水戸興信所 探偵よろず日記

依頼者 妻 大谷真理(45)主婦
対象者 夫 大谷輝雄(47)設計事務所経営  仮名
大学生の息子あり

画像はイメージ



調査目的
浮気調査

相談概要
夫は、パート婦人5名を使用して土木建築設計事務所を経営している。
ある日の夜、用事があって会社に立ち寄ると、事務所内で下着姿の女が、夫の座っているソファーから、脱いだパンストを持ってあわてて奥の更衣室へ走り去った。夫は、「パートさん(宮崎明子 主婦・42)に娘さんから事務所に急ぎの電話が入ったので、この机の電話を使った」と言い訳したが、そのような状況ではなかった。 夫に強く抗議して宮崎を辞めさせた。
それから3年が経過した。その間、夫婦の会話と夜の関係は極端に少なくなり、ここ2年はほとんど私を求めなくなった。空気が凍っているようで他人の家で生活しているようだ。 夫は、ワイシャツにファンデーションや香水の匂いをつけて帰る。下着に精液のようなものがしばしば付いている。車に隠し持っている、箱の中のコンドームの数が減っていく。車の走行距離が特定の曜日に30㌔くらい多く走っている。

最近は家事も手につかなくなり息苦しい。宮崎との疑惑を口に出すと、「俺は潔白。あの女とは何もない。お前はノイローゼだ」とあざ笑われ、夫の姉夫婦と弟夫婦からも心が病んでいる嫁として白眼視されている。夫の叔父、伯母など親戚からも軽べつ視され孤立した。
地元では屈指の旧家の長男へ嫁ぐとき、遠く離れた田舎の母親が「女は三界に家なしだからね」と静かに話してくれたことわざが、いま身に染みる。 現在、自律神経失調症と、うつと診断され、隠れて心療内科に通院している。 私は、夫が浮気していると確信を持って言える。悔しくて我慢できないので証拠を取って白黒をつけたい。この戦いに負けたら私は田舎へ帰ります。

調査結果
対象者は毎週月曜・金曜の午後3時に会社を出る。途中のコンビニでビール、ジュースつまみ類を買って隣町の総合運動公園の駐車場に入った。駐車場の片隅に女の乗った白のワンボックスカーが駐車している。対象者はこの女の脇に車を止めて、ワンボックスカーの後部座席に乗り込む。それから2~3時間二人は後部座席で過ごす。女は宮崎明子だった。医療事務のパートを3時に終わってからこの駐車場に来て車内デートしていた。1カ月にわたる二人のデート場面の映像を依頼者に提出した。

それから
依頼者は、夫と姉、弟、宮崎夫婦を自宅に呼んで話し合いを開いた。密会現場の写真を開示すると、輝雄と明子は集まった全員から激しい糾弾を受けた。 依頼者夫婦と宮崎夫婦は険悪なやり取りになったが、男女は「不倫関係を清算してそれぞれに謝罪する」念書を書いた。

探偵の眼
ダブル不倫の場合は、秘密裡に処理しないで夫婦双方を参加させて大騒動にした方が結論が早いです。結果、良い解決もあるが、夫婦の破局、血を見ることもある。双方の夫婦ともに、常識人で、社会的にも平均以上の地位があり、世間体をとても気にするタイプで、子供が中学、高校、大学、の在学中などであれば双方の夫婦参加の不倫清算はほとんどが上手くいきました。

依頼者は、毎晩夫の入浴中に車の走行距離をメモし、車内に隠し持っているコンドームの減った数を点検し続けて、夫が女とデートする曜日を特定した。この涙ぐましい努力に胸が打たれました。

高齢の義父母は永く入院しており、家事の合間に病院に毎日見舞って洗濯物の交換、好物の食べ物の提供など献身的に尽くしているのに、夫から「お前はノイローゼ」と嘲笑されては立つ瀬がありませんね。「夫の姉夫婦、弟夫婦からも心の病人扱いされて悔しい日々だった。この3年間の生活は砂漠を彷徨っているみたいでした。調査を入れて立場が逆転したので救われました」との談。
依頼者は調査の当初、「離婚して故郷へ帰る」と涙を浮かべて訴え、私たちがなだめ励ます日々が続きましたが、「不倫清算の話合いのあと夫婦関係が好転した」とうれしい連絡がありました。

女三界に家なし
「三界は仏教語で欲界・色界・無色界、つまり全世界のこと」
女は三従といって、幼い時は親に従い、嫁に行っては夫に従い、老いては子に従わなければならないとされるから、一生の間、広い世界のどこにも安住の場所がない。女に定まる家なし。 「三省堂 大辞林」

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