依頼者 妻 川田 美津恵 (37)
対象者 夫 川田 晶一 (40) 夫婦に3児あり
調査目的 夫の行動調査
相談概要 夫の心が家庭から全く離れてしまった。以前もなかなか子育てに向き合ってくれなかったとき、話し合いの結果一時間早起きしてくれてゴミ出しとおむつ替えを手伝ってもらっていた。それだけでも助かって感謝していた。育児疲れの時期を乗り越えようとしていたのに、夫から突然離婚したいと数回にわたって言われている。私に対してばかりでなく夫の両親の前でも離婚の意思があることを明言している。長男の夫に対して両親は必死に説得しても全く聞く耳を持たない。手の付けられない呆れるほど一途な面がある。疑った根拠は半月ほど前、出勤を装って、会社を休んで栃木の陶芸工房に行った二名分の作品引換券が財布に入っていた。同日、高級日本料理店の領収書が入っていた。これからの対策を考えるため夫の交際相手は独身女性か、家庭持ちの女か? マイホームも建てたばかりなのに、どうしてこんなに確信的に離婚願望が強いのかわかりません。真実が知りたいです。
調査結果 毎週土曜日午前中にとある大型商業施設の駐車場で合流して、男の車でドライブ~食事~ラブホテル~のコースで夕方までのデートを楽しんでいた。女は、地元の比較的大きな家屋敷に住んでいた。見るからに旧家である。義父母、夫と、小学生の子供の家族がいる。
探偵の眼 夫婦には小学低学年の男児と、保育園に通う幼児2名がいる。依頼者は「マイホームも建てたばかりでこれから夫婦で頑張らなければならないのに、男はどうしてこんなに簡単に家庭を捨てられねのですか? 今、子育ての最中でストレス疲れを乗り越えて子供たちが成人するまで子供と家庭に尽くすのですよ」、泣きながら心情を明かす表情は心底疲れている。
処方箋 夫は女と別れる。この騒動の責任を取って謹慎する意味でしばらく実家に帰って通勤する。ということになり、依頼者は子供の通園と、小学生の通学のことがあるので自宅で生活をすることになった。学校の夏休みに入る時、「母子は夏休みは実家に帰って心身の疲労を癒してくる」という名目で依頼者と探偵は一計を立てた。母子が家を留守にしている間夫の行動を確かめるためである。果たして夫は、依頼者の計略に引っかかった。従来のようなサイクルで二人は関係を続けていた。この事実を知った依頼者は離婚を決断するのは早かった。
依頼者と子供たちは、信越地方の実家に移転して生活を始めた。探偵が作成した調査報告書に基づいてこちらの弁護士さんに依頼して、夫に離婚調停、女には慰謝料請求を行った。いつも思うのだが妻たちは、夫の不倫の事実が発覚してしばらくは動揺が激しいのだが離婚を決意すると、あの時の苦悶が嘘のように清々しい表情に変わる。裏を返せば婚姻生活は疲労も蓄積するのかと考えてしまう。
依頼者の情報によると、夫の不倫相手の女は夫から三行半(離縁状)を突き付けられて家を出たという。依頼者の夫も妻子に家を出ていかれて新築の自宅でやもめ暮らしをしている。不倫が発覚すると男女ともに天国から地獄に堕ちる覚悟が必要なことを痛感する。
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