水戸興信所 探偵よろず日記



画像はイメージ



依頼人 大野真紀子(27)デパート勤務・独身 仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。

対象者 ストーカー男 (この男と妻の名は仮名・職業は夫婦とも学校教員)

調査目的
付きまとい男の身元を調べて対策を立てる

相談概要
 アパートで一人暮らしをしている。半年前から得体のしれない男に尾行されている。勤務先の担当売り場にも電話が入る。最近は姿を現さなくなったが、売り場の私をじっと見ていた背広姿の30歳代の男の仕業だと思う。顔は覚えていない。帰宅時間がまちまちなのに、部屋に帰ると電話が鳴るので監視されているみたいで気持ちが悪い。電話番号をどうして知っているのか気味が悪い。休日は昼夜を問わず無言電話がかかってくる。私の行動記録を書いたメモがドアにはさまっていたり、ケーキを入れた袋がドアのノブにぶら下がっていたり、数本のたばこの吸殻がドア前に捨ててあった。
警察に相談しても真剣に取り上げてくれなかった。

調査結果
依頼人がメモしておいた唯一の情報、男が乗っていた「車番」から所有者・使用者の住所氏名が判明した。
(依頼者は、探偵に依頼する数か月前の退勤時、走行中に後続の車が気になったのでコンビニ駐車場に入ったら後続車も入ってきたため念のため車のナンバーを控えておいた。その時はストーカーとは思っていなかったため運転者の顔の確認はしなかったという)。

住所氏名を元に戸籍謄本を入手して、家族構成、男の実家と妻の実家が分かった(男は妻帯者だった)。
尚、依頼者アパートの固定電話番号は毎月NTTから送付される「電話使用料請求書・領収書」を集合ポストからストーカーが持ち去って請求書に記載されている電話番号を調べたと思われる。

男の住んでいるアパートの大家さんの談
(不動産会社の管理ではなく、アパートに隣接している自宅に住んでいる老夫婦の貸家だったので、女探偵が「奥さんの古い友だちでお互いの近況の確認に訪問した」と告げると201号室の入居者記録を開示しながら教員としての夫婦の暮らしぶりを教えてくれた。
妻は第二子を出産後体調が悪くて現在は実家で暮らしているという。

夫・山形哲夫 昭和33年〇月〇日 生 職業・〇〇市立〇〇小学校教諭(現在休暇中)
妻・山形聡子 昭和35年〇月〇日 生 職業・〇〇市立× ×小学校教諭(現在休職中)
長女・一美 3歳(現在父・哲夫の実家に預けられている)
第二子 (生まれて数カ月の次女は聡子と実家にいる)

続・調査結果(聡子さんからの聞き取り)
聡子さんの実家を訪問して、探偵の身分を明かして単刀直入に山形の一連の行為を話した。「ストーカー行為の被害者は警察に被害届を出す予定でいる。そうすると山形は失職するかも知れません。事を荒立てて加害者と被害者の名前が公になるのは本意ではない。奥さんから、『身元が割れた』ことを言って哲夫さんの行為を止めてもらえないか。」と事情を話すと、聡子さんと母親は驚きながらも、「あの男ならそれくらいやるでしょう。」「わたしは結婚生活であの男の言動に翻弄されて精神が不安定になった。あいつが部屋にいるだけで吐き気がするようになり、『もうだめ』我慢の限界を超えたので離婚を決めた。体調がよくなったら弁護士に相談する予定でいた。あの男を恨んでいるから、逮捕されて懲戒解雇されてもかまわない。むしろその方がよい」と、夫の悪口を、せきを切ったように言いだした。母子の山形に対する憎悪は相当なものだ。

「山形は外面と内面が極端に違う。」「猜疑心や嫉妬心が異常なほど強く、私の行動を常に監視している。独身時代の思い出話をしただけですぐに不機嫌になる」、「傲慢。暴言。自己中心。いつも命令的で私を見下す。反論には異常なほど興奮して怒る」「意味もなく突然不機嫌になり、用意した食事も口にしない。押し黙っているときもあれば、多弁になり一方的に持論を展開するので会話が成り立たない」。

「教職員研修会で知り合い、1年間交際して結婚したがその時に人間性を見抜けなかったことが悔しい。長女が生まれてから夫の異常な性格が露骨になった。離婚するかどうか決心がつかないうちに第二子を産んだ。無力感に支配されて何もかも億劫になった。自分の精神状態が危ないと感じるようになり、母親に迎えに来てもらった」。

山形のもう一つの顔を暴く
私は山形の行動の報告と聡子さんの意向を聞いて、実家を辞した。

二日後、聡子さん親子から「御願いがあります」との電話で再訪問。
奥さん曰く、「山形は長女と実家で暮らして勤務を続けているはずですなのに、昼夜にわたってストーカー行為をする時間があるのか気になって学校に問合せたところ、学校から『長女と次女のための育児休暇を取つて休職中である』との回答だった」という。

聡子さん親子の相談の要旨は、山形との離婚は裁判になったとき「性格の不一致」や「ストーカー行為」を離婚原因として争った場合少し弱いと思う。不貞行為など挙げて一発でケリを付けたい。子どもの育児休暇を取って休職しているぐらいだから、ストーカー行為の他に遊びまわっている気がする。あの男の行動調査をしてほしい、との依頼。

調査結果
山形は週に2~3日、県南のある市に出かけてテレホンクラブに入りテレクラで女漁りを繰り返していた(筆者・注 当時は男女の出会いの場はテレホンクラブが主流でした)。聡子さん親子の狙いはドンピシャリで、地元を離れて女遊びする山形はまったくの無警戒なので車に女を乗せてラブホテルの駐車場に出入する場面を6日(6人)分撮れた。

その後
「調停・離婚裁判で争うと慰謝料と養育費の相場が決まっているので高い金額は取れない。支払い能力のある山形親子の場合は離婚協議したほうがよいと思います」と私の意見を取り入れて、聡子さん母子は山形を交えた両親と離婚交渉をすることにした。

夫婦生活の実態。大野真紀子さんへの行為。育児名目で休職して女遊び三昧の日々の顛末を両親に訴えた。
山形親子は最初横柄な態度だったが、話が大野さんへの付きまとい行為とテレフォンクラブの実態説明に入ると、親子とも反論をするどころか居住まいを正して神妙な態度で聞き入り、事実を表に出さないように懇願する言動になった。(事態は探偵の筋書き通りに展開していった)。

「ストーカーされた大野真紀子さんは警察へ被害届を出さない。わたしは、あなたのすべての行為を学校に連絡しない。そうすればあなたは懲戒免職されずに教職を続けられるでしょう」、母子は山形親子に恩を売って交渉した結果、高額な慰謝料と養育費を取り決めて協議離婚を成立させました。

満足のいく回答の中から、事件の発端になった大野真紀子さんへ充分な慰謝料を支払った。

最近(2016.05.23)のストーカー事件報道。アイドル活動をしていた冨田真由(20)さんに執拗に付きまとった挙句、自分を受け入れてくれないとして冨田さんをナイフで襲撃して意識不明の重傷を負わせた岩崎友宏(27)のいたましい事件報道をみて、ストーカー先生を思いだして投稿しました。

現代の世相
警察官、弁護士、大学教授、僧侶、高校・中学・小学校教諭、上級公務員、国家公務員、地方公務員、議員etc.のストーカー行為の事件報道。一般人を含めてあげたら枚挙に暇がありません。男は誰もがストーカーになり得るのかもしれません(そして誰もがストーカー行為の被害者になり得る時代になってしまったようです)。
平成12年にストーカー規制法が制定されても尚、「犯罪白書」の統計はストーカー犯罪は激増するばかりです。世の中病んでしまっている・・・、これは世相を裏から見ている探偵事務所の実感です。

ストーカーに一人で対応しては絶対にダメです。
探偵に電話相談が入るときは女性一人で対応してきたために相当こじれてしまっていることが多いです(そして女性にも落ち度があることが多々あります)。例えば、ある人妻が生活苦のあまりハローワークで顔見知りになった男からお金を借りたことがきっかけで、その男とたった一度のデートが恐怖の始まりになりました。男からお金を借りた弱みで、ベットの中の撮影を許してしまい、それが更に弱みになって体を求められ続けている、という事例の相談が多少あるのです。

ストーカー対策法でも完全に防止できない場合があります(電波系、妄想・幻覚・クスリ依存・人格障害など頭がイカレタ人には無力です)が、一般的な社会生活を送れる感覚の人間ならばかなり効果があります。とにかく法律に頼るだけではなく、深みに入る前に本人、友人、家族、警察一体となって対応していくネットワークを素早く作ることがとっても大事だと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright © 2015. 離婚、浮気調査の水戸興信所 All Rights Reserved.