水戸興信所 探偵よろず日記

依頼者 妻 磯野亜紀(37)図書館勤務
対象者 夫 磯野和人(40)情報処理会社勤務 IT技術者 共に仮名
※これは依頼者から提供された資料の掲載の同意を受けたものです。

調査目的・相談概要
夫の浮気調査だったが、聞き取りの結果、夫が女遊びなどをしている様子はない。妻は夫との離婚の意志が固いため離婚調停から離婚裁判を想定して、弁護士さんに状況を説明するため「生活記」としてまとめた。

「無気力症候群の人たちは、アルコール依存症の父親に育てられたという共通項があります。父親から絶えず言葉や暴力で攻撃され続けてきたという過去をその人たちは持っている。子どもたちにとって親というのは唯一実感できる大人です。どんなに『親のようになりたくない』と思っても、子どもは無意識のうちに親の言動をまねているものです。子どもの人格は親が決めるといっても過言ではないでしょう。ところがアル中の父親からは、自分をどのように育てたいかということを含めて何もメッセージが伝わってきません。理不尽なことばかり要求されたり、暴力を振るわれたり。しかもその状況から逃れることも許されない。そうした子どもは感情の安定性や理性的な判断を親からもらえずに成長するため、ある子どもは抜け殻のようになり、ある子どもは暴力などの逸脱行為にふけるようになります。どちらにせよ子どもが子どもらしく育つことを否定された結果です。こうした機能不全家族で成人した人をアダルト・チルドレンといいます。」
扶桑社文庫・あなたの心が壊れるとき/精神科医・高橋竜太郎著 から抜粋

生活記
新婚当時より漫然とした不安を感じる
新婚旅行は磯野家の親族と7人でイギリスに行った。夫の親戚のつながりは強い。12日間ずつと親戚と一緒で、最後の夜だけは私の要望で別行動をとった。旅行中の夫婦生活はなし。英語を解さない私に通訳するとかサポートすることもしない。旅行から帰ってからの性生活はつねに3分で終わる。その間会話も何もなく、ほとんど無言の状態で行為が終わり、もっとどうにかしてほしい旨を伝えるがまったく取り合ってもらえない。

義父の酒癖・夫の酒癖
勤務を終えて帰宅すると、同居の義父は一升瓶を庭に転がし、茶の間のポットは横倒しになり皿やコップが居間に散乱しているということが度々で、庭先や家の中でわけの分からない罵声を発しわめき散らしている。義父は雨が降ると仕事が休みで、必ず昼間から仲間と酒飲みになる。夕方には決まって喧嘩が始まるので、私は雨の日の帰宅がゆううつで帰れず、何度も途中のレストランの駐車場で時間をおくったことがある。

結婚当初からこんな有様なので、将来に希望が持てず数度実家に帰ったが、その都度、なんだかんだといっては連れ戻された。
このような生活が続いて何年か経ったある日、義父はいつものように泥酔状態で、私はビクビクしながら夕食の準備や子供の世話をしていると、何やら言いながら近寄ってきたかと思うと突然抱きつかれた。呆然となり子供二人を抱きかかえて逃げ回った。執拗に追いかけられ、二階に上がってきたが必死で義父の手を振り払って大声を上げて難を逃れた。

夫に泣きながら別居してと訴えても、「長男(4歳)が守ってくれる」と一言だけで終わり。早目に帰宅して様子を見るとか、雨の日だけでも定時で帰ってくるとか、誰かに相談するとか、何かはできたはずなのに何一つ行動してくれなかった。

夫自身の酒癖も悪く、まず飲酒運転は平気。缶ビール片手に運転して帰宅する。結婚前に自爆事故で大怪我をして入院したことがあり、「屋根から落ちて骨折した」と会社に申告して解雇を免れた。結婚してからは三度、いずれも自爆で車を大破している。
無気力人間なのに飲むと豹変し、年上だろうと大先輩だろうとかまわず、「あんたは仕事ができない」だの、「あんたの息子を俺が面倒見ている」などと大きなことを言ったり、絡んだりしてひんしゅくを買う。飲みすぎて家の内外ところかまわず吐きまくるのも常である。車の中はもとより、ベランダ、茶の間の障子、トイレ、通路などどこでも平気。他人の家の庭先に勝手に車を駐車して警察から呼び出されたこともあり、その家にお詫びに行くように言っても馬の耳に念仏である。この頃は、酒量が一段と増えロレツが回らなくなり、何を言っているのかわからないときが時々ある。飲みすぎて翌日遅刻や年休を取ることも多い。

育児
自分から進んで子供に接触しようという意志はまったくない。出産後、私がどんなに疲れていても手を貸してくれようとせず、子どもの入浴、風呂洗い、洗濯、食事などの家事は疲労のためふらふらしながら私がやった。子どもが脇で泣いていようと、危ないものに近づこうと無関心。休日はフラリと出かけてしまい、子どもの顔さえ見ようとしない。思い余って私の父親にそれとなく言ってもらうと「僕は気を使うと疲れるのでそういうことはしたくない」との答えだ。
ミルクや必要品の買い物を頼むと、出かけては行くもののいつまでたっても帰ってこず、困り果てたことが何度もあった(注・携帯電話が無い時代です)。成長した二人の子供たちが話しかけても、一度や二度では気が付かない。いつもぼーっとしてテレビを見ている。

野球少年団に入っている小学生の子供の練習に付き添いを頼むと、「この寒いのに僕はグランドになんか立っていられない」とあっさり断られた。父親として、子を養育するという意識など一つも感じられない。

夫の勤務する街に私の実家があり、残業や飲み会で帰りが遅くなると私の実家に泊まることがある。父が一人住まいしている家に、主人は夜遅くヅカヅカと入り、ところかまわず電気をつけ、ガスストーブも点けてそのまま寝入ってしまうらしく、父が夜中に起きてその後始末に追われたようである。火災になりかねないのでその旨注意するが一向に直らないため、出入りを禁止された。夫は「常識」ということが欠落しているのだ。2に続く

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