水戸興信所 探偵よろず日記

依頼者 夫 加藤秀樹(43)証券会社 A支店勤務

対象者 妻 加藤春子(39)証券会社 B支店勤務  夫婦とも仮名
これは事件簿を参考にしたフィクションです。

調査目的
妻の行動調査

相談概要
 証券会社勤務の妻は、定期監査とか残業、社員の歓送迎会などの理由で毎日帰宅が目立って遅くなった。私と出勤・退勤時の車の同乗も拒むようになった。日曜日も何も言わないで出かけるようになり、言い争いが絶えなく、夜の夫婦関係もなくなった。近所の婦人が私の母親に、「春子さん顔つきも服装も変わったね」と心配そうに言う。

 何かおかしいと思い、何が原因なのか話し合うと、「あなたとは合わないものがある、と感じるようになった」といわれた。ある日、電話連絡もなく夜中に帰宅したので問いただしたところ、「子どもをおいて家を出ていく」と言いだした。

 妻との会話はほとんどなくなり、帰宅は一層遅くなった。友達と食事やお茶をしていたといってタクシーで深夜に帰宅する。何か変だ、との疑惑が一層増すばかりだが、それは漫然としていて自分でもはっきりしない。付き合っている男でもいるのか、と思っても確信は持てなかった。漫然とした疑問が確信へと変わったのが、妻の自動車事故だった。「夜中に、居眠りして電柱に激突し、後ろから走ってきた知らない人に病院へ運んでもらった。」と、後日妻の説明だ。事故現場が自宅近くなのに、30㌔も離れた病院に入ったことに疑問を感じた。入院時の状況をこっそり看護婦さんに尋ねると、「会社の同僚の高橋と言う男性が付き添ってきた。」と教えてくれた。
 数日後、妻を見舞ったところ、個室のドアを閉め、ベットをカーテンで仕切った中で証券会社のバッチを付けた男とヒソヒソ話をしていた。常識的に考えても、入院女性に対する見舞客の態度ではなくこの時、相手はこの男だと直感した。

 今までわからなかった妻の態度の急変は、私や両親への不満が原因なのかと悩み続けたが、男の存在がそれだったので、ある意味納得できた。

 退院後のある日、浴室から出た私の姿を見てあわてて携帯の電源を切った。不審に思い、後日その番号を調べると、証券会社の独身寮に入っている「高橋」名義だった。事態は悪化するばかりで、ある夜中に妻から電話があり「今日は泊まる。」と一方的に切られた。

 妻の親も同席して話し合っても、「子どもを置いて出ていく」というばかりで、「絶対に家に戻らない」と繰り返す。子どもたちのためにやり直そうと言っても、「私には私の人生がある離婚することによって周りの人が不幸になっても仕方ない。」と、まるで別人のようだ。

 子ども二人に対する態度も一変し、子供も母の変化に気が付いていて、落ち着きがなくなりオドオドしている。もとは、近隣の交際や子供会でいつも中心にいて評判の良い妻だった。家庭第一だった妻が、男で脱線したことが信じ難い。

調査結果
 高橋は春子より8歳年下の31歳。退勤後、町の一角で待ち合わせて、高橋の車で隣町のレストラン、居酒屋などで飲食した後、ラブホテルに入るか、公園やグランドの暗がりに車を止めて長時間時を過ごした。間もなく、高橋は他県の支店へ転勤になる。春子は一旦実家に入ったが、高橋のアパートで同棲を始めた。

探偵の眼
 加藤秀樹さんの実家は、地元では名の知れた旧家です。その敷地内に秀樹さん夫婦は家を建てて暮らしていた。「家風や環境が重荷だったのかもしれません。私が仕事を理由に家事を怠り、育児、冠婚葬祭などの義理ごと、町内会の交際一切を妻に任せて甘えていた。」と秀樹さんの反省の弁。

 この離婚劇は平成元年におきました。その年は「バブル経済絶頂期」でした。その世相を考えれば当事者の迷走ぶりが分かると思います(バブル景気は昭和61年12月から平成3年2月までといわれる)。

 以下は、バブル景気の記事の抜粋です。
 金融機関の融資は不動産に向かった。投機熱が加速、絵画や骨とう品、特に株と土地への投機が盛んになった。なかでも「土地は必ず値上がりする」「土地の値段は決して下がらない」という土地神話に支えられ、富裕層でない一般人までが転売目的の売買を行い、地価は高騰した。

 昭和61年2月にNTTが上場し、株価は2カ月で売り出し価格の3倍に当たる318万円の高値を付け企業・個人が財テクに入り込んでいくきっかけとなった。特定金銭信託ファンドで法人の株式投資を活発化させ、個人投資家の株式投資を誘発した。

 バブル期に建設・不動産・ホテル業界は、リゾート地やゴルフ場を次々と開発した。昭和62年にリゾート法が制定され、ゴルフ場、スキー場開発が拡大した。それまで見向きもされなかった土地が相当な価格で取引され土地の上昇に拍車をかけた。ゴルフ場やリゾート施設の会員権価格は高騰した。

加藤秀樹さんと妻春子、高橋という男はバブル景気の中心をなす証券会社に勤務して天国と地獄をみたのです。バブル最盛期の兜町の証券マンは月収1千万円といわれていました。加藤夫婦と高橋はこのバブル景気の恩恵で、かなりの高給を得ていました。それが、妻の離婚決意を押したのかもしれません。
 しかし、諸行無常です。
 平成2年3月。大蔵省銀行局は金融機関に「土地関連融資に関する抑制について」という通達を出しました。いわゆる「総量規制」です。銀行の貸し渋り、貸し剥がしが始まり、融資を受けていた不動産、建設関連会社の倒産が相次ぎました。これにより、株価は一気に暴落し、企業も個人投資家も大きな損害を受けました。銀行や証券会社の倒産も相次ぎ、土地価格は下落。ゴルフ場倒産、ゴルフ会員権は紙くずになりました。

 バブルに踊った企業と個人は地獄を見たのです。

 その後の高橋と春子。二人の関係は三年と持たなかった。二人は結婚することもなく別れ、高橋は故郷に帰った。実家で暮らしている春子に当時の面影はなく、白髪も見られ悄然とした姿が痛々しいという風聞。
不倫という甘い蜜に溺れた結果、家庭、職場、人間関係などを失いました。主婦の不倫は、あなたのすべてを失うことになる事を肝に銘じいほしいです。自己責任とは言いえ、春子は大きな代償を払いました。

 

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