度と僕に電話しないでほしい」と言われたので、口論の末別れた。
数日後、高崎から「先日は感情的になってゴメン。今までとおり月に三日くらい会いませんか?」と電話が有った。「そのようないい加減な気持ちで交際できない」と答えたが、真意を聞くために彼に会った。彼が、「僕の彼女には内緒で、あなたとこのまま付き合っていきたい。その女はあなたの存在を知らないから、その人ともうまくやりたい。」と、身勝手に、自由な恋愛を続けたたい、と言った。
高崎はいままで言訳ばかりして、自宅と、勤務先を教えてくれなかったので手がかりは携帯電話番号だけ。身元を暴いてはっきり進路を決めたい。

調査結果
携帯番号から所有者住所・氏名を割出した(10数年前は簡単に調べられた)。高崎は、妻と二人の子とアパート暮らしだった。
大手総合電機メーカー系列会社に勤務する係長。自由に行動できる立場を利用して、午後は公園駐車場やまんが喫茶店めぐりが定期コースになっている。出会い系でゲットしたと思われるその都度代わる女性と、週1回くらいラブホテルへ入っていた。
結婚詐欺に遭ったことを知った依頼人は、「このまま別れるだけでは気が済まない。奴に復讐したい」と悔しがった。

その後の経過
数日後、依頼者は計画を立ててきた。「高崎勉の希望する自由恋愛を受入れたふりをして彼とデートするのでその場面をビデオ撮影してほしい」。「撮影した写真を高崎の勤務先と奥さんに郵送する。写真に同封する文案を作成してほしい」、という怪文書で彼に復讐するものだった。

依頼者が、男とデートする日時を指定したのは男の勤務日(仕事中に遊んでいる場面を撮影する)でした。
男と依頼者が公園でデートしている時間帯、食事している時間帯、ラブホテルに入る時間帯、ラブホテルから出る時間帯などは事前に依頼者からメールが入るので完璧に男の勤務上の規律違反・夫婦としての不倫状況の証拠写真撮影は完了しました。※ラブホに入って、しばらく時間を経てから女探偵から、依頼者の勤務の同僚を装って緊急・急用の偽装電話を入れたので、依頼者は次回に男とデートする約束をして二人は何事もなくラブホテルを出るという工作も成功した。

怪文書
「高崎勉の仮面を剥ぐ」という文書の入った封書に、高崎が出会い系サイトで知り合ったと思われる女と勤務時間中にラブホテルへ出入りする写真数名分(依頼者の写真も入っている)が同封された文書が、高崎の勤務先と取引先、高崎の自宅・奥さま宛てに送られた。依頼者の男に対する憎悪の激しさが伝わる。

探偵の眼
「出会い系サイトで知合った相手と結婚を前提に交際をした。週1~2回デートしてラブホテルに入り、お金も数十万貸した。最近プッツリ連絡が途絶えた。結婚詐欺のようなので相手の居所を探してほしい」、という調査依頼は同業者間の情報交換によると、相当数に上ります。被害者の男女別では70%が女性、残りが男性のような印象を受けます。女性の方が結婚願望が強いのですね。結婚詐欺師たちが手ぐすね引いて待ち構えていることを忘れないように。金銭など被害の額が大きい場合・事件性がある場合は恥ずかしがらずに警察に相談すべきです。男が結婚詐欺に遭う場合、相手の女はプロが多いようです。結婚を夢見、女の肉体を得るための代償は大きいです。投資したお金は戻ってきません。

男性はネットや結婚紹介所などで婚活をするとき、元夫や交際相手が7人が死亡したという婚活女詐欺師「筧千佐子」や、首都圏連続不審死事件・婚活大量殺人事件の犯人「木島佳苗」(平成29年5月9日死刑確定)など、色仕掛けで男を誘う女詐欺師がどこにでも蠢いていることに留意してください。

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依頼者 妻 野田沙織(28)専業主婦
対象者 夫 野田雄一(33)地方公務員  夫婦とも仮名
婚歴6年 子供1歳半と妊娠5ヶ月

調査目的
夫の行動調査

相談概要
夫の行動が2年前から急に変になった。職場からいったん帰宅して、風呂、食事を済ませて、毎晩9時頃になると出かけ深夜1時から2時に帰宅する。 家庭内の態度も急変し、些細な事でも罵詈雑言を浴びせる。子どもへの態度も変わり、まったく抱こうともしない。
何か言うと、「実家へ帰れ!」「もうお前とはやっていけない。帰れと言ったのに!」と鬼の形相で怒鳴り、髪の毛を引っ張りまわす。侮辱したり暴言を吐き、手当たり次第に物を投げつける。怖くて夫と一緒に食事ができない。また或る時は1ヶ月も口をきいてくれず無視され続けたこともある。

どうして毎夜9時に出かけるのか分からない。青年団の会合とか太鼓保存会の練習、職場の親睦会で麻雀をするなどと言うのだが、何処で何をしているのでしょうか?

調査結果
雄一は自宅を出ると、隣町のGアパート205号室に人目を忍んで入り、深夜1時半ころ部屋を出て自宅に戻る。
205号室は安藤武・典子夫婦と、2歳くらいの子の3人暮らし。夫の武は夜勤専門の勤務をしていて、午後5時に家を出て翌朝帰宅する。典子は夫を送り出してから、母子で食事、入浴を済ませたあと居間でテレビなどを見てから、9時過ぎに室内消灯して子どもが就寝すると、玄関のドア灯を点ける。このドアの点灯が外で待機している雄一に、「夫は不在・子どもは寝た」の合図だった。

経過
沙織は、荒れる夫に2年間恐怖を感じて生活を続けたうえ、夫の夜の行動の実態を知ったことで体調を崩し、通院の結果「うつ」と診断された。夫の留守中に「実家でしばらく休養します」と書置きして子どもを連れて帰った。
3ヶ月経過しても夫から何の連絡もないので、生活費を請求すると「お前が勝手に出て行ったのだから渡す必要はない」との回答。沙織は家庭裁判所に 「婚姻費用分担請求」調停を申立てた。

探偵の眼
妻が、夫の意志に反し勝手に飛び出して生活費を請求した場合「権利の濫用」で認められない判例があるので注意を要します。

ただし、「夫婦が別居する場合において、婚姻関係が事実上破綻していても婚姻が解消されない限り婚姻費用分担義務のあるのが原則である。なぜならば、このような場合でも夫婦の協力扶助義務はなくならないからである。ただし、別居の原因につき責任のある有責配偶者から請求があった場合について裁判例は別れている。」(法律の抜け穴集・自由国民社版 427頁)

別居原因が、例えば妻が不倫をしてそれが原因で夫婦げんかになり、妻が家を出て別居を始めた場合、妻からの生活費用の分担請求は、裁判所も認めるか否定するか判例が別れる結果なのでこの場合注意を要します。

別居して、夫婦関係を見直しその結果、関係修復をする夫人もいます。また、離婚を決意する人もいます。別居中は生活費(婚姻費用)の分担を請求できるのが原則ですから、夫の承諾を得ないで別居しても権利を主張すべきだと思います。この依頼者の事例では、家庭裁判所調停員に生活費の支払い義務があることを説明された夫は、家庭裁判所が提示した「婚姻費用算定表」による生活費を支払い続けることになりました。

出産予定の夫人とか、病気静養など長期の別居が見込まれるのに生活費について夫の同意が得られない場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担の請求申立てすることをお勧めします。

 

 前回の被害妄想の老婦1 は 相談内容について、婦人の室内で起こる様々な現象、日常的に受けている被害状況を婦人の口述を筆記したものです。アパートの住人とか周辺の人たちに監視されている状況を克明に記録しました。
被害の内容として、「留守中に家の中に何者かが入っていたずらをする」、「周囲の人が私を監視している」が多いですが、これはこの老婦に限らず、心が病んでいる人たちの相談のなかに必ず出てくる項目です。このような被害を受けていると訴える人々は老人世代ばかりではなく30歳代から60歳代までずいぶんいるのです。
【吹き芽どき】草木の芽が出始める時期のこと、3月~4月 【刈芽どき】【刈穂どき】稲穂を刈る時期のこと、9月。
昔から、「この時期には自律神経が不安定になって来院し針きゅうをする患者が多い、そして自殺者も多いのはこの時期だ」と、針灸院経営者の感想です。
神経医学界の統計でも自殺者は4月5月が一番多いデータがあります。

古くから探偵業をしている業者さんなら、春3月4月の季節になると、精神的に病んでいると思われる人からの相談が急増して対応に追われた経験が多くあったと思います。ここ20年来は「心療内科」という診療科目を表示する病医院が多くなり、うつ病も一般的な病名になって「神経症」を自覚、他覚(家族などに指摘される)する人はあまり抵抗なく心療内科を受診できる時代になりました。心療内科が無かった時代は、「精神科」で受診しました、しかも一般の病医院にはなく精神病院に通院していました。心療内科への通院が一般的になったため、自律神経失調症から精神的に悪化してしまう神経症まで進まないで改善・治癒していく人が多くなった。そのため近年は探偵事務所に精神が疲れている人たちからの相談が激減した、というのが筆者の推測です。

では、なぜ心が病んでしまった人たちが精神科に行かないで探偵事務所に相談にくるのか?
この人たちは自分の心が病んでいるとは考えていないので、病院へは行きません。他人から(正体が分かっている人又は、何者か不明)の有形無形の攻撃・嫌がらせ
について、まず、自分で防衛対策を講じるのですが効果がないので市民相談室に行きます、次に警察署~ 裁判所~ 弁護士事務所~ どこへ行っても”キチガイ”扱いにされ、たらい回しにされてたどり着いたのが探偵・興信所だそうです(相談者・談)。「何で?ここに」の質問に、「探偵さんは忍者みたいに正体を隠して見えない相手を突き止められるから」と、皆さんは異口同音に言います。

探偵事務所でも多忙だったり、このような人と関わりたくない場合は門前払いしています。私は、この人たちはどうしてこうなったのか、その環境とか過程が興味があるので、電話なり面談で相談者の話すことをすべて聞き取ることにしています。相手の話すことに相槌したり、同情して慰めたりしながら聞き終わると、明るい表情で「すっきりしました。助かりました」と言って帰られる人も多いです。中には、仕事として依頼を受けることもあります。

小林さんは自信過剰の性格を自認していた。誰でも呼び捨てにするなど尊大な振る舞いが垣間見えた。今日までさまざまな人たちと対立してきたのだろうと思う。
老境に入っても攻撃的性格は旺盛で、周囲の人を敵視ばかりしている。そのために親しい人はおらず、孤立し、孤独感からうつ状態になったのか。
相談時に同行してきた35才くらいの甥は、「調査の結果、部屋へ何者か侵入の事実がなかった場合は、伯母の精神的な原因を考えざるをえない」。今後の方針を決めるために調査の依頼を決めたということでした。

見えない敵から攻撃され続けている、という、妄想(強迫観念)にとらわれる人は男女ともに独居老人に多く見られます。 高齢者の自殺や夫殺し、妻殺しが頻繁に報道される大変な時代になってしまいました。高齢者は、過去の栄光・肩書などは捨て去り、積極的に血縁者、周辺の人に自ら入って行かなければ救われないことを小林さんの生きざまを見て感じました。

一昔前は、小林さんのような被害妄想の人を一般的に「ノイローゼ」=「ある心配事が原因で心身が壊れかけている人」と一緒くたに表現していましたが、現在は症病名を分類しているようです。
ノイローゼ=【神経症】心理的な要因と関連して起こる心身の機能障害。器質的病変はなく人格の崩れもない。病感が強く、不安神経症・心気症・強迫神経症・離人症・抑鬱神経症・神経衰弱・解離性障害など種々の病型がある。【広辞苑】

依頼者
小林房子(73)独身・一人暮らし 仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。

調査目的
隣室203号の男女の行動調査及び、依頼者留守中の室内へ不法侵入者の撮影

相談の内容
老齢になって長い東京の生活からこちらに帰ってきた。世田谷、代々木、千住などのアパートを転居した。年金受け取りの必要のため、住民票をきちんと移動しているが、それを元にして何者かに追跡されている。
先日、東京からこちらの〇市〇町「Sメゾン」に引っ越してきたが、いろいろ嫌なことがあったので2日でそこを出てY市に転居した。Y市にきてもアパートの大家さんとトラブルがあって2週間でそこを出て、いまのこのアパートに引っ越してきた。

最近、身辺にいろいろ不思議なことが起こる。しかし、私のそばに誰かがいる時は敵は何もしない。何も起きない。宗教関係の人が心配して泊まりに来ると嫌がらせがピタリ止まってしまう。201号のアベックと203号の独身女性は仲が良く、この女性も私に対して変なそぶりがみえる。この3人のうち一人は必ず在室して私を監視している。隣室の女は、私が外出から帰ると必ず換気扇を回す。「ずいぶん付けるのですね」というと、『ええ暑いですから』と答えてすぐに止めてしまった。私に意図を見抜かれたと思ったのでしょう。この女は、私の部屋に体を弱らせる粉末を拡散しているのだ。昼から、何か粉のようなものがパラパラ降ったり、匂いがしたり、この頃は絶え間なく攻撃される。先日も、午前中にガスみたいなものを撒かれたので喉が痛い。

2階一番端の部屋は中年の社長風の男性が住んでいる。怪しいと思うバイオレット色の車は朝5時30分に必ず出かける。
女と同棲している男性は最近越してきて挨拶に来た。その後階段ですれ違ったとき、隠すように顔をそむける。東京代々木のアパートの隣室の男とそっくり。断定してもよい。
渋谷と原宿警察署、そしてこちらに引っ越して、地元の警察署と裁判所に何度も相談に行ってもキチガイ扱いされて相談にのってくれない。どこの警察署でも証拠がなければダメと言われる。
代々木時代、1階の部屋に住んでいた。2階の住人と大家が組んで双方から攻撃された。夜、何かを撒かれるので咳きこむ。畳の上に白い粉がおちていた。こちらにきても、何者かに攻められている。部屋の四隅の隙間から黄色い泡が吹き上がる。電球越しに天井から粉末がキラキラと降るのが見える。隣室の部屋の明かりが漏れている。押入れから「鎖があればいいんだけどな~。」という声がきこえた。

何者かが部屋に入っている。トイレ水槽のレバーの「大/小」の表示が反対になっていた。机の引き出しが二度も空いていた。朝起きると白い粉がバァーツと撒き散らされていた。寝ているとき口の中に粉が入って口内がカサカサになって息苦しい。うがいすると白いドロドロしたものがでてくる。朝起きると、床に水溜りがあちこちにできている。天井の隙間から色のついた粉末がヒラヒラヒラヒラ降ってくるので室内全部の天井にビニールを張り、壁やサッシの隙間にはビニールテープを張って目張りした。
敵の侵入を防ぐため、浴室の天井の工事用の蓋をふさいだ。浴室から部屋に入られないように浴室ドアが開かないよう釘を打って閉じたため私は風呂に入れない。
台所と洗面台の流し口から攻撃されて悪臭が上がるのでボロ布で防いだり栓を閉めて水を張った。換気口の取り付けネジが緩んでガタガタになった。誰かが室内に入らなければこのような嫌がらせはできない。

ある日、お中元として大家さんに「山形屋」の焼き海苔を持っていったら突き返された。
向かいのFアパートの住人が私の外出をいつも監視している。そのアパートに偶然だと思うけど郵便局に勤務している人がいる。郵便局員は私の年金額と住所移転状況を知っているので知り得るので怖い。ドアからみえる向こう側の家の人は、いつも畑に立って私を見張っている。川の脇の家の人も私が出かけるのをいつも監視している。あの顔に見覚えがあるので、東京千住のアパートからこちらに引っ越してきたらしい。私がアパートを出て歩いていると、見張り役がピーピー~と口笛で合図をする。するとあちこちの意家のカーテンの陰から人が私を見ている。
ここまで継続して続いている攻撃は、内情知っている東京時代の人か、その命令を受けた人たちだと思う。

調査結果
アパート階段、通路、部屋の中に隠し監視カメラを設置した。予想通り猫一匹の動きもなかった。

探偵の眼
小林さんは、東京の商社に勤務歴が長く、役職に就いたことを自慢する。独身を通した職業婦人。某宗教団体の信者で、「多忙で充実した商社時代と宗教活動が人生のすべてだった」と回想する。品の良い洋服、装飾品も豊富に持っており、往年の華やかで自信に満ちた生活ぶりが彷彿とする。こちらに来て大家さんに「スタイリストですね」と言われたことを自慢する。東京から引っ越してきて、大家さんと喧嘩してアパートを2回転居したという。現在のアパートの大家さんにも「物音がうるさい」と頻繁に苦情を言い、「この程度の生活音はどこにでもある」とたしなめられた。
被害妄想の老婦 2 探偵の眼 に続く



依頼者 妻 佐伯真知子(50)中学教諭
対象者 夫 佐伯一郎 (53)中学教頭 共に仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。

調査目的
夫の行動調査

相談概要
夫の携帯に1年前から頻繁に電話が入りだした。「携帯命」で肌身離さない。押入れに入ってヒソヒソ話していることもある。ある日、夫の携帯を盗み見たら、学校の事務職員早坂桜(40・未婚)と肉体関係をしているメールが入っていたので、翌朝、夫を問い詰めた。「なんで僕の携帯を見るのだ!これは空想の世界で彼女と楽しんでいるだけ。こんなメールを本気にする馬鹿いるか!」と怒鳴られた。「納得いかない」と食い下がると、すごい形相で殴られた。
夫は何時でも言い訳が出来なくなると、大声を上げて物を投げつけたりして暴力で対話を封じ込めてきた。
この一年来主人の生活ぶりが特に無軌道になった。帰宅は毎日深夜になる。車に毛布が積んである。週末家にいる時は朝から酒を飲んでいる。何か思い詰めているような様子もあるが下手に聞くとめちゃくちゃに暴言を浴びせられるので、怖くて声もかけられない。歳を重ねるごとに人間性が崩れ、一年前からとくに悪くなった。酒に酔うと言うことが支離滅裂になる。
このような人とこれから先も添い遂げる気持ちは失せている。大学の子どもたちは何とかなるので、夫の実態を調べた結果次第では夫と別れて一人で暮らしたい。
ちなみに、夫は中学校の教頭で校長職を希望しており、来春校長職選考試験を受けるためその準備・勉強をしなければならない立場なのです。

調査結果
調査対象者(夫)と(女)の深夜レストランでの食事。深夜、野球場・サッカー場駐車場でのデート場面の撮影すみ 。
教頭と事務職員のメールこれは、夫が妻に見つかったとき「仮想の世界で彼女と交換している」と言い訳したもで、依頼者がコピーを提供してくれたものです。

11/27 21:10 早坂桜(40歳) ~佐伯一郎(53歳
そんな面倒なことしたくない。もう少しマジな方法考えられないの?バカみたい。みんなの前で堂々と渡してやる。別に私とのこと、バレたって構わないでしょ?あなたにとって「好きで好きでたまらない桜ちゃん」なんだから、みんなに知ってもらえたほうが嬉しいんじゃなあい。そんなに私のことが大切ならばコソコソ隠されつづけなければならないの?日陰の人生はもうまっぴら。
12/01 23:55 桜 ~一郎
最初の文字が「フェ」で始まる行為のことですが、もしそうだとしたら、あなたと今まで体を重ねた経験のある女性たちは皆、揃いもそろっておバカさんですね。だってあなたのアレは、とっても美味だから、あんなに美味しいモノが目の前にあるのに食さない(カルピスごっくん!)しないなんて、人生の半分損しているようなものです。ああ、なんてもったいないことでしょう。彼女らが哀れでなりません。それに比べれば私は幸せ者だわ。
12/04 23:10 桜 ~一郎
あまり会わないようにしましょう。電話もメールもおたがいに最小限に控えましょう。この宣言は本気です。今までのような甘い気持ちで言っているのではありません。あなた自身も校長になりたくて、家庭を捨てる気もないのであれば、この私の提案にのる以外方法がないことはよくわかっているはずです。いいかげん子供じみた真似は止めて現実を直視してください。
12/04 23:40 桜 ~一郎 
「少しだけ」とか「たまに」とかそういう問題ではないの。私はこれを機会にあなたとの関係そのものを見つめ直したい。なんだか、私最近あなたのことを本当に好きなのかどうか解らなくなってしまいます。「好きだよ」とあなたに囁かれ「私も」と答える自分にいつも疑問を感じてしまうのです。もう一人の私が「本当にあなたは心から『彼のこと好き』と言えるの」とまるで自分を試すかのように頭の中で呟くのです。
12/06 02:15 桜 ~一郎
また、洪水になってしまうようなこと言わないでください。ようやく火照りが落ち着いたのに。今日たくさん気持ちよくしていただいて、ほんとうにありがとう。やはり私はあなたが好き。
12/11 03:50 一郎 ~桜
二度と飲酒運転をさせないと思っていたのに。私の愛し方が足りないのです。もっともっと桜を優しくします。
12/11 04:00 桜 ~一郎
私が勝手にやったことです。あなたに落ち度は何一つありません。昇格の「試験、試験」とそのことばかり口うるさく言ってしまいがちな私ですが、あなたが合格するか否かは、私たちにとって今一番大切な問題なのです。今年限りで定年退職する校長は市内で8人だそうです。チャンスです。あなた自身も不合格になった自分をみたくはないでしょう。
12/13 0:50 一郎 ~桜
今日はありがとう。カレンダーものすごく大切にするよ。うれしかった。今日反省しましたことは、なぜ私は早坂さんを「桜」と呼び捨てにしていたかということです。いつも自分が愛したいときに会い、抱きたいときに抱き、我が儘すぎたようです。早坂さんをあたかも自分の「女」と勝手に思いすぎていました。これからはもっと大切にします。早坂さんが大好きです。今朝、だいぶ怒っていましたが。
12/13 17:50 桜 ~一郎
大丈夫、気にしないで!誰が何と呼ぼうと、私は私。誰のものでもありません。だから気にせず今まで通り「桜」と呼んで。今日あなたが遅くなるようなら素直に先に帰った方がよいですか?部屋であなたのことを思っているだけで満ちたります。
12/14 0:50 桜 ~一郎
あんまり夜更かしせずに、早く体を休ませてくださいね。毎朝目が真っ赤で可哀そうだょ。疲れているんだね。もっと自分をいたわってあげてください。できるならあなたの脇にいてやりたいおやすみ。
12/14 01:50 一郎 ~桜
昨日はもっと強く桜を抱きしめたかった。メールありがとう。おやすみなさい。Chu!勃起。
12/15 0:50 桜 ~一郎
悲しい結末。今日思い知らされたのだけど、ややはりあなたは奥様のことが大好きなのね。ずっとずっと大切で愛していて、でも自分の思い通りにさせてくれなくて、欲求不満がたまってそれで私にはけ口を求めているのね。あなたはただ、身も心も自分の思い通りになる女が欲しかっただけ。本当はあなたが何よりも欲しいのは「夫の言いなりになる真知子」なんだわ。以前からあなたの言動で薄々感じてはいたけれど今日の一言で決定的によくわかりました。可哀そうなあなた。可哀そうな私。 12/15 07:15 一郎 ~桜 君が考えているようなことは妻にはまったく望んでいません。寒いから暖かくしてね!
12/15 23:40 一郎 ~桜
Chu 桜、今日の君との夕食美味しかったよ!デザートは桜のマ〇コで充実しました。次回はもっと大胆なこと要求してください頑張ります。私に元気と勇気づける桜に、早く休んでね。私も夢・夢です。
12/30 21:50 一郎 ~桜
毎日苦しい。早坂さんが大好きです。愛したい。愛したい。 22:10 桜 ~一郎 本当に私のことが大好きで会えなくて苦しいと思うのであれば、どうして今日だってほんの少しでよいから顔を見ようとしないの。あなたはいつも綺麗ごとばっかり。ただの嘘つきだわ。 22:20 一郎 ~桜 悲しいまでに愛したい。早坂さんが大好きです。 23:10 桜 ~一郎 嘘ばっかり。そっちがダメならこっちですか。でもね、あなたがいくら私に「好きだ」「愛している」等と言おうと、あなたが今私の横ではなく、そのお家にいるということ自体が偽りを言っているという何よりの証拠ではないですかか。どうぞ末永くご家族を大切に。
12/31 23:10 桜 ~一郎
昨年の今日と何も変わらない。一年前のクリスマスイブ、あなたが誘ってくれることを期待して、私はいつもよりドレスアップして出勤したものでした。みんなに「今日はパーティ?」等とからかわれましたが、あの日の私はあなたのためにだけお洒落して行ったのです。でもあなたは私からチキンを受け取り、いそいそとお家に帰っていきました。年末年始も私はあなたからの連絡を待ち続けました。でもあなたと顔を合わせたのは年が明けて6日もたってからでした。今年もあなたとは何の約束もしていません。去年から何一つ変わっていない私たち。
1/1 0:30 一郎 ~桜
あらためまして、おめでとうございます。02:50 愛したい 抱きたい 誰よりも誰よりも君に会いたいです。 1/2 01:50 一郎 ~桜 逃げない自分! 今年の目標!それは、逃げない自分を今年一年間で作り上げることです。 13:20 桜 ~一郎 何それ? 誰があんたなんかと4日に会うなんて言ったのよ?私、あんたなんかと会う予定は全然ないよ。4日からは東京の高級ホテルにお・と・ま・りだも~ん♪
あんたなんて何の関係もない! 13:50 ああ、よかったよ。あんたと違ってちゃんと「使いモノ」になる、男としてまだまだ現役のヒトとの蜜月を愉しんできますわぁ~☆ 15:35 ああ、よかったよ。さようなら。ごめんねあんたと違って、ちゃんと「使いモノ」・・・ 19:20 今なら大丈夫なので、早急に電話下さい。
1/3 一郎 ~桜
再び君に! 早坂さん!君が大好きです。大好きです。しかし、今は私の行動一つ一つが君に結び付いて妻に疑われています。今はただ我慢します。行動は伴わないですが、いつも早坂さんが大好きです。

探偵の眼
二人の関係を告発する投書が教育委員会に届いた。教頭は校長昇格選考試験の面接で不合格。女は他校に転職した。不似合いな二人の関係は終息し、夫婦関係は妻の忍耐と寛容で修復に向かった。

読み手が赤面する内容のメールです。女に経験の少ない男が火遊びをすると大やけどする警告の意味で依頼者の承諾を頂いて掲載しました。これは1997年の記録です。
この事務員は本気で正妻の座を狙った感じがします。教頭はつまみ食いのつもりで女に手を出したと思われますが、今までに経験したこともない女の従順さと性技「フェラ」に感激してあっという間に虜になりました。不器用で女に免疫のない男がひくに引けない状況を自らつくってしまいました。結末は、妻と女を苦しめただけの、身勝手でだらしない教頭の責任が問われます。不倫は男女ともに欲望に負けただけでは済まされない清算が待ち構えるのです。今回は中年男の完敗です。

しかし奥さまに、メールを覗き見されたため、家庭崩壊と免職は免れた事件でした。

後日談
依頼者談。「夫と事務職員の不倫がはっきりした時点で離婚の選択でしたが、離婚すると夫と女の思うつぼになるので、そうさせないために夫の定年退職まで仮面夫婦でいることにしました。退職金の半分をしっかりいただきます」とのことでした。女性の思慮は深淵です。夫たちの及ぶところではないです。

後日談 2
教頭と事務員の不倫、「哀れ中年男と性悪女」の表題の投稿を読んだ私の知人の女性から、「女は性悪ではありません。教頭の方がズルいです!」の抗議を受けました。私は、依頼者の妻の立場になって記事を書いたのですが、読者としての立場からすれば、「教頭がズルくて、女心を弄んだ」との意見は理解できるので「探偵の眼」の意見を修正しました。

画像はイメージ



この記事は、2017.1.27 12:00 産経ニュース としてネットで配信された記事です。作者は後記
近年、高齢者や熟年妻の夫殺し、夫の妻殺しが急増しています。探偵が依頼を受けた、当時30才後半から40才代の夫婦から依頼を受けた配偶者の浮気調査の当事者は、あれから25~35年を経過して現在どうしているのか?とっても気にかかる世相になりました。

「夫に死んでほしい妻たち」などの単行本が出版される時代になりました。あの頃も、夫を交通事故死に見せかけた暗殺を密かに探偵に仄めかす妻たちもいたのです。

楽しみは 春の花見に 秋の月 夫婦仲良く 三度食う飯  この句のように悠々自適に暮らす老夫婦は少なくなったようです。探偵事務所に70歳代の夫の浮気調査を依頼してくる老妻もいるのです。

オトナの外来の作者は、配偶者殺害を回避する有力な解決法は家庭内別居だと提言しています。以下、1.2に分けて全文を投稿します。

【オトナの外来】夫の定年後に増幅する妻の「殺意」、妻に依存し「幸せ」だと語る夫の陰で・・・
有力な解決法は「家庭内別居」?


最近、患者さんから「妻の殺気が強く怖い」「寝ている間に殺されるのではないかと日々怯えている」という相談がある。一方、定年後の夫との暮らす妻は「ぽっくりいってくれないかな?」などの夫の早死にを望む声を聞く。

そんな恐ろしいレポートをまとめて昨年に話題になったのが「夫に死んでほしい妻たち」(小林美希著 朝日新書)である。この本は、家事や育児における”妻の理想”と”夫の貢献認識”の差を指摘。怒りをためこんだ妻が抱く最後の希望は夫の死という衝撃のルポルタージュだ。

少し話は変わるが、数年前には後妻に入っては次々と夫を殺害し、そのたびに多額の保険金を受け取るという世の熟年男性を震撼させる事件が起こった。奇妙なことに、殺された人の中には死亡の直前に「今は幸せだ」と語っている。正に被害者は幸せの真っ只中で命を奪われたようだ。

講演会では、「自分のお茶や食事を自身で用意しないと妻に殺される恐れがありますよ!」と自炊を進めていたのだが、今や同居すら危ない例が増えてきた。

女性は滅多なことでは凶行に及ばないというのが私の持論であったが、その確信も揺らぐ事件が最近立て続けに起こっている。昨年の末には61歳の妻が72歳の夫を刺殺した事件があったばかりだ。

厚生労働省 「離婚に関する統計」の概況によると熟年期の離婚は40年前の約5%に比べて現在は約17%まで増えている。約6組に1組が離婚している勘定だ。

我が家は大丈夫と思うのは甘い。離婚まで至ったのが2割なら、その2~3倍の予備軍があるだろう。私の経験では、仲の良い夫婦は2~3割しかいないように思える。

夫の定年後に増幅する妻の「殺意」2 に続く

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