水戸興信所 探偵よろず日記

依頼妻 妻 大内友恵 (67)無職
対象者 夫 大内和夫 (70)工務店 自営
調査目的 夫の行動調査 離婚訴訟の準備

相談概要(調査終了後、訴状作成のための聞き取り)

離婚裁判を起こすのは私ですが、このような気持ちに追い込んだのは夫と愛人です。
過去2回離婚調停をしたが夫の不同意で不成立になった。夫の女性関係と精神的虐待で悩み続けてきた。休むこともなく働き通し汗と涙の人生だったので、「何をいまさら離婚なんて」と離婚は諦めて、若いときからの女狂いも、老いぼれになれば家庭に戻ってくると望みをかけていたが、夫と愛人が新築の家で暮らしていることを知り夫を待つ意味がなくなった。

商いの始まり・蓄え
借金を元手にして食料品店を始めた。朝から夜遅くまで一年中身を粉にして働きずくめ。夫は、独立して工務店を開業した。
高度成長期の波に乗り、工務店と食料品店は繁盛してた蓄えができた。夫は蓄財に優れた能力があり、3階建ての自宅の他に5か所の土地と3棟の貸アパートを所有している。

夫婦の順調な事業とは逆の私生活
夫の女狂いと、暴力、暴言に泣かされ続けた人生です。ある時期、朝帰りが続くので調べるとアパートに女を囲っていた。40代、50代のときも4回愛人を囲ったことがある。止まらない暴力と女性問題に堪忍袋の緒が切れて、何度となく家出して離婚の準備をした。そのたびに夫は飛んできてへたへたと崩れ落ち、男泣きして詫びる姿を見てつい心を許し「こんどこそ反省したか」と期待するのも束の間で、約束事は全く無視して暴力と罵詈雑言の繰り返しです。

陰湿ないじめ
※とても執念深く、10年、20年、30年前の私が忘れているような些細な諍いをもちだして何時間も責め立てる。
※私の家族と交流しないように監視され続けた。古い家に住んでいた当時、独身者用に間貸しする個室の一室に監禁されたこともあり、夜中にガラス戸を破って逃げた。 ※私の持参した家具類はずたずたに傷付けられた。箪笥の中の衣類をグシャグシャにかき回したり、室内一杯に衣類を放り出しておく。 ※布団に釘を差し込んでおく ※軽自動車のタイヤの空気を抜かれ仕事に行けないため夫の車を使ったら罰金1万円とられた。 ※覚えがないのにドアの鍵を壊したと1万円。古くなった布団を打ち直しに出したら、「いまどき布団をつくるバカが何処にいる。買った方が安い。お前は銭くい虫だ。どこにそんなお金がある。勝手に作りやがって」と烈火の怒り。布団の打ち直し代はもらえなかった。

いじめはさらに続く
テレビ、冷蔵庫、扇風機など後ろ側の配線を切断して使えないようにしたり、リモコンを隠しておく。 ※電話の室内線を引き抜いておく。 ※ガスの点火用電池を抜き取っておく。 ※洗濯機の中に作業着と洗剤を入れたままにして私が使えないようにしておく。 ※愛人と暮らすための家具類の家具店の見積書をわざと台所の床に捨て置く。 ※台所の器具類に傷をつけたり、毎日のようにヤカン、鍋を空炊きして変形させ使用不能にする。 ※蒸し焼き器の中の蒸し板を抜き取って捨ててしまう。 ※コタツの電気コードの見えない部分をカミソリで切断しておく。 ※洗濯機のホースをカミソリでスパスパ切り、無数に穴をあけて漏水させる。

いじめ その3 
梅漬けに塩を数倍入れて塩辛くて食べられなくされた。 ※婦人会の旅行に行く前日、旅行カバンを隠された。 ※洋服がなくなる。 ※洋服のボタンが取れていた。袖口がほずれている。スカートの裾の糸が抜かれている。ネッカチーフの四隅がほずれていた。靴下がカミソリで切られている。 ※冬、電気毛布がなくなった。家電品の差し込みコードを隠す。 ※電気ブレーカーを切り、室内すべてを暗闇にして、私がドアを開けて暗い浴室に入る位置にヌルヌルした浴槽のふたを置いて滑って転倒するような仕掛けをする。

嫌がらせといじめに抗議すると
「オヤジに向かってその態度は何だ!」と激高し、そんなときは生活費をくれないので強く抗議すると殴られるのが常なので諦めた。
このような精神的な揺さぶりにノイローゼになって精神科に通院したこともある。これほどひどい仕打ちを受けてもなお離婚を止まったのは、二人の子供の存在と
、私自身食料品店はすでにやめていて、生活力も財産もないので我慢するしかなかった。

「誰のおかげで生活しているのだ!文句があるならいつでも出ていけ。」と暴言を吐かれても、「私が我慢すれば子どもは守れる」と言い聞かせて耐えてきた。夫は子供を抱いたこともなく、育児を手伝うことはなかった。子どもも虐待されて育った。小学から中学まで町の剣道場に通う子供に、気に入らないことがあると竹刀で殴りつけ、反抗的な態度だといって怒り、真冬に戸外に立たせ続けることが度々ある。

成長した子どもは、「親父をぶっ殺してやる」と口癖に言うようになった。父とは会話もなく憎悪しているのがわかる。わたしは、子どもたちのために自分を犠牲にしてきたつもりだが、成長しても父親と反目している子を見ると今までの人生を後悔ばかりする。もっと早く元気なうちに離婚すればよかった。

そして、いま
※愛人からもらったおかず、餅、赤飯などを冷蔵庫に保管して、私の前で小出しに食べる。 ※差し入れの弁当をこれ見よがしに食べる。  ※愛人に「モーニングコール」を入れさせる。 ※愛人にたびたび深夜に電話を入れさせるので抗議すると、受話器を置いて殴りつけ、「ババアが余計なことを言うから殴ってやった。」とバカにしたように笑いながら、「役立たずのババアが焼もち焼いて傍で聞いているわ・・」とか、耳をふさぎたくなるような会話に息子もたまりかね、「親父いい加減にやめなよ!」というと、「俺に指図するのか」と喧嘩腰で怒鳴るので夫の横暴を誰も止めようがなかった。

いま述べてきたように、夫の暴力と暴言に耐え、子どもを犠牲にして、あかぎれと寒風に耐え身をすり減らして夫の蓄財に貢献してきました。夫はこれを処分して愛人との新居をつくりました。夫は、土地の一部を処分したお金、工務店の収入、貸マンションの家賃収入、地代の収入など一切の所得を握っており豊富な資金で愛人と余生を送ろうとしています。今日まで夫婦共同で蓄財してきたものですから、私も相応の財産分与を求めます。

調査結果
対象者は30㌔離れた隣の市に新築した家に暮らしていた。二人は油断しきって、スーパー銭湯、買い物、パチンコなど夫婦気取りで行動している。一連の行動を撮影した。依頼者は弁護士に報告書を提出しました。夫の不貞による裁判離婚の判決が出て、夫人は財産形成の寄与分が認められて相当額の財産分与と慰謝料を得ることができました。


探偵の眼
依頼者はDVとモラルハラスメント(精神的虐待)を受けつづけて深い心の傷を負っていましたが、結婚してからの歴史を事細かに覚えていて、静かな声で淡々と話し続けました。「毎日次から次に繰り返すので、受けたいじめといたずらは数えきれません・・・」と、ため息をついて茶道の作法でお茶を飲みほした端正な姿が印象的でした。
子どものために自分の生涯を犠牲にする・・。母親の深い慈悲を感じました。

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