依頼者 妻 益田葉子(30) パート勤務
対象者 夫 益田幸作(32) 会社員 共に仮名
調査目的
夫の浮気相手の証拠撮影と対策
相談概要
2~3年まえから夫の生活態度が急変したので問いただすと、「事務職のパート女性、中学生の子が二人いるバッイチの広谷千鶴子(38・仮名)と2年前から交際している」と告白した。
私はいま経済的に自立が無理なので夫と別れる意思はない。女と交渉するか調停を申し立てて女に身を引かせたい。夫は、独身時代に女性との交際がなかったらしく、女性を見る眼の善悪の免疫がない。「彼女の奔放な生き方に共感する」などと言って女を讃える。私たちは結婚6年になっても子どもができないため不妊治療をしているが、夫はその女との子どもをつくろうとしていることを悪びれもせずにいう。女に洗脳され、深夜の帰宅や朝帰りを気にもとめない生活になった。
ある日遅く帰宅した夫は私に、「いま彼女と中出しでやってきた」と得意げに言う。そして、電話口で女に「あなたは妊娠できるぎりぎりの年齢だからね。近いうち妻と別れるからもう少し待ってくれ」などと話している。夫は、「若いとき女遊びをしなかった。結婚したら妻以外の女といっぱいセックスをしたいと思っていた。女とやって悪いのか?何が悪い?」と真剣な顔つきでいう。このような常識はずれの男と結婚した私自身も責任を感じるがとても情けない。
繰り返す夫と女の、私に対するあてつけ電話が原因で大喧嘩のすえ自殺未遂を起こした。数日後、女が訪ねてきて「私が身を引きます。今まですみませんでした」「もう、不妊治療の通院はやめてください。子どもがいなくても別の人生もあるでしょうから」などと神妙な顔つきで謝罪した。夫も帰宅して「あの女と別れた。これからはおまえ一筋だ」と言うが、私は全く信用していない。私を欺くための二人の芝居だと思う。
家庭は完全に破綻している訳ではないと自分に言い聞かせている。女が身を引けば元の夫婦に戻れるかもしれないと考えていたが、不倫の原因が私の不妊症にあることを知った為に夫婦としてやっていく気力が失せた。夫の心底を知り、私の心は人生の岐路に立っている。
その後の依頼者と女
退勤後の夫と千鶴子は公園駐車場の隅で落ち合い、ラブホテルやカーセックスに興じていた。探偵が撮影した二人のデート場面のスナップを手に依頼者は千鶴子と会って、夫と別れてくれるよう求めたが女は「あなたの教育が悪いから旦那が私のところに来るのだ。そんなに大事な夫なら、首輪をつけて柱に縛り付けておきなさい」と、先日の殊勝な態度とは別人のように反発した。
女との個人交渉を諦めて、依頼人は女に対して慰謝料請求を申立て100万円の慰謝料で合意した。さらに、女に今後「夫と交際が続ければ、探偵をつけて証拠を撮り何度でも慰謝料請求を行う」と告げると、女は100万円に懲りたらしく身を引いた。
探偵の眼
「そんなに大事な旦那なら首輪をつけて縛っておけ」、は不倫が発覚したとき居直って言う女性の常套句です。離婚経験者ほど不倫の罪悪感はなく、かつ、手口が悪質のようです。そのような傲慢女でも、判決と同じ効力のある調停が成立しました。これを破れば、給料等を差し押さえられることを承知しているので、抑止力の効果は大きいです。
この夫は、日本を代表する大企業のエリート社員ですが人間としての常識が欠落しています。真面目一筋に生きてきて、途中で脱線した場合に軌道修正が難しい男性が多いです。妻はこれから幼稚な夫の調教に苦労するかもしれません。
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