人生の岐路に立った主婦たち
依頼人 夫 木村武治(39) サラリーマン
対象者 妻 夏江(38) 専業主婦
小学5年と3年の子供あり
調査目的 土曜、日曜に外出して夜半に帰宅する妻の行動調査
相談概要 妻は、土曜、日曜日に必ず徒歩で外出する。夕方6時ころ家を出て午前3時ころ帰宅する。「飲んでくる」と言って外出するので、朝帰りの妻に「どこで何をしていたの?」と聞くと、「近所のスナックでカラオケしていた」と答えるだけなので強く追及すると、「証拠を出せ!そんなに疑われたらやりきれない!別れましょ」と大騒ぎをする。数年、セックスレスが続いている。「体調が悪い」といつもごろごろしている。食事の支度もしたことがなく、子どもはコンビニ弁当で自分もコンビニでおにぎりやラーメンなどで満たしている。家庭内で会話もなく、何を考えているのかわからない。家の中に木枯らしが吹いている感じ。妻に男がいるのではないかと思う。証拠を取ってこの疑惑に決着をつけたい。
調査結果 依頼人宅に設置した電波発信機により、対象者が携帯電話で外部と会話している音声を探偵が傍受した。「ごめんね。今日は9時にならないと出られないんだ・・お腹すいた・? いつもの〇〇駐車場でまってて・・」。依頼者宅アパートの近くのD会社社員大駐車場にエンジンをかけて男の運転手が乗っている一台の車が駐車していた。21:00定刻に対象者が徒歩で来て周りをキョロキョロしながらその車に滑り込んだ。~ 同所を出て10分もかからない海岸近くの古い一軒家があり、男と女は車を降りて家に入った。
02:00 男の車に送られて対象者が帰宅した。※調査期間中、男と会う時間帯、帰宅する時間帯に1~2時間の時差があったものの三日間は男の家でデートしていた。家の外観はとても古い粗末な家で男の両親と同居していると思われる。男はD会社の社員ではない。
ラブホテル通い 調査期間中の日曜日3日、土曜日1日、について18:00時台に前記駐車場で合流して途中食事やコーヒー店で飲食しながら隣の市のラブホテルに入った。ホテルから深夜3時台に出て帰路に就く。
中絶手術か? ある月曜日。14:00隣の市の石内産婦人科医院に入った。17:00 同医院から対象者と男が出てきた。滞在時間と二人の挙動から対象者は中絶手術をしたと思われる。
処方箋 二人の子供を交えて家族の話し合いをした。子供たちは、「雪の日、車が溝に落ちたときお母さんが携帯で呼び出して、助けに来た男の人と交際していたのは、ずっとわかっていた。ダブル『あなたの子を妊娠した』、とその男の人と電話で話していることも聞いた。お父さんが可哀そうで本当のことは言えなかった」と泣きながら話した。妻は、「責任を取って家族と別れる」と言い、数時間話し合って夫が出した結論は、「いま夫婦が離婚しても得するのは誰もいない。自分だけ我慢すれば(水に流せば)誰も助かる。お母さんもあの男と縁を切れ」。妻は男との関係を清算し、家族は転居した。
探偵の眼 意気地な夫、と批判する人もいると思いますが、この夫の選択は正しかったと思います。妻の性格、自分の性格をよく知った上での大人の判断なのでしょう。この男性のように家族で話し合うことは勇気がいることなのです。大半の男性は親、仲人さん、会社の上司などに相談したり、妻を一方的に非難し、「家を出ていけ」とか「裁判で決着をつける」などと怒りに任せて騒ぎ立てて事態を悪化させてしまいます。それにしても家族を持ちながら家事を全く放棄して、奔放に若い男とホテル通いする貞操観念ゼロのこの妻は特別の存在だと思います。この事例は、妻の不倫相手の都合で土日限定の密会でしたが、朝帰りを放任して妻の行動を増長させた夫にも責任があると思いました。妻たちの背信の多くは元をただせば、夫の過去の不貞とか、日常的な言動の中に精神的ないじめが続いているとか、夫側にその原因があることも多いです。妻との「隔たり」を感じたり妻の反抗的な態度を感じている夫は胸に手を当ててみるべきです。
依頼者 中西佐紀(妹・石川理恵の離婚騒動の真相)
対象者 石川智之(妹の夫) 共に仮名
離婚騒動の渦中にいる妹について相談の姉から聞き取り。妹の理恵(37歳・子供小学生2名あり)は不倫の証拠を突き付けられて、夫から離婚を請求されている。現在は夫婦ともにそれぞれの実家に帰って暮らしています。
妹夫婦は出来ちゃった婚で、仲が良い夫婦でした。子供が成長して小学生になり普通の家庭でした。夫の智之はここ二年位前から、車を買い替えたり家庭に入れるお金が極端に少なくなり、帰宅がいつも午前様になつたり外泊も多くなりました。妹の抗議する言動にいちいち小言や難癖をつけ、妹が言い訳や口答えをすると暴力をふるうことがたびある。この一年間はセックスレスです。妹は、子供たちのためにも夫婦の関係を修復しようと話し合いを求めても断られ続けでした。家族で買い物に出かけたとき夫の車の後部席足元にピアスが落ちていたのです。これを指摘すると「たまに女を載せることくらいあるだろう!」と殴られ鼓膜が破れました。そして「お前とはどうしても意見が合わず相性が悪い。少し夫婦関係を見直したいので実家に帰ってくれ」と追い出されたような別居になりました。この別居中に妹は不倫をしてしまい、そのことが夫にばれて離婚請求されています。不倫した経緯について妹の話を述べます。
理恵談・土曜日の退勤後、街をぶらぶらしていると見知らぬ男性に「お茶でもしませんか」と声をかけられて・・別居生活の寂しさに負けてしまいそれに応じた。一時間くらいファミレスで飲食した後、ドライブに誘われた。男は「少しお酒を飲みたい」と言ってラブホテルに入り関係を持った。一泊して翌日の昼前にホテルを出て昨日出合った近くの駅前で降りた。それから一週間ほどして夫から呼び出されて実家に行くと、夫と両親から「これはどういうことなの」と見せられた写真には、先日男とレストランで食事している場面と男と並んでホテルを出て駐車している車に乗り込む姿が写っていた。弁解の言葉もなく写真をじっと凝視したまま罵詈雑言を浴びた。夫が嘲笑しながら「これで離婚は決定だな。俺の方から離婚届け記入してお前に渡すからな」と一方的に宣言されました。
母親と姉から探偵に対する依頼・妹の夫の行動調査をしてください。妹夫婦が1年もセックスレスでいることが不自然なのです。妹から夫の生活態度を聞くと女がいるのではないかと思います。行動調査の結果女がいることが分かれば証拠を撮って、妹の不倫と夫の不倫で五分五分の立場にして話し合いに持ち込みたい。それと・・・妹の不倫劇はもしかすると夫側が仕組んだかもしれないと疑いを持っています。どのような経緯で夫がその写真を手に入れたのか。妹が見せられたファミレスとホテルから出てきて駐車場の車に乗るまでのツーショット写真は見事な角度から撮られていて、依頼された誰かが行き先と移動する時間帯を事前に打ち合わせていたのかもしれない、と妹と私たち家族は考えているのです。
夫の素行調査とツーショツト写真を撮影した者の調査開始
妹さんは、夫宅で不倫相手との写真を突き付けられたとき何の反論もできず目を凝らしてラブホテルの駐車場に止まっている男の車に乗り込む場面を見ながら写真の男の車のナンバーを確認した。あの日ホテルを出て駅に送ってもらって降車してから発進する車のナンバーをメモをしておいたという。姉の依頼を受け調査した結果、車の所有者氏名・住所が判明した。これにGPSを付けて行き先を調査したところ男の勤務先は妹の夫・石川智之と同じ会社の岩瀬一樹という男だった。
一方、上記と同時進行で石川智之本人の行動調査を行った結果、土日、退勤後毎日深夜まで女とデートしていた。女の車をファミレスやスーパーの駐車場に止めて置き、男の車に乗って公園や野球、サッカーなどグランドの片隅に駐車して明け方まで車中にいる。朝、後部ドァを持ち上げて空気を入れ替え下着のまま寝具の整理をする二人の姿を数日にわたって撮影できた。探偵は男とデートするため駐車しておく女の車のナンバーから智之とデートしている女の住所氏名を割り出した。女は車検証の住所地に帰らないため女の車にGPSを付けたところ女の実家に帰っていることが分かり、智之と理恵さん夫婦の破局より2年も前から親密な交際をしていたことを白状した。この女も夫と離婚協議中だった。
前記事実に基づいて、理恵さんは内容証明郵便で夫智之と岩瀬一樹宛てに損害賠償請求及び、偽計業務妨害による刑事告訴の準備を告げたところ岩瀬は理恵さん宛てに面談の連絡がきたので姉の佐紀さんと岩瀬と会った。岩瀬は一連の行為はすべて石川智之が仕組んだ。写真撮影は探偵事務所の二名に依頼したことを告白した。理恵さん姉妹は石川智之の卑劣さを激しく追及した。「このことは警察と会社には言わないでほしい」と懇願したという。その後の交渉で離婚に関する慰謝料、養育費などほぼ請求通りに合意ができ協議離婚が成立した。
これは平成19年6月1日「探偵業の業務の適正化に関する法律」が施行される以前の探偵業務のメニューの中に、「不倫壊し」又はその真逆の「偽装不倫演出」オプションがあった時代の出来事です。
例えば、探偵は妻A子から「夫Bの不倫を潰してほしい」と依頼があると、夫Bの不倫相手の女に半ば強引に近づいて体の関係を求めます。断られると「貴女の不倫を貴女の夫にバラス」と脅して関係を結びそのデート場面の写真を夫Bに送り付けて不倫関係を終わらせるそうです。不倫している女を探偵が強姦して警察沙汰の事件が頻発して新聞、週刊誌を賑わしていました。前記、石川理恵さんの場合は、夫が仕組んで同僚岩瀬一樹と探偵事務所が実行した「偽装不倫演出」の仕掛けにハマってしまったのです。
依頼者 妻 川田 美津恵 (37)
対象者 夫 川田 晶一 (40) 夫婦に3児あり
調査目的 夫の行動調査
相談概要 夫の心が家庭から全く離れてしまった。以前もなかなか子育てに向き合ってくれなかったとき、話し合いの結果一時間早起きしてくれてゴミ出しとおむつ替えを手伝ってもらっていた。それだけでも助かって感謝していた。育児疲れの時期を乗り越えようとしていたのに、夫から突然離婚したいと数回にわたって言われている。私に対してばかりでなく夫の両親の前でも離婚の意思があることを明言している。長男の夫に対して両親は必死に説得しても全く聞く耳を持たない。手の付けられない呆れるほど一途な面がある。疑った根拠は半月ほど前、出勤を装って、会社を休んで栃木の陶芸工房に行った二名分の作品引換券が財布に入っていた。同日、高級日本料理店の領収書が入っていた。これからの対策を考えるため夫の交際相手は独身女性か、家庭持ちの女か? マイホームも建てたばかりなのに、どうしてこんなに確信的に離婚願望が強いのかわかりません。真実が知りたいです。
調査結果 毎週土曜日午前中にとある大型商業施設の駐車場で合流して、男の車でドライブ~食事~ラブホテル~のコースで夕方までのデートを楽しんでいた。女は、地元の比較的大きな家屋敷に住んでいた。見るからに旧家である。義父母、夫と、小学生の子供の家族がいる。
探偵の眼 夫婦には小学低学年の男児と、保育園に通う幼児2名がいる。依頼者は「マイホームも建てたばかりでこれから夫婦で頑張らなければならないのに、男はどうしてこんなに簡単に家庭を捨てられねのですか? 今、子育ての最中でストレス疲れを乗り越えて子供たちが成人するまで子供と家庭に尽くすのですよ」、泣きながら心情を明かす表情は心底疲れている。
処方箋 夫は女と別れる。この騒動の責任を取って謹慎する意味でしばらく実家に帰って通勤する。ということになり、依頼者は子供の通園と、小学生の通学のことがあるので自宅で生活をすることになった。学校の夏休みに入る時、「母子は夏休みは実家に帰って心身の疲労を癒してくる」という名目で依頼者と探偵は一計を立てた。母子が家を留守にしている間夫の行動を確かめるためである。果たして夫は、依頼者の計略に引っかかった。従来のようなサイクルで二人は関係を続けていた。この事実を知った依頼者は離婚を決断するのは早かった。
依頼者と子供たちは、信越地方の実家に移転して生活を始めた。探偵が作成した調査報告書に基づいてこちらの弁護士さんに依頼して、夫に離婚調停、女には慰謝料請求を行った。いつも思うのだが妻たちは、夫の不倫の事実が発覚してしばらくは動揺が激しいのだが離婚を決意すると、あの時の苦悶が嘘のように清々しい表情に変わる。裏を返せば婚姻生活は疲労も蓄積するのかと考えてしまう。
依頼者の情報によると、夫の不倫相手の女は夫から三行半(離縁状)を突き付けられて家を出たという。依頼者の夫も妻子に家を出ていかれて新築の自宅でやもめ暮らしをしている。不倫が発覚すると男女ともに天国から地獄に堕ちる覚悟が必要なことを痛感する。
依頼者 妻 佐伯真知子(50)中学教諭
対象者 夫 佐伯一郎 (53)中学教頭 共に仮名
※ これは事件簿を参考にしたフィクションです。
調査目的
夫の行動調査
相談概要
夫の携帯に1年前から頻繁に電話が入りだした。「携帯命」で肌身離さない。押入れに入ってヒソヒソ話していることもある。ある日、夫の携帯を盗み見たら、学校の事務職員早坂桜(40・未婚)と肉体関係をしているメールが入っていたので、翌朝、夫を問い詰めた。「なんで僕の携帯を見るのだ!これは空想の世界で彼女と楽しんでいるだけ。こんなメールを本気にする馬鹿いるか!」と怒鳴られた。「納得いかない」と食い下がると、すごい形相で殴られた。
夫は何時でも言い訳が出来なくなると、大声を上げて物を投げつけたりして暴力で対話を封じ込めてきた。
この一年来主人の生活ぶりが特に無軌道になった。帰宅は毎日深夜になる。車に毛布が積んである。週末家にいる時は朝から酒を飲んでいる。何か思い詰めているような様子もあるが下手に聞くとめちゃくちゃに暴言を浴びせられるので、怖くて声もかけられない。歳を重ねるごとに人間性が崩れ、一年前からとくに悪くなった。酒に酔うと言うことが支離滅裂になる。
このような人とこれから先も添い遂げる気持ちは失せている。大学の子どもたちは何とかなるので、夫の実態を調べた結果次第では夫と別れて一人で暮らしたい。
ちなみに、夫は中学校の教頭で校長職を希望しており、来春校長職選考試験を受けるためその準備・勉強をしなければならない立場なのです。
調査結果
調査対象者(夫)と(女)の深夜レストランでの食事。深夜、野球場・サッカー場駐車場でのデート場面の撮影すみ 。
教頭と事務職員のメールこれは、夫が妻に見つかったとき「仮想の世界で彼女と交換している」と言い訳したもで、依頼者がコピーを提供してくれたものです。
11/27 21:10 早坂桜(40歳) ~佐伯一郎(53歳)
そんな面倒なことしたくない。もう少しマジな方法考えられないの?バカみたい。みんなの前で堂々と渡してやる。別に私とのこと、バレたって構わないでしょ?あなたにとって「好きで好きでたまらない桜ちゃん」なんだから、みんなに知ってもらえたほうが嬉しいんじゃなあい。そんなに私のことが大切ならばコソコソ隠されつづけなければならないの?日陰の人生はもうまっぴら。
12/01 23:55 桜 ~一郎
最初の文字が「フェ」で始まる行為のことですが、もしそうだとしたら、あなたと今まで体を重ねた経験のある女性たちは皆、揃いもそろっておバカさんですね。だってあなたのアレは、とっても美味だから、あんなに美味しいモノが目の前にあるのに食さない(カルピスごっくん!)しないなんて、人生の半分損しているようなものです。ああ、なんてもったいないことでしょう。彼女らが哀れでなりません。それに比べれば私は幸せ者だわ。
12/04 23:10 桜 ~一郎
あまり会わないようにしましょう。電話もメールもおたがいに最小限に控えましょう。この宣言は本気です。今までのような甘い気持ちで言っているのではありません。あなた自身も校長になりたくて、家庭を捨てる気もないのであれば、この私の提案にのる以外方法がないことはよくわかっているはずです。いいかげん子供じみた真似は止めて現実を直視してください。
12/04 23:40 桜 ~一郎
「少しだけ」とか「たまに」とかそういう問題ではないの。私はこれを機会にあなたとの関係そのものを見つめ直したい。なんだか、私最近あなたのことを本当に好きなのかどうか解らなくなってしまいます。「好きだよ」とあなたに囁かれ「私も」と答える自分にいつも疑問を感じてしまうのです。もう一人の私が「本当にあなたは心から『彼のこと好き』と言えるの」とまるで自分を試すかのように頭の中で呟くのです。
12/06 02:15 桜 ~一郎
また、洪水になってしまうようなこと言わないでください。ようやく火照りが落ち着いたのに。今日たくさん気持ちよくしていただいて、ほんとうにありがとう。やはり私はあなたが好き。
12/11 03:50 一郎 ~桜
二度と飲酒運転をさせないと思っていたのに。私の愛し方が足りないのです。もっともっと桜を優しくします。
12/11 04:00 桜 ~一郎
私が勝手にやったことです。あなたに落ち度は何一つありません。昇格の「試験、試験」とそのことばかり口うるさく言ってしまいがちな私ですが、あなたが合格するか否かは、私たちにとって今一番大切な問題なのです。今年限りで定年退職する校長は市内で8人だそうです。チャンスです。あなた自身も不合格になった自分をみたくはないでしょう。
12/13 0:50 一郎 ~桜
今日はありがとう。カレンダーものすごく大切にするよ。うれしかった。今日反省しましたことは、なぜ私は早坂さんを「桜」と呼び捨てにしていたかということです。いつも自分が愛したいときに会い、抱きたいときに抱き、我が儘すぎたようです。早坂さんをあたかも自分の「女」と勝手に思いすぎていました。これからはもっと大切にします。早坂さんが大好きです。今朝、だいぶ怒っていましたが。
12/13 17:50 桜 ~一郎
大丈夫、気にしないで!誰が何と呼ぼうと、私は私。誰のものでもありません。だから気にせず今まで通り「桜」と呼んで。今日あなたが遅くなるようなら素直に先に帰った方がよいですか?部屋であなたのことを思っているだけで満ちたります。
12/14 0:50 桜 ~一郎
あんまり夜更かしせずに、早く体を休ませてくださいね。毎朝目が真っ赤で可哀そうだょ。疲れているんだね。もっと自分をいたわってあげてください。できるならあなたの脇にいてやりたいおやすみ。
12/14 01:50 一郎 ~桜
昨日はもっと強く桜を抱きしめたかった。メールありがとう。おやすみなさい。Chu!勃起。
12/15 0:50 桜 ~一郎
悲しい結末。今日思い知らされたのだけど、ややはりあなたは奥様のことが大好きなのね。ずっとずっと大切で愛していて、でも自分の思い通りにさせてくれなくて、欲求不満がたまってそれで私にはけ口を求めているのね。あなたはただ、身も心も自分の思い通りになる女が欲しかっただけ。本当はあなたが何よりも欲しいのは「夫の言いなりになる真知子」なんだわ。以前からあなたの言動で薄々感じてはいたけれど今日の一言で決定的によくわかりました。可哀そうなあなた。可哀そうな私。 12/15 07:15 一郎 ~桜 君が考えているようなことは妻にはまったく望んでいません。寒いから暖かくしてね!
12/15 23:40 一郎 ~桜
Chu 桜、今日の君との夕食美味しかったよ!デザートは桜のマ〇コで充実しました。次回はもっと大胆なこと要求してください頑張ります。私に元気と勇気づける桜に、早く休んでね。私も夢・夢です。
12/30 21:50 一郎 ~桜
毎日苦しい。早坂さんが大好きです。愛したい。愛したい。 22:10 桜 ~一郎 本当に私のことが大好きで会えなくて苦しいと思うのであれば、どうして今日だってほんの少しでよいから顔を見ようとしないの。あなたはいつも綺麗ごとばっかり。ただの嘘つきだわ。 22:20 一郎 ~桜 悲しいまでに愛したい。早坂さんが大好きです。 23:10 桜 ~一郎 嘘ばっかり。そっちがダメならこっちですか。でもね、あなたがいくら私に「好きだ」「愛している」等と言おうと、あなたが今私の横ではなく、そのお家にいるということ自体が偽りを言っているという何よりの証拠ではないですかか。どうぞ末永くご家族を大切に。
12/31 23:10 桜 ~一郎
昨年の今日と何も変わらない。一年前のクリスマスイブ、あなたが誘ってくれることを期待して、私はいつもよりドレスアップして出勤したものでした。みんなに「今日はパーティ?」等とからかわれましたが、あの日の私はあなたのためにだけお洒落して行ったのです。でもあなたは私からチキンを受け取り、いそいそとお家に帰っていきました。年末年始も私はあなたからの連絡を待ち続けました。でもあなたと顔を合わせたのは年が明けて6日もたってからでした。今年もあなたとは何の約束もしていません。去年から何一つ変わっていない私たち。
1/1 0:30 一郎 ~桜
あらためまして、おめでとうございます。02:50 愛したい 抱きたい 誰よりも誰よりも君に会いたいです。 1/2 01:50 一郎 ~桜 逃げない自分! 今年の目標!それは、逃げない自分を今年一年間で作り上げることです。 13:20 桜 ~一郎 何それ? 誰があんたなんかと4日に会うなんて言ったのよ?私、あんたなんかと会う予定は全然ないよ。4日からは東京の高級ホテルにお・と・ま・りだも~ん♪
あんたなんて何の関係もない! 13:50 ああ、よかったよ。あんたと違ってちゃんと「使いモノ」になる、男としてまだまだ現役のヒトとの蜜月を愉しんできますわぁ~☆ 15:35 ああ、よかったよ。さようなら。ごめんねあんたと違って、ちゃんと「使いモノ」・・・ 19:20 今なら大丈夫なので、早急に電話下さい。
1/3 一郎 ~桜
再び君に! 早坂さん!君が大好きです。大好きです。しかし、今は私の行動一つ一つが君に結び付いて妻に疑われています。今はただ我慢します。行動は伴わないですが、いつも早坂さんが大好きです。
探偵の眼
二人の関係を告発する投書が教育委員会に届いた。教頭は校長昇格選考試験の面接で不合格。女は他校に転職した。不似合いな二人の関係は終息し、夫婦関係は妻の忍耐と寛容で修復に向かった。
読み手が赤面する内容のメールです。女に経験の少ない男が火遊びをすると大やけどする警告の意味で依頼者の承諾を頂いて掲載しました。これは1997年の記録です。
この事務員は本気で正妻の座を狙った感じがします。教頭はつまみ食いのつもりで女に手を出したと思われますが、今までに経験したこともない女の従順さと性技「フェラ」に感激してあっという間に虜になりました。不器用で女に免疫のない男がひくに引けない状況を自らつくってしまいました。結末は、妻と女を苦しめただけの、身勝手でだらしない教頭の責任が問われます。不倫は男女ともに欲望に負けただけでは済まされない清算が待ち構えるのです。今回は中年男の完敗です。
しかし奥さまに、メールを覗き見されたため、家庭崩壊と免職は免れた事件でした。
後日談
依頼者談。「夫と事務職員の不倫がはっきりした時点で離婚の選択でしたが、離婚すると夫と女の思うつぼになるので、そうさせないために夫の定年退職まで仮面夫婦でいることにしました。退職金の半分をしっかりいただきます」とのことでした。女性の思慮は深淵です。夫たちの及ぶところではないです。
後日談 2
教頭と事務員の不倫、「哀れ中年男と性悪女」の表題の投稿を読んだ私の知人の女性から、「女は性悪ではありません。教頭の方がズルいです!」の抗議を受けました。私は、依頼者の妻の立場になって記事を書いたのですが、読者としての立場からすれば、「教頭がズルくて、女心を弄んだ」との意見は理解できるので「探偵の眼」の意見を修正しました。
依頼者 妻 大谷真理(45)主婦
対象者 夫 大谷輝雄(47)設計事務所経営 仮名
大学生の息子あり
調査目的
浮気調査
相談概要
夫は、パート婦人5名を使用して土木建築設計事務所を経営している。
ある日の夜、用事があって会社に立ち寄ると、事務所内で下着姿の女が、夫の座っているソファーから、脱いだパンストを持ってあわてて奥の更衣室へ走り去った。夫は、「パートさん(宮崎明子 主婦・42)に娘さんから事務所に急ぎの電話が入ったので、この机の電話を使った」と言い訳したが、そのような状況ではなかった。 夫に強く抗議して宮崎を辞めさせた。
それから3年が経過した。その間、夫婦の会話と夜の関係は極端に少なくなり、ここ2年はほとんど私を求めなくなった。空気が凍っているようで他人の家で生活しているようだ。 夫は、ワイシャツにファンデーションや香水の匂いをつけて帰る。下着に精液のようなものがしばしば付いている。車に隠し持っている、箱の中のコンドームの数が減っていく。車の走行距離が特定の曜日に30㌔くらい多く走っている。
最近は家事も手につかなくなり息苦しい。宮崎との疑惑を口に出すと、「俺は潔白。あの女とは何もない。お前はノイローゼだ」とあざ笑われ、夫の姉夫婦と弟夫婦からも心が病んでいる嫁として白眼視されている。夫の叔父、伯母など親戚からも軽べつ視され孤立した。
地元では屈指の旧家の長男へ嫁ぐとき、遠く離れた田舎の母親が「女は三界に家なしだからね」と静かに話してくれたことわざが、いま身に染みる。 現在、自律神経失調症と、うつと診断され、隠れて心療内科に通院している。 私は、夫が浮気していると確信を持って言える。悔しくて我慢できないので証拠を取って白黒をつけたい。この戦いに負けたら私は田舎へ帰ります。
調査結果
対象者は毎週月曜・金曜の午後3時に会社を出る。途中のコンビニでビール、ジュースつまみ類を買って隣町の総合運動公園の駐車場に入った。駐車場の片隅に女の乗った白のワンボックスカーが駐車している。対象者はこの女の脇に車を止めて、ワンボックスカーの後部座席に乗り込む。それから2~3時間二人は後部座席で過ごす。女は宮崎明子だった。医療事務のパートを3時に終わってからこの駐車場に来て車内デートしていた。1カ月にわたる二人のデート場面の映像を依頼者に提出した。
それから
依頼者は、夫と姉、弟、宮崎夫婦を自宅に呼んで話し合いを開いた。密会現場の写真を開示すると、輝雄と明子は集まった全員から激しい糾弾を受けた。 依頼者夫婦と宮崎夫婦は険悪なやり取りになったが、男女は「不倫関係を清算してそれぞれに謝罪する」念書を書いた。
探偵の眼
ダブル不倫の場合は、秘密裡に処理しないで夫婦双方を参加させて大騒動にした方が結論が早いです。結果、良い解決もあるが、夫婦の破局、血を見ることもある。双方の夫婦ともに、常識人で、社会的にも平均以上の地位があり、世間体をとても気にするタイプで、子供が中学、高校、大学、の在学中などであれば双方の夫婦参加の不倫清算はほとんどが上手くいきました。
依頼者は、毎晩夫の入浴中に車の走行距離をメモし、車内に隠し持っているコンドームの減った数を点検し続けて、夫が女とデートする曜日を特定した。この涙ぐましい努力に胸が打たれました。
高齢の義父母は永く入院しており、家事の合間に病院に毎日見舞って洗濯物の交換、好物の食べ物の提供など献身的に尽くしているのに、夫から「お前はノイローゼ」と嘲笑されては立つ瀬がありませんね。「夫の姉夫婦、弟夫婦からも心の病人扱いされて悔しい日々だった。この3年間の生活は砂漠を彷徨っているみたいでした。調査を入れて立場が逆転したので救われました」との談。
依頼者は調査の当初、「離婚して故郷へ帰る」と涙を浮かべて訴え、私たちがなだめ励ます日々が続きましたが、「不倫清算の話合いのあと夫婦関係が好転した」とうれしい連絡がありました。
女三界に家なし
「三界は仏教語で欲界・色界・無色界、つまり全世界のこと」
女は三従といって、幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないとされるから、一生の間、広い世界のどこにも安住の場所がない。女に定まる家なし。 「三省堂 大辞林」
依頼人 妻 内田早苗 (40)パート勤務
対象者 夫 内田一郎 (42)会社員
実家に帰り現在妻子と別居中 仮名
調査目的
別居中の夫の浮気調査
相談概要
夫は3年前から毎日飲酒して帰るようになり、帰宅が遅くなった。下着が汚れている。携帯電話を見られないように車に隠しておき、夜中に車の中から電話している。週末に必ず出かけるなど、女の影を感じるようになった。
家族との会話もほとんどなくなって、3年間家庭内別居の状態が続いた。1年前、「実家に帰る」とメモをおいて出て行った。 半年前に家庭裁判所から夫が申立てた調停の通知が届いた。離婚理由は「性格の不一致」といっているが、どこの夫婦にも有るようなことだと思う。こんなことでいちいち離婚請求されたら、どこの夫婦も離婚が成立してしまう。
私は、小、中学生の子を3人育てており、経済的に大変で、夫のわがままな言い分は到底受け入れられない。頑として離婚に反対し、2回で調停は不成立になった。まもなく、原告の夫の代理人弁護士から、離婚請求訴状が家庭裁判所から届いた。 決定的な原因もなく、ただ「性格が合わないから離婚する」という主張です。
このままでは、私が悪者なって離婚されてしまいそうなので、夫の行動を調べてほしい。女が必ずいると思います。
調査結果
対象者は、退勤後市内外れにあるスーパーに向かい、駐車場の車で待っている女と合流。女を乗せた対象者は、(食事をしたり、おでん屋に入ったり、スーパー銭湯に入ったり)したあと、郊外の公園駐車場の車内で2時間くらい過ごしてから11時頃にそれぞれ帰路に就く。週末はドライブに出かけてモーテルへ入る。女の身元は車のナンバーからすぐわかり、両親と同居している独身OLだった。
裁判結果
裁判で、夫は独身女性との不貞を認めた。離婚請求を拒否していた妻は、「破綻した夫婦関係は修復できない」ことを承知した。慰謝料請求が認められ子らの養育費もほぼ要求が通った。
訴状では、「妻は外交的性格で思ったことをそのまま話すタイプ」で、「夫は内向的性格であまり喋らないタイプ」、そして家庭内別居の状態で夫婦の仲は完全に冷え切っており、これは(民法770条[裁判上の離婚原因]第1項5号)の「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する、と夫は主張しました。
いわば、「外交的性格で思ったことをそのまま口にするタイプ」の妻と内向的な自分は性格が合わず婚姻が破綻したから離婚する、と言っているのです。
探偵の眼
事例のように、妻が離婚を望んでいないのにもかかわらず、別居から、ずるずると離婚に至ることが多いです。このような立場にいる妻にとって重要な部分なので法律の解説を引用します。「離婚の法律紛争」泉久雄編 ゆうひかく選書
回復の見込みのない婚姻の破綻
夫婦が長期間別居しており、その上、夫婦の一方が他の異性と同棲しているとすれば、その夫婦(少なくとも一方)は既に婚姻継続の意思を確定的に喪失しているとともに、夫婦としての共同生活の実態も存在しないといってよいでしょう。判例(最高裁大法廷・昭和62年9月2日判決)も「夫婦が婚姻の目的である共同生活を達成できなくなり、その回復の見込みがなくなった場合」は、民法770条1項5号の「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、夫婦のどちらからでも離婚の請求ができることとしました。いわゆる回復の見込みのない婚姻破綻を離婚原因として認めました。
(中略)回復の見込みは将来の予測の問題ですから、確信をもって断言することは誰にもできないでしょう。(中略)
有責配偶者の離婚請求の場合には、妻が真に婚姻継続を欲していれば、有責配偶者さえ悔い改めれば、回復の見込みはあるし、婚姻継続意思が疑わしければ、回復の見込みは乏しくなります。別居期間が短ければ回復の見込みはあるし、相当に長ければ回復の見込みは乏しくなります。
すべて相対的な判断になり、事案により裁判官の主観により、統一性を欠くことになります。そして決め手となるのは、事実としての回復の見込みではなくて、有責配偶者に、婚姻関係回復の努力を要求すべき事情が、存在するかどうかという法的規範判断になります。
そこで、夫婦の一方が、自分の有責行為で婚姻を破綻させておきながら、それを理由に離婚を請求するというのは、原則として、正義・公平の観念、社会的倫理観に反することになるから、その離婚請求が信義則の原則に照らして容認されうるものでなければならないとしています。
婚姻が回復の見込みがないまでに、破綻しているかという判断と、離婚請求が信義則に反しないかという判断は、相関しています。
探偵の眼 Ⅱ
裁判中に依頼者は、「この夫と関係修復はむり」と考えて、有責配偶者からの離婚に応じて高めの慰謝料と子どもの養育費を要求通り認めさせる作戦に代えました。
「このまま悪者にされてはたまらない。夫には女がいる」と、探偵事務所を訪れたのは正解でした。
「裁判中に、『あのパパはいなくてもいいょ』と、子どもたちの声に背中を押されて離婚を決めました。嘘ばかりついている夫の不貞を暴き、逆離婚状を叩きつけた感じで一矢を報いた」と笑顔が清々しいです。
依頼者 菊田誠一(40)会社員
対象者 菊田晴美(38)パート勤務 小学生の子 二人有り 仮名
調査目的
妻の浮気調査
相談概要
最近の夫婦の状況をはなします。
妻が最近、9時から16時まで会社事務のパートに出た。そのころから「あなたのいびきがうるさい」といって寝室に入らず1階で寝るようになった。土・日・祝は休みなのに出勤するので疑惑を持ち始めた。帰宅してからトイレの中や二階で、携帯電話でヒソヒソ話をしたりするので、夜中に妻の携帯電話を見ると「池田にさんに抱かれたい」などと書いてある。独身時代に着ていたらしい、今では不似合いな洋服を着用するようになった。派手なパンティを数種類買ってきた。「30過ぎまで子育てに頑張ってきたんだから、少しはいいもの身に着けてもいいでしょう」という。「時々、自宅付近の空き地で奥さんが車を止めて携帯で話している」と、町内野球クラブの知人から忠告された。生活態度がそわそわして落ち着きがなくなった感じがする。
ある日、妻から「歓迎会があるので参加したい。帰宅は遅くなる」と電話があった。「俺の予定を知っているのに、子どもを置いて出かけるのはおかしい、何かやましいことをしているのか。歓迎会は行くな!」というと妻は、「浮気でもしていると思っているのか!信用していないのか!」と怒鳴る。私、「仕事の付き合いだといって、帰宅が毎日遅い。土日も出勤したり、早出残業・・たかが事務職のパートで付き合いが必要なのか?」「そんなに信用していないなら離婚しようか。昔から私は我慢している。彼方のべたべたする態度なども不満が一杯だ」。「今日離婚届出をもらってくる。もういくら謝ってもダメ」。帰宅すると妻に離婚届叩きつけられた。それから数日妻の怒りは収まらず、離婚か家庭内別居しか選択肢はないという。
「気晴らしに会社の事務員A子と飲んできた」と深夜に帰宅した。更に土曜の夜は帰宅せず朝帰りした。今までにないことだ。深夜帰宅について、事務のA子さんに事情を聞いたことを妻に伝えたところ、「どうして夫婦の事をA子に聞きただした!恥をかかせるな!」と烈火の怒り。妻に数日謝りとおしているが、「謝って済む問題ではない」と怒りは収まらない。
そんなごたごたが続いて、妻は事務のアルバイトを辞めた。
ある日、妻の車のカーナビの「走行軌跡」をこっそり再現してみると、とんでもない遠方に行っていることが分かった。妻のジャンパーから、「池田哲也様」と書かれたクリスマスケーキの引換券が出てきた。妻に、ケーキ引換券の疑惑と、どうして車で遠方に行く必要があるのかを問い詰めてから出勤した。妻からそのことで説明の電話があった「遠方のT市に行ったのは子供用品スポーツ店めぐり」「ケーキは池田哲也の友達の奥さんから頼まれた」と言い訳。
「財布や洋服までチェックされたらたまらない。嫌悪感でいっぱいだ」「子どもの前であんな質問することないでしょう。どこまで私を落とすのか。そんなに信用できないなら別れましょう・・」。
妻はある夜中「頭を冷やしてくる」と車で出かけた。携帯電話の電源が切られ連絡が取れない。朝帰宅した車のコーヒー空き缶2本に種類の違うたばこの吸い殻が詰め込んであった。「公園の駐車場で仮眠していた」という。走行軌跡を見ると辞めたはずの会社に行ったりしている。
台所の収納棚の中に、「大人のおもちゃ」が大事そうに布に包まれて隠してあった。アダルトビデオ女優が着用する下着も出てきた。妻に行動の疑惑を一つ一つあげて追及すると、「あなたはストーカーだ」と罵られた。大人のおもちゃを何故持っているのか聞くと「1年もやっていなくてさびしいから。でもあなたとはダメ」といい、「そんなことを聞くあなたはデリカシーがない」と怒り出した。そして「離婚裁判しょうか。ストーカーはみんなあなたみたいに『愛している』と言うらしいよ」と真剣な顔でいう。化粧と髪型、服装がますます若型になっていく。夫婦仲は悪化するばかりだ。
「いま仕事を探している。扶養を外してほしい。」「あなたにはもう気はない。来月から別居する」という。妻の行動について喧嘩が絶えず、すぐ離婚話を持ち出す。本気で考えているようだ。「あなたと一緒にいるのがつらい。別居させて」と泣きながら訴える日が多くなった。心を完全に閉ざしたようでパートにでてから別人になってしまった。
妻には必ず男がいると思うので証拠を取ってその男と話し合いたい。
調査結果
晴美がパート事務員として働いていた会社の池田哲也と交際していた。男は独身で35歳。父親と二人暮らし。
依頼者の行動
依頼者は池田の住所を探偵から報告を受けると迷わず池田宅へ乗り込んだ。「妻を家庭に返してくれ。俺も、子どもたちも妻がいなければ家庭が崩壊してしまう。子どもたちにとってこれから先まだまだ母親が必要なんだ」と切々と訴えたという。池田は「僕は、始めから奥さんと不倫するつもりはなかった。奥さんの話し相手になっていただけなのに、体を投げ出してきた。あまりの露骨な態度に辟易していました。あの人が何を考えているのかわかりませんが結婚する意志など全くありません。あの人の独り相撲です。奥さんとの関係が発覚してむしろ良かったです。私は制裁を受けます」と答えた。
探偵の眼
池田から「奥さんの独り相撲」と突き放された妻は悄然として家庭に戻りました。子どもたちが小学3~4年生になると、育児から解放されて妻たちはパートなどで仕事にでると、職場では家庭にはない新しい生の情報が次々と入ってきます。男性からも声をかけられます。久しく忘れていたときめきに酔って脱線してしまうのでしょうか。
この妻は夫の「家庭を守る」という強い意志に助けられました。池田の潔い清算もよかったです。夫からも愛人からも突き放される不倫妻が結構いるのです。
この妻とは逆のケースですが、妻子と離婚して真新しい戸籍をもって愛人に報告に行ったら「あなたは何を勘違いしているの。あなたに妻子がいるから安心して恋愛ごっこを楽しんでいただけなのに」と、独身女性にバッサリ切り捨てられた阿呆な男がいました。夫にしろ妻にしろ、不倫相手と本気で結婚を望むのは危険が一杯のようです。
依頼者 妻 山田みどり(33)専業主婦
対象者 夫 山田祐二 (35)高校教師 共に仮名
調査目的
夫の浮気調査
相談概要
結婚以来ずっと夫の浮気と暴力、精神的な虐待に耐えてきた。もう限界なので、浮気の証拠写真を撮って学校に投書する。夫に汚名をきせて離婚したい。
夫の言動
「電話したとき、不在だった。どこに行っていた」「下着が派手すぎる。化粧が入念すぎる。何か目的があるのか?」「帰宅時間が約束より遅れた。外出先からどうして連絡を入れないのだ! 言えない事情があるのだろう」「これからは実家に行くな! 実家にいたというアリバイなど信用していない」「誰のおかげで食べていられるのだ! お前は俺の言うことさえ聞いていればいいのだ!」「食事の用意がしていない。酒が用意していない。お前みたいに気が利かない女はいない」「お前は頭が悪い、洋服のセンスが悪い、実家の姉妹と似ていて陰気だ」「無駄使いが多い。何に使ったのか証明しろ!」などと日常的にいじめられている。育児中の私に自由時間など無いことを知っているのに、男のくせに底意地悪い夫を憎悪する。
夫を殺したい
大声で騒ぐばかりでなく、蹴ったり殴ったりの暴行は日常茶飯事です。学校で嫌な出来事があったり、彼女とデート(出勤時の服装などでわかる)が思うようにいかなかった日は特にひどく荒れて、帰宅するなりいきなり頬を平手で殴り、ネクタイで首を絞めたり、ビール瓶を投げつけたり、テーブルをひっくり返したりする。
過去2回離婚調停を申立てたが、夫は出廷しなかった。教職を理由に出廷できない言い訳が巧妙で、調停がうやむやになって2回とも取り下げた。
偽善者の夫の本性を、校長を始め教職員や周囲は誰も見抜けない。
私は、実家の親の暮らしぶりを考えると、実家に帰ることもできず、お金がないので弁護士にも頼めない。
子どもも父親におびえて暮らしている。夫は、子どもにも暴行するようになり、そんなとき包丁で後ろから刺してしまいたい衝動にかられる。子どもの将来を思って夫の暴力に耐えてきたけど、もう限界。このままでは夫を殺しそう。子どもを、「夫を殺した母の子」の汚名だけは避けたい。夫から、母子で逃げたい。子どもも小学2年になったので私は働くことができる。調停離婚はあの夫に通用しない。何が何でも離婚したい。助けてほしい。
調査結果
対象者は、英会話スクールの講師 咲子(26)と、ピアノ講師 里香(25)と交際していた。 二人ともアパートで一人暮らしをしており、対象者は、二人のアパートを週に二日の割合で交互に訪問していた。
依頼者の行動
依頼者は、夫が咲子のアパートへ出入りする写真を里香へ、夫が里香のアパートへ出入りする写真を咲子へ送りつけて、夫と二人の女との関係を壊した。更に、夫が二人の女の部屋に出入りする写真を、「山田祐二教諭の正体」という糾弾文に同封して、夫の勤務する学校・PTA役員・教育委員会等へ匿名で送付した。
学校内は怪文書の内容で騒然となった。生徒たちも知ることになり、プライドの高い夫は「休職届」を提出した後退職した。妻は、自分にも送られてきた二人の女の部屋に出入りする写真を夫に突き付けて、「離婚裁判をする」と迫ったところ、妻の要求どうりの協議離婚に応じた。
探偵の眼
「暴力夫の素行を暴いて学校に告発し、夫を窮地に立たせて離婚に持ち込みたい。このままでは夫を殺しそう」と必死で相談してきた妻。DVやモラルハラスメントなどによる妻たちの被害が社会問題化していない時の依頼でしたが、東京渋谷の、DV夫バラバラ殺人事件(妻・三橋歌織の犯行)が起きた時、この高校教師妻の相談時の深刻さを改めて思い知りました。みどりさんの、夫に対する憎悪は強烈でした。世の男性たちは、屈辱を打受けつづけた女性の反発心は想像以上であることを肝に銘じることです。
近年、モラルハラスメント(精神的虐待)を理由にした離婚が急増しています。「夫の暴力もひどいが、精神的虐待は長期にわたるのでこれもひどい。身も心も底なし沼に沈んでいくような感じで回復がむずかしい」と相談者は言います。それでは夫の暴力に耐えきれず、夫を撲殺して遺体をバラバラに切り刻んで捨てたという、DV被害妻が反撃した典型的な事件を紹介します。
※新宿・渋谷エリートDV夫バラバラ殺人事件の概要
2006.12.16 東京西新宿の路上で、ビニール袋に入った上半身だけの遺体が見つかる。同年12.28 渋谷区内の空き民家の庭で、下半身のみの切断遺体が発見される。この下半身遺体と、西新宿の上半身遺体のDNAが一致し、この遺体は外資系不動産投資会社に勤務する三橋祐輔(30)と判明した。
最初の遺体発見から約1カ月経った2007.1.10 被害者の2歳年上の妻三橋歌織(32)を逮捕。逮捕後、町田市の芹ケ谷公園で頭部を発見。手首はゴミと一緒に捨てたと供述。
2006.12.12 午前6時頃、渋谷区富ヶ谷の自宅マンションにおいて、ワインの入ったビンで夫を滅多打ちにして殺害し、室内で遺体を切断した。解剖の結果、被害者の頭には8か所の挫創と亀裂骨折が刻まれてた。
夫婦は、結婚後数カ月で不仲になった。妻は夫からドメスティック・バイオレンス(DV)を受け、心的外傷ストレス障害(PTSD)を発症した。そして一時期夫の暴力から逃れるためシェルターといわれる(保護施設)に避難したと供述。
※夫の暴力が激越だったことがうかがわれ、その反動で妻の夫に対する憎悪が強烈だったことが想像できる事件でした。
※ただ、この夫婦喧嘩の仲裁のため夫婦の修羅場に呼び出された、夫の同僚の証言や、その他関係者の取材によると、妻 三橋歌織について批判として指摘されることが多くありました。それは別の事件の時に説明したいと思います。
依頼者 妻 益田葉子(30) パート勤務
対象者 夫 益田幸作(32) 会社員 共に仮名
調査目的
夫の浮気相手の証拠撮影と対策
相談概要
2~3年まえから夫の生活態度が急変したので問いただすと、「事務職のパート女性、中学生の子が二人いるバッイチの広谷千鶴子(38・仮名)と2年前から交際している」と告白した。
私はいま経済的に自立が無理なので夫と別れる意思はない。女と交渉するか調停を申し立てて女に身を引かせたい。夫は、独身時代に女性との交際がなかったらしく、女性を見る眼の善悪の免疫がない。「彼女の奔放な生き方に共感する」などと言って女を讃える。私たちは結婚6年になっても子どもができないため不妊治療をしているが、夫はその女との子どもをつくろうとしていることを悪びれもせずにいう。女に洗脳され、深夜の帰宅や朝帰りを気にもとめない生活になった。
ある日遅く帰宅した夫は私に、「いま彼女と中出しでやってきた」と得意げに言う。そして、電話口で女に「あなたは妊娠できるぎりぎりの年齢だからね。近いうち妻と別れるからもう少し待ってくれ」などと話している。夫は、「若いとき女遊びをしなかった。結婚したら妻以外の女といっぱいセックスをしたいと思っていた。女とやって悪いのか?何が悪い?」と真剣な顔つきでいう。このような常識はずれの男と結婚した私自身も責任を感じるがとても情けない。
繰り返す夫と女の、私に対するあてつけ電話が原因で大喧嘩のすえ自殺未遂を起こした。数日後、女が訪ねてきて「私が身を引きます。今まですみませんでした」「もう、不妊治療の通院はやめてください。子どもがいなくても別の人生もあるでしょうから」などと神妙な顔つきで謝罪した。夫も帰宅して「あの女と別れた。これからはおまえ一筋だ」と言うが、私は全く信用していない。私を欺くための二人の芝居だと思う。
家庭は完全に破綻している訳ではないと自分に言い聞かせている。女が身を引けば元の夫婦に戻れるかもしれないと考えていたが、不倫の原因が私の不妊症にあることを知った為に夫婦としてやっていく気力が失せた。夫の心底を知り、私の心は人生の岐路に立っている。
その後の依頼者と女
退勤後の夫と千鶴子は公園駐車場の隅で落ち合い、ラブホテルやカーセックスに興じていた。探偵が撮影した二人のデート場面のスナップを手に依頼者は千鶴子と会って、夫と別れてくれるよう求めたが女は「あなたの教育が悪いから旦那が私のところに来るのだ。そんなに大事な夫なら、首輪をつけて柱に縛り付けておきなさい」と、先日の殊勝な態度とは別人のように反発した。
女との個人交渉を諦めて、依頼人は女に対して慰謝料請求を申立て100万円の慰謝料で合意した。さらに、女に今後「夫と交際が続ければ、探偵をつけて証拠を撮り何度でも慰謝料請求を行う」と告げると、女は100万円に懲りたらしく身を引いた。
探偵の眼
「そんなに大事な旦那なら首輪をつけて縛っておけ」、は不倫が発覚したとき居直って言う女性の常套句です。離婚経験者ほど不倫の罪悪感はなく、かつ、手口が悪質のようです。そのような傲慢女でも、判決と同じ効力のある調停が成立しました。これを破れば、給料等を差し押さえられることを承知しているので、抑止力の効果は大きいです。
この夫は、日本を代表する大企業のエリート社員ですが人間としての常識が欠落しています。真面目一筋に生きてきて、途中で脱線した場合に軌道修正が難しい男性が多いです。妻はこれから幼稚な夫の調教に苦労するかもしれません。
依頼者 妻 岡崎幸江(43) パート勤務
対象者 夫 岡崎健一(43) 会社員 建設会社営業所長 共に仮名
相談概要
夫は、東京の中堅ゼネコンの営業所長をしている。平日は営業所の寮に宿泊し、週末に洗濯物をもって帰宅するという生活が数年続いている。夫は、下着など自分で買う人ではないのに、持ち帰る下着に見たことがないものが入るようになった。
帰宅してもボーっとして考え事をしている。心ここにあらずという感じだ。私たち夫婦は高校時代の同級生で、仲間感覚の会話が弾む夫婦だったが、ここ2年来別人になってしまった。週末も帰宅しなくなり、平日宿泊しているはずの営業所に行っても車がない。どこで何をしているのか調べてほしい。
調査結果
対象者は、営業所の所在するY市内のアパートを借りて、同年代の女と同棲していた(後日の調べで、山田智子・仮名・離婚経験あり。子どもは夫が監護している)。ある金曜日の午後、依頼者から慌てふためいた電話が入った。「夫が午後に帰ってきて『東京本社で会議がある』と言ってスーッに着替えて出て行った。洗濯物の作業着の中から函館のホテルの二名予約メモが出てきた。今夜チェックインの予定です。航空代、ホテル代は別途支払うから現地調査してほしい。そのホテルは函館湾に面したホテル〇〇です。私たちが新婚旅行に行った思い出のホテルです。男ってこんなこと平気で出来るのですか!」と絶叫に近い。
Y市内のアパートに出入りしていた二人の姿を、函館のホテル〇〇のロビーで捉えた。夜、二人は函館山の展望台から市内の夜景を楽しみ、翌朝はホテル近辺の函館朝市を散策した。一連の行動をビデオ撮影。
依頼者
「今までの私の存在は何だったのか。私のすべてを否定されたようで虚しい。しかし今は、大学と高校の子どもがいるし、体の不自由な義母をみているので離婚はできない。義母の最期を看取るか、又は、将来主人が病気などで倒れるか、老いて介護などで私が必要になった時、黙って家を出てやる。それまでは仮面夫婦を続ける。それが夫に対する復讐です。」と言った。
それからの夫婦
依頼者は、「このまま夫を放置しておけば二人の同棲を黙認したことになるので胸糞悪い。母親の日常の介護がどれほど大変なのか思い知らせてやる」と、夫と愛人のいる部屋に出向いて夫を奪還したが、意志の弱い主人は、営業所駐車場に待ち伏せしている女に連れ戻されてしまう。奥さんが再度連れ戻すことの繰り返し。
女の言い分。「健一さんは、妻と離婚して私と一緒になると約束した。奥さんに健一さんを無理に連れて行く資格はない。健一さんの意志に任せるべきだ。もし、健一さんが家に帰るなら、わたしは騙されたことになるので訴えて慰謝料を取ってやる」と言い張り、妻は女の言うことに一理あると思うと気勢をそがれた。
妻と愛人の激しい攻防に、夫はおろおろするだけで何も言えない。このような修羅場に立たされるとほどんとの男は木偶の坊(でくのぼう)「役に立たない人、気転のきかない人をののしっていう」になってしまいます。日頃婦人たちの前の威勢のいい言動は何処に(?_?)。
業を煮やした妻は、「主人の母をここに連れてくるからあなたたちが面倒見て!」と言い放つとこんどは愛人が沈黙した。
探偵の眼
母を妻にみさせておいて、愛人と同棲するなんて、常識では考えられないでしょうが、結構いるのですこのような勘違い男性が。
「新婚旅行の思い出のホテルに愛人と旅行するなんて許せない。私の心は完全に閉じた。心に血が流れた。もう元には戻らない。夫が倒れて、老いて私を必要とするときに家を出る」といった依頼者は、必ずそれを実行すると思える意思の強さを感じる人です。おとなしい物腰の人なのでこの宣言に凄みがありました。
なおこの愛人は、「健一さんと内縁関係にある」と主張し続けましたが、妻帯者との同棲は内縁関係ではありません。法的な保護を受けられないばかりか、民法に「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定されており、正妻から慰謝料を請求される立場でした。